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江川達也監督『東京大学物語』

2008-01-10 19:04:55 | ノンジャンル
 WOWOWでマンガ家で原作者の江川達也監督の'06年作品「東京大学物語」を見ました。
 水野ハルカ(三津野葉子)はセックスに興味を持ち、特定の分野に天才的な才能を持つ少女で、ちょっと替わっているということでイジメられっ子になっていました。彼女は普通の人に合わせるように、人並みに生きるように努力し、高校に行く頃になるとイジメられなくなります。男子生徒の村上は彼女の一目惚れし、しつこくアタックします。村上の気持ちは遥に届き、ハルカは初めて生きててよかったと思います。
 村上は学校で一番成績が良く、東大を目指していることを知り、ハルカも猛勉強を始めます。村上はハルカの勉強に協力し、デートを重ねます。高1から村上のことが好きだったエリが落ち込んでいるのが気になって、ハルカは彼女の話をを聞いてあげると、エリは元気を取り戻し、偶然に出会った村上とエリは共通の話題に花が咲き、2人は急速に接近します。村上はハルカのことを気づかって、村上とエリを残して帰っていったハルカを追いかけ、ハルカは村上にねだってキスをします。東大しか受けないというハルカに気持ちの迷いを告白しようとした村上を、ハルカは教壇の中に誘い込み、村上とキスをし、ペッティングまで行ったところで、巡回の教師が来て、2人は逃げ出します。
 受験校を落ちたエリを慰めていた村上は、ハルカとの待ち合わせをすっぽかし、エリの求めに応じて彼女とセックスしてしまいます。エリのことで悩み始めてしまった村上は実力を出せず、東大の受験に失敗し、ハルカは受かります。村上は東大に落ちたことをハルカのせいにし、エリとのセックスも告白します。ハルカは村上を抱き締め、それでも村上が好きだと言います。
 ハルカは仲間と温泉旅行に生き、村上は彼女の事が気になり、自転車で傷だらけになってやってきます。村上はハルカの前ではこれから自分を飾ることをやめ、ありのままの自分になることを宣言し、ハルカも自分もそうすると言います。ハルカは今の自分に正直に生きたいと言い、正直な気持ちを言うと、村上は君は変だと言い、去って行ってしまいます。
 サッカーの早慶戦で別の女性と一緒にいる村上をハルカは目撃します。彼女は雪の降る中、村上のアパートで待ち伏せをしていると、例の女と村上が一緒にアパートに入って行きました。
 次の年の東大受験の翌日、ハルカは村上の合格を神社に祈りに行くと、そこでエリに出会い、大学に入って3人目の彼氏とつきあっていると言います。
 高校の同級生の男子がハルカをスキーに連れ出し、山奥に合格祈願の神社があると教えます。ハルカは1人で神社に行きますが、吹雪になり、たどりついた山小屋の中で、村上のことを思って幸福感に包まれます。救出されたハルカが目覚めると、ユキとスキーに誘った同級生が来ていて、ハルカを救いに行く途中、雪崩に会って村上が死んだと告げられます。そして村上に妊娠させられたことを知ります。
 しかし、実際に凍死で死んだのはハルカの方でした。村上が来たというのはハルカの見た幻でした。村上は東大に合格し、エリート官僚になります。
 以上の話は、実はハルカが書いたマンガで、江川達也にこれを作品にしてほしい、と頼み、「東京大学物語」と題するマンガとなってヒットし、映画化されるまでになりました。映画の撮影シーン、受賞シーンが繰り広げられ、最後に試写室で、ハルカと江川達也が映画を見終わると、江川は「これは君の映画だよ」と言って立ち去る、といった話です。

 原作がエッチなシーンの連続なので、それを期待して見たのですが、映画は全然違っていて青春映画でした。ハルカの寛容さ、心の広さが、世間からは異常なものに見え、好きな人からも変と言われてしまうハルカの存在感が際立っていて、脚本の水田琴恵さんの力がかなり発揮されていると思いました。熊田曜子似のハルカ役の女優さんは原作のイメージとはもちろん違うのですが、魅力的はハルカを演じ、特に教壇の中でのキスシーンのエロティックさは素晴らしかったです。コミカルな演出は鼻につく部分もありましたが、映画自体は結構楽しめました。いろんな意見はあると思いますが、私はこの映画をオススメしたいと思います。