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気ままに

大船での気ままな生活日誌

京都・智積院の名宝/抒情と荘厳 サントリー美術館 

2023-01-14 11:34:44 | Weblog

おはようございます。

京都の智積院は紅葉のときに何度か訪ねていて、そのとき長谷川等伯一派の国宝・障壁画などを所蔵する宝物館も覗いている。それらが、今、六本木のサントリー美術館(1月22日閉幕)に来ているというので、はせ参じた。京都・智積院の名宝/抒情と荘厳(等伯プロデュース国宝障壁画一挙公開)という展覧会名である。

智積院というと長谷川等伯・久蔵父子の国宝の楓図と桜図。久蔵は桜図を描いたあと、24才の若さで夭折。等伯がそのあと楓図を描いた。東博の国宝・松林図屏風も久蔵亡きあとのもので、悲しい思いが描きこまれている。もちろん、本展でもこの楓図と桜図が並んで展示されている。撮影禁止なので、智積院での写真を載せたい。宝物館では撮影禁止だったが、楓図と桜図の精密復元図が、名勝庭園を望める部屋に置かれ、撮影が可能であったのだ。

また、先日、”ぶら美”で本展の紹介をしていたので、それらの映像も使わせていただいた。これで等伯プロデュース国宝障壁画一挙公開が可能となった(笑)。

本展の章立ては次のようになっている。

第1章 空海から智積院へ
第2章 桃山絵画の精華 長谷川派の障壁画
第3章 学山智山の仏教美術 
第4章 東アジアの名品集う寺
第5章:智積院の名宝が結んだ美

やはり、第2章が本展の要であるので、ここを中心に記録しておきたい。作品の解説文は主として智積院のものを使わせていただいた。

第2章 桃山絵画の精華 長谷川派の障壁画

秀吉は天正19年(1591)に3歳で夭折した息子・鶴松(棄丸)の菩提寺として、京都・東山の地に祥雲禅寺を建立したが、長谷川等伯一門がここの障壁画を任された。のちに徳川政権の元で、智積院は祥雲禅寺の伽藍とともに障壁画群を拝領し、火災や盗難などを逃れ、今日まで守り伝えてきた。等伯一派によって描かれたこれら障壁画は、桃山時代を代表するものであるとともに、日本が世界に誇り得る第一級の絵画と評されている。

以下、智積院での写真。

楓図、桜図が並ぶ部屋。

国宝・楓図(長谷川等伯)「桜図」の完成の翌年に亡くなった息子久蔵の突然の死を悲しみ、創作意欲を失いかけたが、息子の分まで精進しようと自分を鼓舞し、楓図を描き上げたといわれる。桜図と同様な豪華さで楓の古木が枝をいっぱいに広げ、その下には様々な草花がみごとに配されている。 息子の死という悲痛な思いを乗り越えた力強さと、落ち着いた秋の雅が感じられる。等伯55歳の時の作品(智積院・解説)。

国宝・桜図(長谷川久蔵)金箔をふんだんに使った絢爛豪華な色彩を背景に、力強い桜の大木を描き、そして絵の具を盛り上げる手法を用い、桜の花びらの一枚一枚を大胆に表現している。まさに花びらの中から、長谷川等伯の子・久蔵の若さ溢れる情熱が眼前に迫ってくるかのようだ。久蔵が25歳の時の作といわれている。しかし、残念なことに久蔵はこの翌年亡くなる(智積院・解説)。

以下の写真は”ブラ美”のテレビ画像より。

国宝・松に黄蜀葵(とろろあおい)図(等伯)寺外初公開とのこと。高さ3メートルを超える巨大な障壁画、サントリー美術館でなくては飾れない。過去の火災等によって一部消失したために、襖絵から床貼付に改変されたもの。上段は別の襖絵を持ってきているという。

国宝・松に秋草図(等伯)左に芙蓉、右にムクゲの花、中央にすすき。

国宝・雪松図(等伯)つい江戸時代の丸山応挙の国宝・雪松図と比べてしまう。こちらの方は雪はずっとと少ない。

十六羅漢図屛風(等伯)1609(慶長14年)等伯の最晩年71歳の作。翌年没する。

長谷川一派がよく用いたモチーフがあちこちに描かれているという。羅漢さんの表情も豊か。

”智積院の名宝が結んだ美”というコーナーで堂本印象の障壁画が並ぶ。お寺の襖絵としてはずいぶん華やかで印象深い(笑)。原谷苑の枝垂れ桜を見に行ったとき、途中の立命館大学前の堂本印象美術館に立ち寄ったことがある。

