メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Asia の Phoenix

2008-08-13 22:07:13 | メロディック・ハード
1980年代前半に大ブレイクしたプログレ/POPバンドの、え~と9作目くらいか。
クリムゾン、ELP、YESの元メンバー達が集まってできたスーパーバンドだったのは、衆知の通り。
当時は、プログレは廃れつつあったので、今さら豪華メンバーが集まったとしても、古臭い音楽では成功できないんじゃないかと思われていたが、いざフタを開けてみたら、これがキャッチーなPOPバンド(プログレは味付け程度)で素晴らしく、びっくりした。
1,2作目は、歌メロの美しさとシンフォニックさが壮大で、よく聴いたものだった。

が、メンバーチェンジの影響か、次第にマンネリしていった。
まぁ、つまんなくなったってことだ。

そのAsiaの『Phoenix』は、1,2作目のオリジナルメンバー復活で、素晴らしいというので、全然期待しないで聴いてみた。
デビューアルバムがそうだったように。

またもやびっくりした!
これは、1,2作目の延長線上にある!時が止まっていたかのようだ!!

実際、1曲目の“Never Again”は、“Heat Of The Moment”“Don't Cry”を意識した音作り。
わかりやすいメロディと、サビでここぞとばかりガーンと盛り上がる手法。
彼らは、リスナーが何を求めているかがよくわかっている。
5曲目の“Albis”も同様の曲作り。個人的には、この曲が一番好きだ。
同じ頃はやった、サーフロックを思い出してしまった。

4曲目の“Sleep Giant/No Way Back”は、最初の緊迫感と閉塞性のあるサウンドのまんまで短く終わってほしかった。

スティーブ・ハウの派手めのギターも変わらない。
クサさ寸前のメローさがたまらない。
ジョン・ウェットンの、往年と変わらない、艶のある歌声はどうだろう。

時折、クリムゾンのメロトロンのような空気感に覆われる。エピタフあたりの。
かつてのAsiaにはなかったと思えるが、これがいい。

8曲目の“Parrarel Worlds/Vortex/Deya”の、プログレ Meets AORのようなサウンドもいい。
これも、4曲目と同様、8分もいらないかな。

後半は、プログレ色が強く、POPっぽくないため沈んだ感じだが、流れがあるし、むしろこちらが本来の彼らの姿だろうと思えて、すんなり聴ける。
何より、壮大だ。

「懐かしさ」や「耳馴染んだサウンドのために聴きやすい」といったことを超越している。
古臭いかも知れないが、いいものはいいんだと、強く言える作品だ。
Asiaの底力を見た。