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気ままに

大船での気ままな生活日誌

猛暑と朝顔

2010-09-02 18:53:49 | Weblog

猛暑の中、母の月命日のお墓参りに出掛けた。武蔵小杉駅からお寺へはタクシーで行くが、運転手さんがこんな話をしてくれた。自分は朝顔が好きで、毎年、種から育てているのだが、今年は花芽もつかず、だから花も咲かず、当然、種もとれず、困っている、こんなことは初めてだと嘆いていた。この猛暑のせいしか考えられない、と言う。

うちの女房が、この異常気象は、きっと、なにか神様が怒っているのよ、と言っている、というから、ぼくもそう思いますよ、人間があまり、地球をいじめるから、お天道様がへそを曲げたんですねと応じた。

朝顔だけでなく、うちの前の公園の鈴虫がまだ鳴かないで、蝉ばかりが鳴き続けている、と運転手さんは話を続ける。私は几帳面な性格で、毎日、カレンダーにその日の天気をつけているが、1月と8月は1日だけ雨であとはすべて晴れだったそうだ。こんなことも初めてだったという。まだ”目にはさやかにみえねども”、いろいろな生物に悪影響が出ていることだろう。

墓地内はコンクリートの道なので、照りかえしもあり、ひどい暑さになっていた。今回は手短に済ませて、薬師堂の前の木陰でしばらく休んだ。ここは風通しもよく、母と来た時はよくここで休んだものだ。百日紅は暑さにめげず、咲き続けていた。お地蔵さんも、大銀杏の木陰で涼んでいた。



帰りは東横線で横浜に寄ることが多い。そうだ、横浜市美術館で、箱根のポーラ美術館コレクション展をやっているはずだと、出向いた。ところが、なななんと、木曜休館。月曜休館が普通だろう、と文句も言いたかったけど、しょうがない。同じような人が何人かいて、がっかりしていた。


美術館通りの日陰で昼寝をしている人がいた。今夏は、朝顔同様、人も大変だった。


でも、東慶寺の夕顔はよく咲いていたな。猛暑の日は昼寝して、夜遊びするのがいいのかな。
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三菱が夢みた美術館

2010-09-02 09:44:16 | Weblog


丸の内の三菱一号館美術館で表記の展覧会が開催されている。”岩崎家と三菱ゆかりのコレクション”というサブテーマがついているように、岩崎家が設立した世田谷にある静嘉堂そして東洋文庫のほか、三菱系企業や個人が所蔵する逸品が丸の内に集まってきているのだ。

ワイフが、ぜひ曜変天目(稲葉天目)がみたいのでと、これだけ展示期間が9月5日まで(そのあとは静嘉堂で)というので、急いで出掛けたわけだ。さすが、見事なものだった。曜変天目は、世界で三つしかなく、すべて日本にあり、ひとつは、この静嘉堂所蔵のもの、それと大阪の藤田美術館、もうひとつは、大徳寺の龍光院所蔵だそうである。この3月に大阪のも観ているから、今年、世界の2/3の曜変天目をみたことになる(笑)。ワイフのお茶仲間では、静嘉堂所蔵のが一番だという人が多いらしい。ぼくは、龍光院所蔵のものは観たことがないので、比較はできないが、東京対大阪対決では、東京に軍配をあげたい。

曜変天目(稲葉天目)


この茶碗は第二章”岩崎家と文化:静嘉堂”に展示されているが、ここには、静嘉堂からの宝物が満載だった。室町時代のつれづれ草、上下巻には感動した。つれずれなるままに・・の書きだしのページが開かれている。その横には紺色の表紙の装丁の本が。もちろん最古の写し本で、重文に指定されている。うつくしい字だった。そして、羅生門(奈良絵本)、李太白文集(南宗12世紀)などの貴重本のほか、仁清の”色絵吉野山図茶壺”も気に入った。橋本雅邦の”龍虎図屏風”も見事なものだった。

(色絵吉野山図茶壺)


第三章”東洋文庫”にも貴重本があり、久弥がモリソンのコレクションを全部買い取ったものだそうだ。BC6世紀、中国最古の詩集を漢の時代の毛家が伝えたので、毛詩(唐初写)となっている。国宝である。もうひとつ国宝があり、”文選集注”(平安中期書き写し)もある。日本の絵本”義経記”、”したきれ雀”も面白かった。解体新書もあれば、東方見聞録、ロビンソンクルーソ物語や、ジョン万次郎談記あり、海援隊が使った和英辞典みたいなのもありと、ミシュラン三つ星の古書店内を歩いているようだった。

(毛詩)


第四章は、ちょっと、気楽にみられる、ぼくの好きなレトロなポスター。三菱系の日本郵船とキリンビールの大正から昭和までの、別嬪さんを中心としたポスターがずらり。橋口五葉も描いている。


第五章は”西洋近代美術”。ぼくの好きな、モネの絵が二点。”草原の夕暮れ”と岬の絵、どちらも良かった。シャガールもいた。”サーカスの光景”が自由気ままに描かれていた。ルノワールのは、いつもの、おでぶさんの裸体だった(笑)。あと、ボナール、ピサロ、ルドン等、多くの作品が展示されている。

第二章から入ってしまったが、第一章”日本の近代美術”も珠玉のコレクションだった。白馬会系のを中心に蒐集したとのこと。黒田清輝のもいくつかあり、裸体婦人像が気に入った。岸田劉生の麗子像は、これまでみた麗子の中では、一番可愛かった(笑)。藤島武二の”日の出”、安井曾太郎、梅原龍三郎と、有名画家の絵が並んでいる。坂本繁二郎の”林檎と馬鈴薯”(三菱地所蔵)は、今回の調査でみつかったものだそうで、”うすれ日”と同時展示されている。ずっと昔、大阪画廊で一緒だったことがあり、久しぶりの再会となった。絵にもいろいろな”人生”があるのだ。昨日の朝日新聞に出ていた、山本方翆の十二支の三作品もみごたえがあった。

(裸体婦人像)


終章は、”世紀を越えて:三菱が夢見た美術館”で、コンドルによる三菱一号館の立画や設計図が展示されている。郡司卯之助による”三菱ヶ原”は当時の丸の内の情景が描かれている。ほとんど草っ原で、遠くにビルがひとつみえるだけだ。ここに美術館の設立も計画されていたということだ。それが、2010年になり実現し、コンドルさんも天上で、さぞ喜んでいることだろう。




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