Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(80)ケーリー・グラント

2023-06-20 00:10:00 | コラム
1904年1月18日生まれ・1986年11月29日死去、享年82歳。
イギリス出身。

ヒッチコックが「ジェームズ・スチュアートと同じくらい」好んで起用した紳士、グラント。

しかし面白いですよね、そのほとんどが「殺す」「殺される」系のサスペンス映画なのに、主演に選ぶのはきまって美男美女。
どす黒い物語を少しでも和らげるべく、敢えてそうしていたのでしょうか。

主演作でいちばん好きなのはこれ、


ソール・バスによるオープニングも最高なので、もういっちょ貼り付けておきましょう^^



<経歴>

母親が行方不明となり、父親もまた彼を手放し再婚する―という不幸な少年期を過ごす。
そんな背景もあってかスターになって以降も慎重かつ大の倹約家で、贅沢することはなく、ほとんどの食事はスタジオの食堂で済ませたのだとか。

実質的な映画俳優デビュー作は、32年の『その夜』。
同年にはジョセフ・フォン・スタンバーグの目に留まり、『ブロンド・ヴィナス』でマレーネ・ディートリヒと共演。

キャリア初期の時点で、スタンバーグやジョージ・キューカー、ハワード・ホークスなど名だたる監督たちが起用しているということは、すでにスター性が備わっていたということなのでしょうね。

『妾は天使ぢゃない』(33)、『不思議の国のアリス』(33)、
キャサリン・ヘプバーンと初共演したコメディ『男装』(35)、
『暁の爆撃隊』(36)、『赤ちゃん教育』(38)、『素晴らしき休日』(38)、『ガンガ・ディン』(39)、『コンドル』(39)、『ヒズ・ガール・フライデー』(40)、『フィラデルフィア物語』(40)。

上に挙げた、ヒッチに出会う直前までのキャリアでひとつ挙げるとすれば、やはり『ヒズ・ガール・フライデー』。

スピード感溢れる台詞の応酬が特徴的な、いわゆる「スクリューボール・コメディ」の代表作。
めちゃくちゃ面白いんですよ、これは若い映画ファンにも分かってもらえるはず!!



41年、『断崖』でヒッチコックと初タッグを組む。
夫に殺されるのではないか…という疑念を抱く新妻(ジョーン・フォンテイン)の物語。

以降・・・
イングリッド・バーグマンと共演した『汚名』(46)、
グレース・ケリーとの長い、長い、長~いキスシーンが有名な『泥棒成金』(55)、


そして『北北西に進路を取れ』(59)と4本のヒッチ映画に主演。

そのほかの作品に・・・
フランク・キャプラによるブラックコメディ『毒薬と老嬢』(44)、
『気まぐれ天使』(47)、『モンキー・ビジネス』(52)、『めぐり逢い』(57)、『無分別』(58)、

オードリーと共演、テーマ曲もヒットした『シャレード』(63)など。



86年11月29日―ショーのリハーサル中に倒れ、脳卒中により死去。
享年82歳、映画の遺作は66年の『歩け走るな!』で、70~80年代は映画俳優としては活動していなかったのですね。。。


次回の列伝は、ケネス・ブラナーさんから。

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明日のコラムは・・・

『楢本ちゃん推しですが、、、』
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令和版・海外俳優列伝(79)ゲイリー・クーパー

2023-06-19 00:10:00 | コラム
1901年5月7日生まれ・61年5月13日死去、享年60歳。
アメリカ出身。

高身長191cmの伊達男。
ハリウッドクラシックで、最も格好いい俳優を挙げろといわれたら自分はクーパーと即答する。

批評家筋?からは大根役所と腐されたこともあったようです、
そんな感じしないけれどなぁ!!


映画ファンに最も愛されたのは『昼下りの情事』(57)あたりかな、


自分のような、技巧とかにうるさいクチにはコレでしょう圧倒的に。



<経歴>

父が所有する牧場で働きながらデザイナーを目指すも、友人のすすめで映画界に。
西部劇のエキストラなどをつづけるうちに関係者の目に留まり、26年の『夢想の楽園』で本格デビューを果たす。

第1回(!)のオスカー受賞作として知られるサイレント『つばさ』(27)、
『空征かば』(28)、『裏切者』(29)を経た30年、『モロッコ』でマレーネ・ディートリヒと共演。

