- 2022年~2024年のGDP成長率
主要な経済圏と国家の昨年(実績見込み)、今年(予測)及び来年(予測)のGDP成長率の推移を見ると以下の通りである。
(際立って低い今年と来年のEU成長率!)
2-1主要経済圏
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-01.pdf 参照)
全世界の3年間の成長率は3.4%(2022年)→2.9%(2023年)→3.1%(2024年)であり、3%前後で推移する見通しである。昨年及び今年はコロナ禍が回復傾向に向かった一方、ウクライナ危機が長引きプラスとマイナスの要因が景気回復を停滞させたが、来年に向けては緩やかに成長すると見込まれる。
ウクライナ危機の影響を最も大きく受けるのはEU圏である。3年間の成長率は3.7%→0.7%→1.8%であり、今年は前後3年間の中で成長率は大きく落ち込んでおり、他の経済圏と比べても際立って低い。ASEAN5カ国の成長率は5.2%→4.3%→4.7%であり、世界平均を上回る成長率を維持する見通しである。
中東及び中央アジアは産油・ガス国が多く、エネルギー価格の高騰により高い成長率を示し、3年間の成長率の推移は5.3%→3.2%→3.7%である。昨年はエネルギー価格高騰の恩恵が大きかったが、今年及び来年は世界平均を少し上回る程度の成長率で推移する見通しである。
(高い成長率を維持するインド!)
2-2主要国
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-02.pdf 参照)
米国の昨年の成長率は2.0%であったが、今年(1.4%)、来年(1.0%)と連続して成長が鈍化する。日本の成長率は1.4%→1.8%→0.9%と1%前後を維持するとみられている。中国は3.0%→5.2%→4.5%であり、昨年から今年にかけて経済成長を回復するものの、その勢いは持続せず来年は5%以下にとどまる見込みである。ごく最近まで二桁台の成長率を誇っていた頃に比べる中国の成長率は伸び悩んでいる。これに対してインドの成長率は6.8%→6.1%→6.8%であり、世界平均を大きく上回る6%台の高い成長を維持する見込みである。
中国、インドなどと共に新興経済国BRICSの一翼を担ってきたロシアの成長率は対照的な様相を呈している。昨年(2022年)は一昨年に引き続くマイナス成長(▲2.2%)であり、今年(0.3%)、来年(2.1%)はプラスながらも低い成長率にとどまると予測されている。ウクライナ紛争は未だ終息の見通しが立っておらず、ロシアの成長率が昨年同様マイナスに陥る可能性は否定できない。
産油国サウジアラビアの3カ年の成長率は8.7%→2.6%→3.4%であり、昨年は原油価格高騰の恩恵を受けたが、今年及び来年は世界景気の回復が遅れる一方インフレによる輸入価格の高騰のため、昨年のような高い成長率は期待できないようである。
(続く)
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