*2020年(度)業績比較表1-D-4-25 及び2021年1-3月期業績比較表1-D-4-26参照。
1. 純利益(続き)
(7社全てが沈んだ昨年4-6月期!)
(3)2019年以降の純利益の推移(図2-D-5-21参照)
2019年以降今年1-3月期までの各社の四半期利益の推移を見ると、2019年7-9月期までは安定した利益を計上していた。しかし同年10-12月期にChevronが大幅な欠損となったのを皮切りに、2020年はコロナ禍が各社を直撃、年間を通じて業績が急落し、特に4-6月期はENEOS、出光を含む全7社がマイナス決算となった。
これを各社の損益額で追うと、2019年1-3月期はShellがトップの60億ドルの四半期利益を計上、Total、bp、Chevron、ExxonMobilも20~30億ドルの利益であった。ENEOSはこれら5社よりかなり低い4億ドルの利益にとどまり、出光は▲2億ドルのマイナスであった。続く4-6月期及び7-9月期は利益水準が少し低下したものの、bpの7-9月期を除き日系2社を含めたすべての企業が利益を計上している。
ところが同年10-12月期にChevronが▲66億ドルの大幅なマイナスを計上、2020年に入ると、1-3月期にはbpが▲44億ドル、ENEOSが▲29億ドルの赤字になったほか、7社中5社がマイナスとなり、利益を計上したのはChevron及びTotalの2社のみであった。そして4-6月期には全7社がマイナスとなり、特にShell及びbpの赤字幅はそれぞれ▲181億ドル、▲168億ドルと言う巨額に上った。またTotal及びChevronの期間赤字も80億ドル強に達した。日系2社はメジャーズほどの大幅赤字は避けられたものの、出光▲8億ドル、ENEOS▲5千万ドルの欠損となった。その後、2020年の下半期も各社の業績は低迷、10-12月期にはExxonMobilが▲200億ドルの赤字となっている。
今年に入り各社の業績は急回復し、1-3月期は全社が利益を計上している。利益額が最も多いのはShellの57億ドル、次いでbp47億ドル、Total 33億ドルなどであり、ENEOS、出光2社も共に4億ドル強の黒字決算となっている。
(続く)
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