外人部隊のトムと歌手アミーの恋―これでクーパーは、スターの仲間入り^^



『市街』(31)、『戦場よさらば』(32)、『不思議の国のアリス』(33)、名手フランク・キャプラによる佳作『オペラハット』(36)、『将軍暁に死す』(36)、『青髭八人目の妻』(38)、冒険小説を映画化した傑作『ボー・ジェスト』(39)、『群衆』(41)。

41年、信仰に目覚めたアルヴィン・ヨーク軍曹を描く伝記映画『ヨーク軍曹』でオスカー主演賞に輝く。

つづいてルー・ゲーリッグを演じる『打撃王』(42)、


イングリッド・バーグマンと共演、ヘミングウェイの名著を映画化した『誰が為に鐘は鳴る』(43)。



『征服されざる人々』(47)、『摩天楼』(49)。

52年、『真昼の決闘』に主演。
(2度目のオスカー主演賞受賞)

監督はフレッド・ジンネマン、共演はグレース・ケリー。
上映時間とドラマの進行時間が同じという実験要素の濃い異色作で、自分のなかの西部劇ベストワンになるかも??


ほかの出演作に・・・
『ベラクルス』(54)、
オードリーと共演、じつによく出来たロマンチックコメディ『昼下りの情事』(57)、
『縛り首の木』(59)、『六年目の疑惑』(61)。

61年5月13日、前立腺癌で死去。享年60歳でした。

ブラピもジョニデも好きだけれどね、ハリウッドのスターというと、まずこのひとの顔が浮かぶのであります^^

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(79)ケーリー・グラント』
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令和版・海外俳優列伝(78)ゲイリー・オールドマン

2023-06-18 01:54:38 | コラム
58年3月21日生まれ・65歳。
イギリス出身。

自分の子どもに、自分が出ている映画を観せられない!

じつは子煩悩なよきパパで、エキセントリックな極悪人を演じることが多かったことに悩んでいる、、、ということを知ったときは驚いたものだが、そうか、そういうものなのかもしれないな…とも思ったり。

かって大江健三郎が「自分の作品を読み返してみて、自分をちっとも励ましてくれないことに気づいた」といったことに似ているのかも?

ノーマン・スタンスフィールドや、


ドレクセルのインパクトったらないものね!!



※初期の映画がこんな感じだったから、受け手も「こっち系専門」だと思い込んでいたフシがあるし。。。



<経歴>

2度目の結婚の相手は、ユマ・サーマン。
(のちに離婚)

アル中の父親に暴力を振るわれていた少年時代―初監督作『ニル・バイ・マウス』(97)は自身の幼少期を下敷きにしており、観ていていろいろ痛いです。

ローズ・ブルフォード・カレッジで演劇の学士号を得て、卒業後は舞台で活躍。

映画俳優デビュー作は、82年の『Remembrance』。

86年、『シド・アンド・ナンシー』に主演。
監督はアレックス・コックス、
セックス・ピストルズのベーシストとして未だ人気の高いシド・ヴィシャスを「クリソツに」演じて若者の支持を集める。

『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(90)、『ステート・オブ・グレース』(90)、

『JFK』(91)ではケネディ暗殺「単独犯」とされたオズワルドを力演、

こういう地味キャラの演技にこそ、このひとのすごさが表れていると自分は思ってます。

コッポラの傑作『ドラキュラ』(92)、
演技過剰もなんのその、汚いことばを吐き、汚い殺されかたをする『トゥルー・ロマンス』(93)、
『蜘蛛女』(93)、
映画は嫌いだがオールドマンの演技は素晴らしかった『レオン』(94)、
『不滅の恋/ベートーヴェン』(94)、クールにイヤな奴(刑務所長)を演じた『告発』(95)、『スカーレット・レター』(95)、『バスキア』(96)、『フィフス・エレメント』(97)、『エアフォース・ワン』(97)などなど、悪人ではない役もあるけれど、やっぱり「こっち系専門」と思ってしまうキャリア構築。

そのことについて悩みつづけ、出た作品が『ロスト・イン・スペース』(98)だったらしいですが、
子どものために出演したはずなのに、子どもからは「うれしいけど、こんな駄作に出たらダメ」といわれたのだとか。

かわいそう(^^;)(^^;)(^^;)


『ザ・コンテンダー』(2000)、『ハンニバル』(2001)。

2004年より、シリウス・ブラック役として『ハリー・ポッター』シリーズに参加。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2007)『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(2011)などに出演する。

