「映画美学校の教室から」という副題の「映画の授業」という本の一部を読みました。読んだ動機は、以前にも書いたと思いますが、私が大学生の時、彼の初の自主映画の撮影に協力し、共に多くの映画を見た、今では「リング」の脚色をしたことで知られる高橋洋君の文章が載っている事、そして、やはり私が大学生だった頃、蓮實重彦氏が立教で授業をしていく中で生まれ、当時最も先端的な活動をしていたパロディアス・ユニティという映画集団があったのですが、その中でも私が一番好きだった万田邦敏さんの文章が読めることでした。
はじめに黒澤清氏が「この世には絶対に正しい映画が存在する」と宣言し、ちょっと引きます。私は「人間が描かれていない映画は正しく無い」という持論をもっているので、強引にそこへ持って行きましたが、黒澤氏が何を考えているか、正確なところは分かりません。
そして高橋君の「シナリオと映画」「プロットを立てる」「シナリオを書く」という文章があるのですが、読んでいて大学生時代に読んだ彼の文章を思い出すとともに、やっぱり今読んでも分からないところが多い、ということを再認識させられました。先日もフリッツ・ラングに関することでメールをやり取りしたのですが、考えてることのレベルが違うな、と感じました。何かちぐはぐな会話になってしまうんですよね。普段から映画のことしか考えていない彼の教養についていけないもどかしさを感じました。
それから、万田邦敏氏の「私たちは映画の何を見ていないのか」(「ダーティーハリー」をめぐって)ですが、非常に分かりやすく、質問を発し、生徒に発言させ、実際はどうだったのか画面で検証していく、という、蓮實重彦氏も東大の映画ゼミで試みたこともある授業形態で、これなら出席している生徒も楽しく学べるだろうと思いました。私が大学生時代、万田さんの映画を見て感じた優しさが、この授業にも横溢しているようで、読んでて嬉しかったです。
ということで、映画を作ることに興味のある方には、オススメの本でした。
はじめに黒澤清氏が「この世には絶対に正しい映画が存在する」と宣言し、ちょっと引きます。私は「人間が描かれていない映画は正しく無い」という持論をもっているので、強引にそこへ持って行きましたが、黒澤氏が何を考えているか、正確なところは分かりません。
そして高橋君の「シナリオと映画」「プロットを立てる」「シナリオを書く」という文章があるのですが、読んでいて大学生時代に読んだ彼の文章を思い出すとともに、やっぱり今読んでも分からないところが多い、ということを再認識させられました。先日もフリッツ・ラングに関することでメールをやり取りしたのですが、考えてることのレベルが違うな、と感じました。何かちぐはぐな会話になってしまうんですよね。普段から映画のことしか考えていない彼の教養についていけないもどかしさを感じました。
それから、万田邦敏氏の「私たちは映画の何を見ていないのか」(「ダーティーハリー」をめぐって)ですが、非常に分かりやすく、質問を発し、生徒に発言させ、実際はどうだったのか画面で検証していく、という、蓮實重彦氏も東大の映画ゼミで試みたこともある授業形態で、これなら出席している生徒も楽しく学べるだろうと思いました。私が大学生時代、万田さんの映画を見て感じた優しさが、この授業にも横溢しているようで、読んでて嬉しかったです。
ということで、映画を作ることに興味のある方には、オススメの本でした。