「がんばれ神田香織さん」
❤初春や遠く聞こえる軍靴の音 香織
2月3日の朝日俳壇と歌壇のはざまに、短い評論を書いているのはの神田香織さん。
俳人でも歌人でもない講談師である。神田さんはジャズ講談や一人芝居の講談を次々に発表し、講談の新境地を開いている。9年前の「チェルノブイリの祈り」は旧ソ連で起きた原発事故の実話を伝え、再び悲劇が起こらないことを願った。しかし東日本大震災。神田さんの生家は福島第一原発から55キロのいわき市小名浜の近くである。津波の被害は免れたが家は半壊、そこに今でも80代の両親が住んでいる。周りは新築または更地、コミュニティは崩壊しつつある。
❤散る桜残る桜も散る桜 良寛
あの桜並木をもう誰も愛でることはできない。大震災から間もなく3年。震災のストレスから父上の両脚が丸太のように腫れ上がったが、医者にかからず1か月後に完治。よかったですね。神田香織さんも父上のように逞しい方。社会派講談師としてがんばってください。
♪♪ 転んでも起き上りましょう失くしても取り戻しましょう春が近づく
2月3日 松井多絵子