まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

能面のママ

2006年06月23日 | にこにこ

 「あのー、ここ、自転車が出入りするとこなんですけどー、ちょっと後ろとか前とかに、車、動かしてもらえますー

 道の脇に停車中の車の窓を、コンコンと叩いた自転車の女性は、そうぶっきらぼうに大声で話しました えっ?と思い、助手席に座っていた私は、運転席側の窓を開けました 化粧っけのないその女性は、また同じことを、もっと能面のような顔をして繰り返しました

 私が友人の車の助手席に座り、彼女のお嬢さんと一緒に、運転手である友人が戻ってくるのを待っていた時のことです。
 「すごーくコワイ顔・・・」小さな小さな声で、後部座席に座るお嬢さんもつぶやきました
 
 そう言われれば、確かに、友人が車を停めた場所は、そのマンションの出入り口のところにあたり、車が自転車の出入りの邪魔をするかたちになっていました
 私はすぐに車を飛び出し、詫びてから、運転席のほうに回って車を動かしました
 「本当に申し訳ありませんでした車を動かした後、再度その自転車の女性に私は深々と頭をさげて、そう声をかけましたが、彼女はニコリともせず、何も応えることもなく、ギローリと車を睨みtsけ、幼児園児に見える後部の席に座っていた子供に「行くよ」と声をかけて去っていきました

 確かに、そういう場所であるということを確認せず、たとえ短時間とはいえ、車を駐車させた私達が悪いのです
 しかし、それでもやはり、私は何だか殺伐とした思いで、その自転車が去っていくのを眺め、そして思ったのでした
 「大きなお世話だろうけど・・・あの後部席に座った女の子も、あんなふうなコワイ顔をした、大人の女性になるのかなあ・・・

 人には、生まれ持った性格があります
「人柄」という言葉で表現される、一人一人の言動、立ち居振る舞いから自然に醸し出される雰囲気は、なかなか後からコロッと変えることは出来ません とは言え、幸いなことに、人には学習能力があるのですね
 自分の中に、さまざまなものに反応するセンサーがあれば、日々生活をしているうちに、自動的にビビビッと反応し、ショックを受けたり、恥ずかしい思いをしたり、にんまりと満足したり・・・
 そういうセンサーの精度が高ければ高いほど、マイナスにもプラスにも敏感に振れる・・・そして、人と和して、楽しく有意義に暮らしていこうという心あるピュアな人は、ショックを受けたり、恥ずかしい思いをしたり、という自分にとって「マイナス」の反応を受けた時には、何とかそれを修正し、より「素敵な自分」を目指そう、とするものでしょう

 まあ、時には、社会人としての経験を積まれた40代以上の男性で、ご自分の学歴や経歴に大きな自信のある方の中には、そういうセンサーを持っていない、もしくは、そんなセンサーなんて立派な自分には必要なし、と思っているような人もおられます
 ただ、百歩譲り、男性の場合には、そういうセンサーがなくとも「自分の力、自分の能力」だけで生きていくことは可能でしょう。仕事というものは、もともと無機質なものであって、そこに気持ちだ、心だというようなものは介在しなくとも、業績、功績は残せるものですから
 それに、家庭生活の中では、敏感なセンサーを持った妻が側にいることによって、夫のマイナスを補う、ということも出来るわけですし・・・

 しかし、女性の場合は社会人として生きるとしても、たいていの場合は妻となり、母となります
 そして、妻としてはどういう人柄であっても、案外問題なく過ごせますが(問題があったとしても、それが困ったこととして返っていく方向は自分であったり、夫であったり、あくまで「大人」に対して、ですから)けれど、母としては

 子供は親の、特に子供が幼いうちは、母親を見て育ちます
母親の人柄は、子供に「似る」という以外にも、さまざまな面で子供に大きな影響を与えます
 いつもにこやかで、笑顔のすてきなママのもとには、やっぱりよく笑う明るい子供が育ちます たとえ、ママのようにいつもニコニコはしていなくても(大人は、どんな気分であっても、意識してにこやかに振る舞うことができますが、子供はそれができません)、やっぱり心の中はママの笑顔によって常にあたたかく、ポカポカとした子供でしょう
 一方、いつも不機嫌でぶつぶつ文句ばかり言い、あまり笑わず潤いのないママのもとには、当然、笑顔の明るい子供は育ちません 日頃、接する「人としてのサンプル」が、そういう人ではないのですからね・・・

 じつは、自画自賛で恐縮ですが・・・ 幸いなことに、私はどちらかと言えば「笑顔タイプ」の人間です 18歳の私の娘は、私とはタイプは違い、とてもシャイで常に笑顔、という子ではありませんが、それでも、いつも「心の中は笑顔、ポカポカなのね」と最近は感じています
 きっと、彼女はこれから大人になり、自分の気分をコントロールして、意識的に笑顔でいることのできる女性になることでしょう
 私は、そういう娘を見ながら、あらためて、気苦労の多かった大家族の中での「私の母の日々の笑顔」に心から感謝をしています

 それにしても・・・
あの自転車のママ おうちに鏡はないのでしょうか・・・
あの方もにっこり笑えば、もっともっと素敵な人に見えるでしょうし、きっともっともっと笑顔の似合う、ハッピー気分の毎日がやってくるでしょうに・・・

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする