石油と中東

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2年連続で売上・利益を伸ばす五大国際石油企業:2018年度業績速報シリーズ(12)

2019-02-27 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本シリーズは「マイライブラリー」の下記URLで一括してご覧いただけます。

 

 

 

http://mylibrary.maeda1.jp/0459OilMajor2018.pdf

 

 

 

 

IV. 8カ年(2011-2018年)業績推移の比較(続き)

2.利益

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-21.pdf 参照)

 2011年から2018年までの5社の利益の推移を見ると、2011年はExxonMobilが他の4社を大きく引き離して411億ドルの利益を計上、Shellが約100億ドル少ない308億ドル、ChevronとBPは260億ドル前後であり、5社の中で最も少ないTotalの利益はExxonMobilの4割、171億ドルにとどまっていた。

 

 2012年以降は各社によって多少異なるものの2015年あるいは2016年まで利益は年々減少傾向にあり、例えばExxonMobilの場合2016年の利益は78億ドルにとどまり、ピーク時の2012年の2割の低水準である。2011年が利益のピークであったその他の4社も利益は大幅に減少し続け、BPは2015年、Chevronは2016年にそれぞれ欠損を計上している。Shellの場合ピーク時の2011年に比べ2015年の利益はわずか6%、19億ドルにとどまっている。

 

 2017年から2018年にかけては各社とも利益が回復、2018年はShell234億ドル、ExxonMobil 208億ドル、BP 148億ドル、Total 114億ドル、Chevron 94億ドルの利益を計上している。ExxonMobilは他社に比べ利益の回復が遅れており、2011年から2017年まで7年間維持していた利益トップの座をShellに明け渡している。その他の4社の利益は2014年あるいは2015年の水準に戻っている。

 

3.売上高利益率

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-22.pdf 参照)

 2011年の売上高利益率は、Chevronが10.6%と最も高く、次いでExxoMobil 8.4%、BP 6.8%で、TotalとShellが共に 6.6%であった。Chevronはその後2014年まで利益率のトップで毎年10%前後の高い利益率を達成している。ExxonMobilも7~9%の利益率を維持した。

 

 しかし2015年から2016年にかけては各社とも利益率が急落、特にChevronは2014年の9.1%から2015年には3.3%に下落、さらに2016年にはマイナス0.4%に転落している。BPはChevronより一足早く2014年から利益率が急落、同年は1.1%、さらに2015年にはマイナスの利益率(-2.9%)を記録した。2016年は各社によって明暗が分かれExxonMobilとChevronは2年続けて利益率が下落した一方、その他の3社は利益率が回復している。そして2017年には全社で利益率が改善、2018年もExxonMobilを除く5社は連続して向上している。2018年の各社の利益率はトップがChevronの8.9%、2位以下はExxonMobilの7.2%、Shell 5.9%、Total 5.5%、BP3.1%であった。

 

(続く)

 

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        前田 高行

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        Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

        E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 


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