「涙を流す」
❤仲間の死に涙を流す象のこと知りて罪深き私となる 松井多絵子
涙は目の涙腺から分泌される体液であり、眼球の保護が主要な役割である。涙腺から分泌される液体が、眼球をうるおし異物を洗い流す作用がある。刺激や感情で分泌が盛んになる。年を取るほど涙もろくなるのは涙腺が弱くなるからだ。 「聞くも涙、語るも涙」、涙もろいのは情緒があり繊細な心の持ち主だからであろう。感情移入ができるひとなのか。
❤ 涙より白ばら 五首 松井多絵子
いちばんに言いたきことを言わぬまま別れの部屋にきみの瘦身
涙より咲きし白ばら一輪をきみの棺のなかに納める
弔電にも順位あるらし殿(しんがり)に読まれる無職、哲男の電文
薄氷を踏むごと二月の夕暮れの舗装道路を歩いていたり
雪どけの水の流れのように聞くマンホールのそばに立ち続けながら
大切なひとがこの世を去る2月、早く終わってほしい2月。
2月14日 松井多絵子
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