つまりは、こういうこと。だったのでしょうね、これでお子さんも満足したことでしょう。

そこを念頭におけば、
『バットマン ビギンズ』(2005)『ダークナイト』(2008)『ダークナイト ライジング』(2012)でジェームズ・ゴードン警部補を演じたのも頷けます。

ブルース・ウェイン同様に、「信念のひと」ですもの。


『裏切りのサーカス』(2011)、『欲望のバージニア』(2012)、『ロボコップ』(2014)、『猿の惑星: 新世紀』(2014)、『チャイルド44 森に消えた子供たち』(2015)。

2017年、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でタイトルロールを演じオスカー主演賞を受賞。



近作に『ザ・クーリエ』(2019)、フィンチャーの佳作『Mank/マンク』(2020)、
そして最新作は、クリストファー・ノーランの話題作『オッペンハイマー』。


「またエキセントリックなやつを―」といいたくなるところですが、
いやいや、どんな役を演じても素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるので、もう、好きにやってくださいね!というのみです。このひとに関しては。。。

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積極的には、セルフはしません(^^;)

2023-06-17 00:10:00 | コラム
IT的なものや最新のシステム、メカなどには「割と」強いほう、、、かな?

けれどもセルフレジとなると、どうもね(^^;)(^^;)

たとえ店員さんが居るレジで行列が出来ていようと、
そのそばに設置されたセルフレジが空いていようと、
店員さんに勧められようと、
行列で待つかなぁ。

うまく操作出来ないとかではないけれど、けっしてスピーディーにはこなせない。
もし自分がセルフレジを選び、操作を始めた途端に後ろに並ばれたらどうしよう?? と思ってしまうのです。

そんな風に焦るくらいだったら、無人くんは選びませんよと。

・・・っていう思考が抜けないから、いつまで経ってもセルフレジに慣れず、
セルフレジを使わざるを得ないときに、異様に焦ってしまうという。


こういうおじさん・おばさん、多いのではないかしら^^




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日本女優別10傑(60)筒井真理子

2023-06-16 00:10:00 | コラム
~筒井真理子のキャリア10傑~

「えらく唐突に」出てきた感のある真理子さん62歳、
第三舞台で演技力を鍛えられたひとで、
松尾スズキや北野武が映画にも起用していたものの、
映画ファンがこのひとを「はっきりと」認識したのは、2010年代の真ん中に入ったころでしょう。

矛盾した表現になるけれど、熟した初々しさというか。
ここのところ意外性に富むキャラ選びがつづき、目が離せないひとなのです。


(1)『よこがお』(2019)

堂々の主演作。
じつはフランスの資本も入ってます。



(2)『淵に立つ』(2016)

この映画で真理子さん覚えたひとも多いかな?

とある一家に「異物」(=浅野忠信)が介入することによって起こる変化を不気味な演出で描く。


(3)『波紋』(2023)

公開中の最新主演作。

新作ゆえ多くは語らないが、はっちゃけた演技も本人は楽しんでいそうで^^



(4)『洗骨』(2019)

照屋年之(=芸人ガレッジセールのゴリ)初「長編」監督作品。

沖縄の風習を主題としていて、これが意外と面白いというかすごく興味深かった。



(5)『アンチポルノ』(2017)

いろいろ問題のある監督だったのだろうが、園子温だからこそ真理子さんはヌードに挑戦出来たのかもしれない?



(6)『アキレスと亀』(2008)

北野武監督作。

あまり話題にもならなかったが、評価され難い孤高の芸術家のありようとしては、けっこう真に迫ったところがあるのかなと。


(7)『クワイエットルームにようこそ』(2007)

松尾スズキ監督作。

これまた、あまり話題にならなかったが傑作なのです。


(8)『愛がなんだ』(2019)

角田光代の小説を今泉力哉が演出した青春ドラマ。

主演は岸井ゆきの、真理子さんは深川麻衣の母親役。


(9)『かぐらめ』(2015)

武田梨奈を主役にした「山梨県都留市・市制60周年協賛事業」映画。

真理子さんは、二役で大活躍。



(10)『映画 みんな!エスパーだよ!』(2015)

ふざけたコメディといえばそうだが、突き抜けた感じがあって「テレビドラマ」としては悪くないと思った。

映画も、スケール感などを気にせず「そのまんま」の精神でやってくれれば。。。

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明日のコラムは・・・

『積極的には、セルフはしません(^^;)』
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