(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行)論稿集」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0377OilMajor2016-1stQtr.pdf
スーパーメジャーと呼ばれる五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、BP、Total及びChevron)の1-3月期決算が相次いで発表された。ここでは売上高、利益、売上高利益率、設備投資および石油・天然ガス合計生産量の五項目について各社の業績を横並びで比較するとともに各社の四半期決算の推移を検証する。
決算の詳細は以下の各社のホームページを参照されたい。
ExxonMobil:
http://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-earns-18-billion-first-quarter-2016
Shell:
http://www.shell.com/investors/financial-reporting/quarterly-results/2016/q1-2016.html
BP:
http://www.bp.com/en/global/corporate/press/press-releases/first-quarter-2016-results.html
Total:
http://www.total.com/en/media/news/press-releases/first-quarter-2016-results
Chevron:
https://www.chevron.com/stories/chevron-reports-first-quarter-loss-of-725-million
なお前期(2015年10-12月期)及び2008年から2015年までの通年の業績比較は下記レポートを参照されたい。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0372OilMajors2015.pdf
1. 五社の1-3月期業績比較
(表:http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-22.pdf 参照)
五社を横並びで比較すると売上高ではShellがトップである。しかし利益および生産量の両部門ではExxonMobilがトップであり、ShellとChevronは利益面で欠損を出している。売上高利益率はTotalがトップであり、また設備投資ではChevronがShellおよびExxonMobilを上回り五社の中では最も多い。
(売り上げは軒並み2~3割減!)
(1) 売上高(図:http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-51.pdf参照)
2016年1-3月の売上高は5社ともに前年同期に比べ2割乃至3割の大幅な減少であった。これは言うまでもなく原油価格が暴落したためである。因みにShellの決算資料で見ると、昨年第1四半期はバレル当たり平均46ドルであったものが、今期は29ドルと半値近くになっている。2011年あるいは2012年の年間平均価格は100ドルを超えており価格はピーク時の4分の1になっている。原油価格の下落がそのまま各社の売上高減少に反映されたと言えよう。
各社の売上高および対前年同期の減少幅は、ExxonMobilが487億ドル(28%減)、Shell497億ドル(28%減)、BP 385億ドル(31%減)、Total 328億ドル(22%減)、Chevron 236億ドル(32%減)であった。
(続く)
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