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第5章:二つのこよみ(西暦とヒジュラ暦)(23)
137二度にわたりノーベル平和賞を受賞したイスラエルの首相(1/4)
世界平和に貢献した者に対して授与される賞は国連平和賞、フィリピンのマグサイサイ賞などいくつかあるが、知名度の高さ或いは歴史の長さなどの点でノーベル平和賞に適うものはないであろう。第1回のノーベル平和賞は1901年、赤十字社を創設したスイス人アンリ・デュナンが受賞、2023年はイランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディが受賞している。
この名誉あるノーベル平和賞に二度にわたりイスラエルの首相が受賞している。最初は1978年のメナハム・ベギンであり、この時はエジプトのサダト大統領との共同受賞であった。二人は1973年の第四次中東戦争後、周囲の反対を押し切って和平に踏み切ったことが評価されたのである。二度目は1994年のイツハク・ラビンとシモン・ペレスであり、当時ラビンは首相、ペレスは外務大臣(後に首相)であった。そして彼らと共同受賞したのがPLO(パレスチナ解放機構)のアラファト議長である。湾岸戦争後のこの時、イスラエル・パレスチナ間に対話の機運が生まれ、ノルウェーの調停により両者の間にいわゆる「オスロ合意」が締結された。イスラエルとPLOが相互に承認するという歴史的な出来事がノーベル平和賞の受賞理由となったのである。
(続く)
荒葉 一也
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