婦女喫茶図(堂本印象)

松桜柳図(堂本印象)柳、桜など長谷川派を意識して作成したのではと山田五郎さんたちは言っていた。

以下各章の代表作を。

第1章 空海から智積院へ

弘法大師像一幅 室町時代 文安元年(1444)

第3章 学山智山の仏教美術

重要文化財・孔雀明王像 一幅 鎌倉時代 14世紀

国宝・金剛経(部分) 張即之 一帖 南宋時代 宝祐元年(1253) 

第4章 東アジアの名品集う寺
第5章:智積院の名宝が結んだ美

あとは、ユーチューブで見てもらいましょう。

サントリー美術館「京都・智積院の名宝」

昨日の相撲(6日目)

貴景勝、全勝・阿炎をひきずり落とし1敗で並ぶ。今日は翠富士戦。

豊昇龍、翠富士に惜敗。今日は阿炎戦。佳境の中盤戦。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

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7 コメント

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動画に (アナザン・スター)
2023-01-14 11:45:34
動画、奥行きと広がりに魅了されました。
眼を閉じれば、宇宙空間へと飛躍です。

空海⤴空間・森羅万象に繋がります。

寒さも緩んでのお出掛けでしたか?
ご同伴と察しましたが、仲佳きことと琴の音を耳に。
返信する
アナザン・スターさま (marbo)
2023-01-14 13:26:57
楽しんでいただき嬉しく思います。動画が入ると、三次元の世界、さらに空海⤴空間・森羅万象に繋がりますね。

暖かい日に出かけました。だいたい一人で出かけますよ。吾妻山もここも。急に思い立って出かけるもんですから(笑)。
返信する
Unknown (雪椿)
2023-01-14 14:13:39
智積院
豪華絢爛で見事です 
 
お庭も綺麗で昔、岩下志麻さんが智積院の庭の所での化粧品のCMがありましたね

智積院は何故だか?
観光客が少なくて穴場だと思います
季節の花も綺麗です
三十三間堂と智積院と拝見してます

市バスだと清水寺に行く途中なので
下手すると清水寺に行く方のバスも
帰りの京都駅に行くバスも満員で停まってくれない事があるので行く時は息子の車で行っています

相撲は
隠岐の海関が引退するそうです
十両に下ってからの引退ではなくて幕内力士としての引退と決めていたとか?
稀勢の里のファンになって相撲を見始めた時に活躍していた力士が引退していくのは寂しさが
あります

昨日は朝乃山の取り組みをハラハラ、ドキドキしながら見てました
勝って良かったですが、熱戦でした
十両には外国人の力士で体格も良く、強そうなのが何人かいますね
昨日の相手もそうでした。 
まだ、カザフスタン?だったかの人で金峰山とか、
朝乃山との対戦もあるだろうけど。
元大関だから、勝って当たり前と言われてる中で
それが朝乃山の変なプレッシャーにならなければと思っています
朝乃山は怪我なく幕内に上がって欲しいです

熱海富士も金峰山関とかに勝って行かないと
幕内に上がっても、ずっと対戦する事になるでしょうから。
本当にアレコレ迷わず、考え過ぎずに思い切りの良い相撲を見せて欲しいです
とにかく、朝乃山も熱海富士も
怪我なく場所を終えて欲しいです

幕下で
十両から幕下に落ちた徳勝龍が
今日、勝てば勝ち越しです
来場所には十両に戻って欲しいです
幕内にいた
友風は幕下上位に上がっても負け越しで中々、十両に上がれてなくて 
今場所も負けてるし、怪我でもしてるのかと思っています

稀勢の里の時代のお相撲さんは
現役の頃に年寄り株ですか?
それを取得しているお相撲さんが多かったような気がしますが
引退する隠岐の海も取得しているし

今は引退して親方で協会に残るのも大変みたいですね
だから
松鳳山とか協会に残れなかったのでしょうかねぇ??
横綱だった鶴竜も、まだ元横綱でも
取得してないなんて変な事だと思います
 
  
返信する
Unknown (雪椿)
2023-01-14 14:33:34
それと
今場所、貴景勝が
12勝くらいでの優勝なら
横綱昇進はないと思いますが
もし、来場所も優勝したら
二場所の連続優勝となれば 
貴景勝は横綱昇進となるので
しょうね?
そうしたら、大関がいなくなりますね?

豊昇龍も負けてるし、
誰が大関になるのか?
その中に高安がいないのは残念です
返信する
Unknown (marbo)
2023-01-14 19:01:19
たしか智積院は穴場かもしれませんね。紅葉もきれいだし、庭園も宝物も立派なのに、観光客は少ないですね。清水寺と東福寺に引っ張られてしまうのか。

相撲も面白くなってきました。貴景勝は今日も勝ち、トップ。14勝優勝なら横綱昇進ではないですか。12勝優勝では今場所見送り、来場所優勝で間違いなく昇進でしょうね。そうなると、大関不在となりますね。若隆景は期待できなくなったし、豊昇龍ももうひとつ。高安はゼロからやり直しと、さすれば、朝乃山の昇進を待つしかないか(笑)。

年寄り問題はなんとかしなくては。元横綱が年寄株をもっていないとは可哀そうですね。隠岐の海はすんなり年寄りになりましたね。十両まで落ちて引退より幕内のうちにと思っていたのでしょうね。

”どうする友風”ですね。早く関取に戻って、親方を助けてほしいです。朝乃山は全勝優勝で一気に再入幕の可能性が出てきましたね。熱海富士は勝ち越せば、再入幕できるでしょうに、どうも調子が出ないようですね。
返信する
Unknown (小父さんK)
2023-01-15 08:26:40
おはようございます。

>楓図、桜図が並ぶ部屋。

あっ、これは京都・智積院なんですね。
これは行ってみたいです!

>「桜図」の完成の翌年に亡くなった息子久蔵の突然の死を悲しみ、創作意欲を失いかけたが、・・・

こんなことってあるんですね。
父の死の後に息子創作を続けるという話はありそうですが・・・。

>まさに花びらの中から、長谷川等伯の子・久蔵の若さ溢れる情熱が眼前に迫ってくるかのようだ。久蔵が25歳の時の作といわれている。

説明だけでも感動しそうですね。

>左に芙蓉、右にムクゲの花、中央にすすき。

日本画の魂が込められている気がします。

>つい江戸時代の丸山応挙の国宝・雪松図と比べてしまう。

これまた、興味深い鑑賞ですね。

>十六羅漢図屛風(等伯)1609

ネット上の作品を観ていますが
      ↓
港区民ニュース
\等伯晩年の名品/ 昨日放送「ぶらぶら美術・博物館」でも取り上げら のURLをここにコピペしていたら投稿できなかったようです(汗)

なんだか不可思議な印象です。
仏教もこのような形になるとなんだかより深い修養か帰依がないとその深さが理解出来ない気もします。

>婦女喫茶図(堂本印象)お寺の襖絵としてはずいぶん華やかで印象深い(笑)

これは面白いですね。
ホテルのホールとか宮殿の応接間向けみたいな・・・。

>松桜柳図(堂本印象)柳、桜など

こちらは、見上げる壁がいいように感じます。

>弘法大師像一幅

古い仏像より親しみやすいですね。

>重要文化財・孔雀明王像

子供でも親しめます!

>国宝・金剛経(部分)

うわっ、アラビア文字に接したみたい(汗)

ユーチューブを拝見しましたが、何と贅沢な空間なんでしょう!

京都・智積院から襖も外してもってきたんですね。
その間には別の襖はあるんでしょうか?
なんて妄想も浮かびました。

いやいや珍しい展覧の紹介、誠にありがとうございました。
返信する
小父さんKさま (marbo)
2023-01-15 09:56:28
ていねいに楽しんでいただきありがとうございます。

>あっ、これは京都・智積院なんですね。これは行ってみたいです!

できれば紅葉の頃がいいと思います。

>港区民ニュース

見ました。えびを背負った羅漢さんなども。一人ひとりの羅漢さんを見て廻るのも楽しいですね。

>これは面白いですね。ホテルのホールとか宮殿の応接間向けみたいな・・・。

ほんとですね。でも調べると、東寺、西方寺、東福寺、など京都のお寺に作品がたくさん入っています。当時、関西では屈指の日本画家だったので人気があったのでしょう。

>京都・智積院から襖も外してもってきたんですね。その間には別の襖はあるんでしょうか?

これらは宝物館に所蔵あるいは展示されているものばかりですから、代わりは必要ありません。庭園を望む部屋の2図は複製品のため、現在も、そのまま飾られているはずです。

ありがとうございました。
返信する

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