まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

大人になってから親になる!

2006年06月10日 | う゛う゛ー
 2,3週間、テレビをつけると、どのチャンネルでもずっと、秋田の幼児殺害のニュースです
 もう見たくないと思えば、BSの海外ニュースのチャンネルしか観るものはないのではないか?と思われるほどの報道ぶりです

 一時、扶養家族になるよりも、自力で生きたい!という高学歴、高収入のキャリアウーマン達が「結婚はしたくないけれど、子供は欲しいわよ」と言っていることが話題になったことがありました。
 私はその時も、何となくそのセリフに違和感があったのです

「はたして・・・子供って、そういうものだろうか?」

 その違和感・・・「子供は、夫婦で協力しあって育てるものだから」というような育児観?そういう論点からの違和感ではなかった、ということだけはよく覚えています
 きっと、そのセリフの中に、貯金も出来た、素敵な住まいも手に入った、さあ、あとは私と楽しく一緒に暮らす血を分けた子供だけ・・・、などという、子供に対しての「ペット的発想」が感じられたから。 
 今回のあの事件が起こって、やっと私は、その当時の違和感の原因が見えた気がしたのでした

 子育てをしているお母様達
毎日、いろいろと大変ですよね 1歳までは、おっぱいやミルク、離乳食・・・と、食べさせるだけでも神経を使い、2,3歳になれば、怪獣化した我が子を眺め、いったいなぜこんなことばかりするのだろうか?と時には悪魔を見る思いで見つめる・・・
 中途半端にものがわかるようになる4,5歳は、話し相手にはなるけれど、自分勝手な減らず口もたたき、6,7歳になると、もう勉強や成績のことも見ないふりは出来ない・・・

 十分にわかってはいたはずでも、いざ、ここに、目の前に我が子が生まれてみると、「愛おしい、かわいい」と思う時間の何倍、何十倍も、「大変だあ、うるさい、やめてー」という時間があるものです。

 七五三にお姫様みたいなドレスを着せて写真を撮る、自分のチャイナドレスを仕立て直し、娘に着せようと思う・・・

 リカちゃんやバービーちゃんには、ご飯も食べさせなくてもいいし、お風呂に入れなくてもいい。自分が遊びたい時だけ相手にしてやって、あとはおもちゃ箱に入れておけば文句も言わないし、幼稚園にも学校にも行かない・・・

 溢れる育児情報、育児雑誌、育児関連サイト
人気が高いものは、ママ達向けのエンターテイメント情報だと聞きました。
「子供がいても、いない頃と同じように楽しむ方法」や、「いかに子育てをしながら、自分が楽しく暮らすか」など、どこまでいっても「自分の楽しみ中心」の生活・・・

 かたや、「賢い子供に育てるためには何をすべきか?」とか「早期教育で、あなたの子供を天才に育てる」とか、子供の優秀さを求める生活・・・
 じつは、この二つは両極端に見えながら、実際にはまったく同質のものなのです
 なぜなら、この二つの思いには、「子供不在」という共通点があるのです
 えーーっ?後者は違うでしょう?だって、後者の話題の主役は子供じゃないですか!と言われるかもしれませんね。でも、後者の場合も、主眼としてあるのは、子供を賢い子供として育てて、豊かな教養を身につけさせて、彼らの人生を豊かにしてあげよう、ということではなく、むしろ、我が子を賢く育てて「賢い子供の親になる」という意味合いのほうが強い話題なのです。

 私は教室で、4歳から6歳くらいの子供達を相手に、よくこんなことを話します
 「あのね、先生はね、ずっと子供でいたいと願っているピーターパンは格好悪いなあ、って思うのよ だって、好きなことを、好きなときに、好きなだけするっていうのが子供だとしたら、きっとそんなことばっかりしているうちに、そういう生活は飽きちゃうと思うのよね 大きくなるっていうことはね、自分の好きなことばっかりが出来なくなる、ってことなのよね たとえば、パパ。毎日、毎日、満員の電車に乗ったり、混み混みの道で時間かかって会社に行ってるよね 一日だって、「パパは今日は遊びたいから、会社には行かないことにしたよ!」なんて言わないよね 
 ママも「急に今日はお友達と映画を見にいきたくなったから、お洗濯もお掃除もやーめた あなた達のご飯だって、面倒くさいから作りたくなーい」も言わないよね。
 そう、みんな、そうして、「したいことではなくて、しなくてはいけないこと」をきちんとしているのよ だからこそ、一生懸命にそうしてがんばった後、ご褒美みたいにある「したいことをしてもいい時間」がとっても楽しいし、うれしいものなんだと、先生は思ってるのよ
 大変 大変 大変 すてき 大変 大変 大変 すてき みたいな順番であるから、すてきな時間がうれしいんだと思うの 大変、すてき、大変、すてき、の順番でも、きっと違うと思うよ
 こんなふうに話すと、ほとんどの子供は、私の言っている意味を理解してくれます

 ときどき、「私達は、我が子に強要したり、強制したり、そういうことをさせたくないんです それは、親のエゴだと思うんですよね。とにかく、この子には自由に、のびのびと育って欲しいですから、好きなことを、目一杯させたいというのが私達の家庭教育の方針です」というご両親がいます この言葉だけを聞いていると、とても格好良く、素敵に聞こえませんか?
 けれど、この考え方には落とし穴があります
2歳児、3歳児を、彼らの好きなようにさせて暮らしたら?きっと、その子達は「おさるちゃん」になってしまうはずです いえいえ、お猿たちにはきっと、厳しい秩序があるでしょうから、お猿以下、ということでしょうか

 2,3歳の狭い世界、狭い選択肢の中で、彼らの好きなようにさせる、ということは、小さな世界に閉じこめて、何の新しい刺激にも、有意義なチャンスにもふれさせてあげない、ということでもあるのです

 もし、多くの子供達が、好きなことだけを、好きなようにして育ったら?

きっと、我が子をリカちゃんやバービーちゃんのような着せ替え人形的にしか扱えない、「大人にならずに親になる」人が増殖してしまうでしょうね

 縁日の金魚すくいで、たまたまもらった金魚一匹飼うのにも、たくさんの苦労はありますね。

 立派である必要はなくとも、きちんと正しい大人に成長し、そしてそれから「親になる」。
 つい2,30年前までは、口に出しているのも馬鹿馬鹿しいほど当たり前のことだったこんなことが、今では一番社会の中で、欠落した部分なのではないでしょうか?

 「子供のままで親になってしまう」これは、決して、テレビの中の犯罪者だけではありません。
 じつは、犯罪者にはならなくとも、あっちにも、こっちにも、「子供親」はたくさんいる・・・それが現在、一つの家庭環境として、まかり通っているのです

 覚悟をして、親になる
それほどのことをしても、人間を育てるということは大変なことです けれど、それほどの覚悟を持って親となり、たくさんの我慢や苦労をするからこそ、それに見合うだけのいっぱいの感動が、子供達との生活の中に生まれるのだと思っています
 
コメント
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