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石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

日本は世界10位、急伸したウクライナ:世界及び中東主要国の軍事費と武器輸出入(6)

2023-05-05 | その他

(注)本シリーズは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0575WorldRank7.doc.pdf

 

(世界ランクシリーズ その7 2023年版)

 

6.世界の武器輸出国と輸入国

 ここでは世界の武器の輸出入額を取り上げる。各国の輸出額あるいは輸入額は年度によって大きく変動するため、2013年から2022年までの10年間の累計額について比較検討を行う。

 

(世界の二大武器輸出国―米国とロシア!)

  • 主要国の武器輸出額(2013年~2022年累計額)

(図http://rank.maeda1.jp/7-G06.pdf参照)

 2013年から2022年までの10か年間の武器輸出累計額は世界全体で約2,800億ドル強であり、年間平均では284億ドルになる。国別では米国とロシアが際立って多く、米国の10年間の輸出総額は1,041億ドル、ロシアは547億ドルであった。世界全体に占める割合はそれぞれ37%及び19%であり、2か国を合わせると世界の武器輸出額の6割近くを占めている。

 

 米国、ロシアに次いで輸出額が多いのはフランスの252億ドルであるが、米国あるいはロシアの2乃至4分の1にとどまっている。これら3カ国に続いて累計輸出額が100億ドルを超えているのは中国(164億ドル)、ドイツ(146億ドル)、英国(112億ドル)である。なお次項(輸入額)に触れるとおり中国は輸入額でも世界第4位であり武器貿易大国である。

 

 武器輸出額7位から10位はイタリア、スペイン、イスラエル及び韓国である。上位10か国のうちEU諸国が半数の6カ国を占めており、EUは世界的な武器生産地域であることがわかる。なお上位10カ国は戦闘機、艦船、戦車、ミサイルなど高額な兵器を得意としているため輸出額が膨らんでいる。しかし世界の多くの紛争地域では小銃、機関銃、地雷、ロケットなど小型火器が使われている。その意味ではウクライナ(輸出総額32億ドル、世界12位)、トルコ(同25億ドル、世界13位)などは、米国あるいはロシアに比べ金額的には少ないが影響力は小さくないと言えよう。このうちトルコは攻撃型UAV(ドローン)の輸出に力を入れているが、このような比較的安価なIT兵器は今後トルコを含めた開発途上国の有力な輸出商品になるものと思われる[i]

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

[i] レポート「中東に広まるドローン(UCAV)の開発と軍事利用」参照。

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