18年もの間、否、人生の全てかも知れない間、嘘に嘘を重ね、幸と言うべきか、不幸と言う
べきか分かりませんが”現代のベートーベン”とまで呼ばれる名声を得た男が、その実体を明
らかにされるや一瞬にして「ペテン師」と呼ばれることになりました。
その本人は今だ雲隠れしたままですが、やや落ち着きを取り戻したとしてマスコミ各社に「お
詫び」と題するペーパーを送りつけたということがありました。
いずれ機会があれば、公の場で改めて説明するとのことですが、今さら何を言っても失墜した
信頼は元には戻りません。
どんな嘘でもいつか絶対にばれるれるものと思っている私には理解できない所業です。
一方、この度の一件を聞くに付け、これほどの悪さはないにしろ、忘れかけていた現役時代の
嘘つき男のことを思いだしてしまいました。
たちの悪い嘘つきは何処にもいるものです。
私の知るその嘘つきは、自分自身の実力のなさを他人の足を引っ張ることにより結果自分を
目立たせようとして周囲の人間の有ること、ないことをあたかも見てきたことのようにあの手、こ
の手を使い流布してまわるというものでした。
それで本人は満足だったのか反省しているのか分かりませんが、時折、OB会などで見る姿は
進んで会話する人もなく、手持ちぶさたな表情をしているのが印象的に見えます。
自らまいた種とは言え、寂しいことですね。