2016.9.21 日本武道館
Queenのライブは素晴らしかった。
それは、何といっても、アダム・ランバートの力が大きい。
歌が圧倒的にうまい。
声量があるし、声がいい。
安心して聴いていられるのは大きい。
Queenの楽曲は、高低差があんなに幅広いのに、それをもろともせず、余裕を持って歌いきる!
その実力に惚れ惚れした。
今の世にフレディが存命でも、あの歌い方はできない。
そう思うと、若い(34歳)って素晴らしいと思う。
彼は、フレディというより、ジョージ・マイケルを思い出させる。
ゲイの風貌がもちろん、伸びと張りがありながら、柔らかさもある声が特に。
私は、ワム!も好きだったのだ。
私が目を惹きつけられたのは、もう一人、ロジャーの息子の、ルーファス・タイガー・テイラーだ。
彼は、ライブの間じゅう、ずっとロジャーのサポートと言うべき、影でドラムを叩いていた。
時にティンパニーも。
その彼が脚光を浴びるのが、ロジャーとのドラムソロ。
彼らは交互に叩いていた。
和やかにではなく、一種のバトルとして。
貫禄ではロジャーが上手だが、
スピード感やテクニックでは、息子に軍杯が上がった。
タイガー(そう呼ばれていた)は、ロジャーゆずりのブロンドヘアを揺らし、
これまた父親ゆずりのつぶらな瞳。
スクリーンに写し出されると、どうしても見とれてしまう(笑)
ルックスでファンになった人だっているんだから、大切な要素だ(笑)
かつての楽曲を聴いて、懐かしさに浸るのもいいが、若い勢いが心地良かった。
ルーファスがドラムを務めた「Tie Your Mother Down」は、パワーがあって、本当に素晴らしかった。
できれば、ツーバスにして、さらにパワーアップしたのが聴きたかった。
アダムも、そんなルーファスに負けじと、魂の熱唱を聴かせてくれた。
「Don't Stop Me Now」と並ぶ、のせるし、聴かせる曲だった。
ステージには、5台のスクリーンがあった。
袖に2台ずつ(武道館の北側の人に配慮して、外に向けたのがあった)、
中央に、大きくて丸い1台だ。
周りにライトが沢山ついていた。
モダンな感じゃなく、クラシカルで優美で巨大な手鏡みたいだった。
中央のスクリーンは特別で、フレディが映ることがあった。
ボヘミアン・ラプソディでは、ガリレオ~の辺りは、かつての映像とフレディの声。
リアルのライブ音源と、スタジオ音源が混じった、斬新な作りだった。
ボヘミアン・ラプソディの最終章では、再びアダムが歌ったと思いきや、今度はフレディと掛け合い。
アダムのボーカルだけじゃなく、フレディを半ば強引でも登場させる・・・
私は、アダムの歌が素晴らしかったため、そこまでやらなくてもと少し違和感を持った。
でも、大部分のファンは、フレディへが出ると沸く。
Queenは、フレディがいてこそなんだろう。
「Love of my life」では、ブライアンが『若かりし日のフレディに向けて』と、歌い始めた。
ブライアンの心には、いつの日もフレディがいる。
日本語も交えたブライアンのMCを聞いた後の、淡々とした歌声。
それが切なくて、涙を流してしまった。
周りでは、男性も涙を流していた。
続けて、「手を取り合って」
ブライアンのアコギは、上手なのかわからないが、味がある。
この日のライブで、一番良かったと思ったのが、
「Who Wants to Live Foever」
『Kind of Magic』の中の1曲らしい。
私は知らなかった。
先入観がなかったのが良かったのかも知れない。
アダムが、コーラスもなく、生歌で切々と歌う。
声がどこまでも伸びて、本当にきれい。
ダンスもなく、照明も落とし気味。
シンプルな曲がストレートに心に響き、その歌の上手さに酔いしれた。
聴き入ってしまった。
「I Want It All」「The Show Must Go On」も、真に迫って、とても良かった。
前半は、Killer Queenなどで、おねぇキャラが見られたので、アダムは変人かと思ってしまったが、
後半になると、歌の一本勝負に圧倒され、ゲイでも何でもいいと思えた。
高いヒールの靴(フレディに合わせたらしい)も、低めの靴に変えていた。
70歳近いブライアンとロジャー。
今そこにいるだけで、それでいいとの境地にさせたのは、アダムなんだ。
70年代に活躍した懐かしのアーチストのライブの成功例なんじゃないだろうか。
アンコールは、「We wii Rock You」「We Are The Champions」
一緒に歌い、隣の人と一緒に手を左右に振り、本当に楽しかった。
大満足のライブだった。
【セットリスト】
1.輝ける7つの海
2.ハンマー・トゥ・フォール
3.ストーン・コールド・クレイジー
4.ファット・ボトムド・ガールズ
5.ドント・ストップ・ミー・ナウ
6.キラー・クイーン
7.愛にすべてを
8.ラヴ・オブ・マイ・ライフ
9.手をとりあって
10.輝ける日々
11.ドラムバトル
12.アンダー・プレッシャー
13.愛という名の欲望
14.地獄へ道づれ
15.アイ・ウォント・イット・オール
16.リヴ・フォーエヴァー
17.ショウ・マスト・ゴー・オン
18.ギター・ソロ
19.タイ・ユア・マザー・ダウン
20.ブレイク・フリー
21.ボーン・トゥ・ラヴ・ユー
22.ボヘミアン・ラプソディ
23.レディオ・ガガ
アンコール1.ウィ・ウィル・ロック・ユー
アンコール2.伝説のチャンピオン
友人も、抽選に外れ、今回も厳しかったようですね。
ブライアンはともかく、ロジャーがあと何年叩けるかによって、次の来日は決まるんでしょうね。
健康でいてほしいなぁ
アダム・ランバートなら、また見たいです