えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

稼ぐが勝ち

2014-02-16 14:29:22 | 歌う

            「稼ぐが勝ち」

❤生き残る夏虫のごと如月の寝床をのっそりのっそり離れる  松井多絵子

 目覚ましのアラームに起こされて仕方なく寝床から離れ、広げた朝刊に<ホリエモン>の元気な笑顔。たくましいというより図々しい笑顔。でも気になる41歳の男である。昨年11月9日
ホリエモンは2年半の刑期が満了。その数時間前に彼の著書PRイベントを東京で開き、200人の聴衆が集まり、2004年に刊行したベストセラー『稼ぐが勝ち』などの宣伝を開始した、そうである。さらに11月に著書『ゼロ』を刊行。全国の書店を回り、サイン会や講演会をこなす。
刑務所で1000冊の本を読んだという記事を読んだことがあるが、原稿も書いていたのだ。転んでもタダでは起きない男。さらに彼はメールマガジン『堀江貴文のブログでは言えない話』を毎週月曜の朝、配信している。

 このメールマガジンは2011年から13年の仮釈放まで、長野刑務所で過ごした間も発行された。メルマガには堀江が注目した時事ネタ、日々の活動記録、グルメ情報などなど多彩だ。

 彼は 「自分の中にプライドというか、いい人と思われたくなかった。いい人と思われても気持ちが悪い。ちょっと嫌なやつだと思われていて、会ってみるとイイヤツだ」。がいいらしい。
でもね、堀江さん、ちょっとイヤな奴と思っていて、会ってみたらすごくイヤナヤツって人もいますからね。私はまだアナタに会ったことがありません。会って話したら???。

 堀江貴文さま  今朝は0度でした。『ゼロ』を読むのは真冬の早朝ですか。
                             2月16日  松井多絵子


逆境の華

2014-02-15 14:14:57 | 歌う

         ✿✿ 「逆境の華」 ✿✿

★すべるとき豹の目となる氷上の羽生選手の光と陰と  松井多絵子

 ソチ五輪で金メダルを得た羽生選手の映像を見ながら、雪国を想い中城ふみ子を想った。60年も前に夭折した北海道の歌人・中城ふみ子を。乳癌、離婚、失恋などの逆境から名歌が生まれたのだ。羽生は2歳の頃からゼンソクに悩まされ、今も飲み薬は朝晩2錠。吸入薬も欠かせない。
ねんざした足首には補助のテープ。普段の練習は2時間以内。硬い上半身をほぐすため全身15か所につねにハリを入れている。寝返りを打てないときもある、そんな青年は私の周りには1人も
いない。しかも日本中の期待を一身に背負っている。19歳の彼に申し訳ない気がする。

 近頃はあまり使われないが、ハイリスク・ハイリターンという言葉。五輪の試合そのものだ。私は長いこと短歌をやってきたが、さほど評価されない。が、体を痛めるほど努力してはいない。私のしていることは、ローリスク、ローリターンなのである。羽生選手よ、金メダルの輝きのなかに思いきり浸ってほしい。心も体も金色になるまで。いま私の窓に西日がやってきた。

 ☀ 西日ふかく入りきて蓮の花ひらく無名の画家の描きし素描  
                           2月15日  松井多絵子

 


涙を流す

2014-02-14 14:29:16 | 歌う

            「涙を流す」

❤仲間の死に涙を流す象のこと知りて罪深き私となる  松井多絵子

 涙は目の涙腺から分泌される体液であり、眼球の保護が主要な役割である。涙腺から分泌される液体が、眼球をうるおし異物を洗い流す作用がある。刺激や感情で分泌が盛んになる。年を取るほど涙もろくなるのは涙腺が弱くなるからだ。 「聞くも涙、語るも涙」、涙もろいのは情緒があり繊細な心の持ち主だからであろう。感情移入ができるひとなのか。

         ❤ 涙より白ばら 五首      松井多絵子

いちばんに言いたきことを言わぬまま別れの部屋にきみの瘦身

涙より咲きし白ばら一輪をきみの棺のなかに納める

弔電にも順位あるらし殿(しんがり)に読まれる無職、哲男の電文

薄氷を踏むごと二月の夕暮れの舗装道路を歩いていたり

雪どけの水の流れのように聞くマンホールのそばに立ち続けながら  

  大切なひとがこの世を去る2月、早く終わってほしい2月。  

                 2月14日  松井多絵子     


小高賢さんの急死

2014-02-13 14:07:46 | 歌う

         「小高賢さんの急死」

 2月11日の早朝、小高賢さんが急逝された。千代田区の事務所で亡くなり家族が見つけ
た。死因は過労らしい。「特別秘密保護法反対」のデモにも繰り返し参加されていたとのこと。近年は「老いの歌~新しく生きる時間へ」という著書を刊行するなど私たち老人のリーダーだった。彼は68歳なのに、中年の雰囲気、老いを少しも纏わない素敵な方だった。私の仲間の老女たちは彼のファン、この世の最後の楽しみは小高賢とのデートを、海辺のレストランでなどと夢想している老女。私はせめて1時間彼と水族館を巡りたかった。だからご冥福をお祈り申しあげます、などと云う気になれない。「私たちをスッポカシてあの世へ行くなんてヒドイじゃないの
小高賢さん」。 論に歌に活躍された「かりん」の歌人の小高さんの歌を四首。

       ❤ 他界の父 ほか四首    小高 賢

仰向けになりておもえりわが齢に父はいかなる夕日を見しや

世界病む断面の濃き朝刊を抱え勤務の隊列に入る

職階とは端的なれど地位に応じ椅子の形の異なるをいう

父の座に子の坐る日を仏壇にわれは他界の父として眺る(みる)

※昨年8月2日のブログをお読みください。「検索 小高賢~松井多絵子」をクリックしますと
ブログーえくぼ、さらに★「老いを楽しむ」をクリックしてください。  
                       2月13日  松井多絵子             

 


緑が光る

2014-02-11 14:39:04 | 歌う

             「緑が光る」

★地球のみの色かもしれぬさ緑をひきよせ離さぬわれの老眼  松井多絵子

 窓をひらけば葉のない紗羅の木。二月のわたしは緑色に飢えている。朝日朝刊社会面の光る緑色のキモノの女が目につく。この緑色に光って見える素材は、遺伝子組み換えカイコが作った蛍光シルク。実用化に向けた国内初の試験飼育が今夏にも実施される見透しとなった。私はときどき緑という色は宇宙のなかの地球にしかない色に思える。今まで緑をたくさん詠んだ。

          緑よ、緑よ       松井多絵子

 立ち止まり茶を飲むペットボトルより緑の液は喉へとながれる

 めざめれば辺りの緑は消えうせて雪の白さからだに沁みる

 暗緑のカビをながめる一切れのチーズの中のふらんすの森

 新緑の木々の間にそそり立つ白いタイルの脳外科病院

 まだ読まぬ読みたき本の嵩のごと行く手に新緑白神山地

   ※まだまだ緑の歌があります。こんなコワイ歌もあります。

 緑っておそろしいわと云うひとの視界は狭まり緑内障に

     はやく新緑のなかを歩きたいですね。

        晴天でも寒い2月11日  松井多絵子