メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

月兎 の 月兎

2011-08-07 16:12:30 | メロディック・ハード
日本のプログレバンドのデビュー作。
このバンドとは知り合いなので、CDは本当に心待ちにしていた。

楽曲は、以下の通り。

1.月に眠る
2.天空への小恋歌 (マドリガル)
3.追憶part1
4.追憶part2
5.追憶part3
6.メサージュ~あなたへの伝言


全体的に70年代プログレっぽい。
シンセによる音の広がりや、変リズムの多用、場面展開の多さもそうだが、クールな空気感もそう感じさせる。
ライブでの演奏を聴いてからCDを聴くという、いつもと逆のパターンのせいか、プログレ色が濃くてちょっぴりびっくり。

月兎の魅力は、その70年代プログレをベースにした上で、何の楽器をメインに置くかによってさまざまに表情を変えることだ。
女性ボーカルの麗奈さんが前面に出ると、しっとりしたジャパニーズ・ポップになり、ギターの村上さんが前面に出るとHR、ツーバス使用のドラムスのつっしーだとHMだ。


1曲目の“月に眠る”は、麗奈さんのボーカルが始まる前の静寂がいい。
透明感ある声がよく映える。

2曲目の“天空への小恋歌 (マドリガル)”は、スローな曲。
麗奈さんの歌の練習曲が進化してできあがったそうだ。

3曲目の“追憶part1”は、麗奈さんの狂気交じりのスキャットが好きだし、その後のギターソロは、まさに70年代HR。
やっぱり“Child In Time”を彷彿させる。
サムさんの軽快なキーボードソロとの掛け合いも楽しい。

4曲目の“追憶part2”のラストは、つっしーのダブルバスドラの連打だ。
これが、緊迫感をさらにあおる。

5曲目の“追憶part3”は、曲の展開にスリルがある。
歌に起伏があり、落ちていくようなシンセに泣きのギターがからむ。
たつやさんの正確に刻むベースが、不安感を掻き立てる。
このあたりの感触にゾクゾクする。

6曲目の“メサージュ~あなたへの伝言”は、一番70年代プログレっぽいと思う。
(ジェネシスあたり)
途中から空気感がやや暖かくなるのもいい。
ベースがリードを取ってるのが、ルネッサンスっぽくて楽しい。
包み込むような優しいギターソロが、緊迫感から解放されるいいアクセントになっている。


楽曲の質が高いため、聴き終わった後に確かな満足感がある。
身内びいきでなく、プログレ好きの多くの人に聴いてもらいたい。
まぁ私は、最近のもっとHMっぽい曲が好きだから、早くも次のアルバムを期待してしまう。