「緑が光る」
★地球のみの色かもしれぬさ緑をひきよせ離さぬわれの老眼 松井多絵子
窓をひらけば葉のない紗羅の木。二月のわたしは緑色に飢えている。朝日朝刊社会面の光る緑色のキモノの女が目につく。この緑色に光って見える素材は、遺伝子組み換えカイコが作った蛍光シルク。実用化に向けた国内初の試験飼育が今夏にも実施される見透しとなった。私はときどき緑という色は宇宙のなかの地球にしかない色に思える。今まで緑をたくさん詠んだ。
緑よ、緑よ 松井多絵子
立ち止まり茶を飲むペットボトルより緑の液は喉へとながれる
めざめれば辺りの緑は消えうせて雪の白さからだに沁みる
暗緑のカビをながめる一切れのチーズの中のふらんすの森
新緑の木々の間にそそり立つ白いタイルの脳外科病院
まだ読まぬ読みたき本の嵩のごと行く手に新緑白神山地
※まだまだ緑の歌があります。こんなコワイ歌もあります。
緑っておそろしいわと云うひとの視界は狭まり緑内障に
はやく新緑のなかを歩きたいですね。
晴天でも寒い2月11日 松井多絵子
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