Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(464)

2023-06-25 00:10:00 | コラム
なつめそうせ「き」→「き」しべいっとく

岸部一徳さん76歳、
ザ・タイガースのベーシスト時代については割愛、アーティストだったころからちょくちょく映画やドラマに挑戦はしていたものの、その飄々とした佇まいが「映画に活かされ始めた」のは90年代に入ってからのこと。
新作は北野武の『首』、なんと千利休を演じているとかで。

すげー楽しみ!
というわけで、これだけはおさえておくべき5本の傑作を紹介^^


『死の棘』(90)

自身の浮気により妻の精神が崩壊していく―島尾敏雄の私小説を小栗康平が「冷徹に」映画化、

一徳さん×松坂慶子の演技対決に戦慄を覚える。



『その男、凶暴につき』(89)

このポジション、『悪い奴ほどよく眠る』(60)でいうところの森雅之というか。

やはり武監督はキャスティングセンスありますね、一徳さんがハネるのは「これ以降」ですもん。



『僕らはみんな生きている』(93)

滝田洋二郎(監督)×一色伸幸(脚本)、共演に真田広之・山崎努・嶋田久作。

クーデター下のタルキスタン(架空の国家)で、右往左往し混乱する日本人サラリーマンの悲哀をコメディタッチで描く。

笑えて泣けて、大好きです。



『鮫肌男と桃尻女』(99)

CM出身・石井克人のセンスが「吉」と出た快作で、「凶」と出たのが『PARTY7』(2000)ということか。

このタイトルバックに乗れたひとは、最後まで楽しめると思う。
みんな我修院達也のことしかいわないけれど、この映画は小日向しえさんの魅力も全開!!



『大鹿村騒動記』(2011)

監督・阪本順治、主演は原田芳雄で彼の遺作でもある。


舞台は長野県に実在する大鹿村で、多くの住民たちが撮影に協力。
この地で300年つづく大鹿歌舞伎を題材にした喜劇だが、脚本に荒井晴彦が絡んでいるので、そこはもう、毒も少々入ってます。


次回のしりとりは・・・
きしべいっと「く」→「く」ーくらっくすくらん。

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明日のコラムは・・・

『日本女優別10傑(62)寺島しのぶ』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(463)

2023-06-24 00:10:00 | コラム
とにーもんた「な」→「な」つめそうせき

いちばん好きな作家を問われ「漱石!」と大声で即答すると、「えー、ふつう過ぎて意外!!」なんていわれることがある。

うるせー、それのなにが悪い。
というか、大抵はそういうひとって漱石をイメージだけで語り、きっちり読んでいなかったりするもので。
読んでいたとしても、国語の教科書に載る「抜粋」程度でしょう。

終生の愛読書『それから』(の、結末)が到達した視覚的描写、これを超える小説技法に出会ってないですもん、いま現在も。
(・・・まぁ、いうほど自分も、いわゆる「本読み」ではないのだけれどもね!!)


さて。
漱石と映画は、相性が悪いようでいて、まぁまあ映画化されている。

なかでも『坊っちゃん』は4度も映画化(53年・58年・66年・77年)された人気作だが、


そのどれも成功作とはいえないのが残念!!(^^;)
なんかね、みんな行儀がいいんですよ結局。もっと闇雲でいい、無茶苦茶でいいはずなのに。
いま、センスある監督が『グッドフェローズ』(90)のスピード感を参考にして撮れば、そーとー面白くなるはずなのだが。

もうひとつの代表作、『吾輩は猫である』は35年に山本嘉次郎が、75年に市川崑が監督。
市川版では苦沙弥先生を仲代達矢が演じ、猫ちゃんも(まぁ)好演、


ただ市川映画としては(技術以外)見るべきところはなく、忘れられた作品のひとつといっていいかもしれない。
つまりは『ベイブ』(95)みたいな創りだからね、これまた現代の技術やセンスで撮り直せば、あるいは・・・。

市川崑は55年に『こころ』も『こゝろ』として映画化、73年には新藤兼人も『心』として発表。
誠実な創りではあるものの、三角関係モノの映画としては弱い。


2007年に連作短編『夢十夜』が、『ユメ十夜』となって発表されたのには驚いた。


実相寺昭雄や市川崑などの巨匠、松尾スズキや山下敦弘、西川美和などの俊英によるオムニバスだが、ここでは実相寺さんのケレンが群を抜いて素晴らしかった。
いつも思うがオムニバスって面白い試みで沢山創られる理由も分かるのだけれど、「そのすべて」がうまくいっているケースって稀なのよね。
ここで失敗した監督は、単独で演出した作品がコケるのよりもショックが大きいことだろう。


結局、成功したといえるのは天才モリタの『それから』(85)のみ。

代助役の松田優作、三千代役の藤谷美和子、平岡役の小林薫という完璧なキャスティング。
明治時代の歴史考証を「そこまで重要視」しなかったモリタの狙い、ここも素晴らしかった。



ただね、それでも多少の文句はあって。
それは前述した、結末の描写。

この赤い描写を映像にしてこそ、『それから』を映画にする意味があるのではないか??と思うのだよなぁ!!

というわけで、青空文庫より結末を引用して終わりにします。

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代助は車のなかで、「あゝ動うごく。世の中が動く」と傍の人に聞える様に云つた。彼の頭は電車の速力を以て回転し出した。回転するに従つて火の様に焙つて来た。是で半日乗り続つゞけたら焼き尽す事が出来るだらうと思つた。
忽ち赤い郵便筒が眼に付ついた。すると其赤い色が忽ち代助の頭の中に飛び込んで、くるくると回転し始めた。傘屋の看板に、赤い蝙蝠傘を四つ重ねて高く釣してあつた。傘の色が、又代助の頭に飛び込んで、くるくると渦を捲いた。四つ角に、大きい真赤な風船玉を売つてるものがあつた。電車が急に角を曲がるとき、風船玉は追懸て来て、代助の頭に飛び付いた。小包郵便を載せた赤い車がはつと電車と摺れ違ふとき、又代助の頭の中に吸ひ込まれた。烟草屋の暖簾が赤かつた。売出しの旗も赤かつた。電柱が赤かつた。赤ペンキの看板がそれから、それへと続いた。仕舞には世の中が真赤になつた。さうして、代助の頭を中心としてくるりくるりと焔の息を吹いて回転した。代助は自分の頭が焼け尽きる迄電車に乗つて行かうと決心した。

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あすのしりとりは・・・
なつめそうせ「き」→「き」しべいっとく。

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北海道からのプレゼント^^

2023-06-23 00:10:00 | コラム
あす24日は、MMA興行『RIZIN.43』(北海道大会)が開催される。

なんかここへきて「熊の出没」が確認され、会場のある公園内が「全面封鎖」になっているらしいのですが、開催中止はないと思います、、、たぶん(^^;)


カードはこんな感じ、


前半はマニアからしてみても「?」のカードがあるが、後半は見逃せない。

しかし北海道じゃ生観戦も叶わぬか、、、と思っていたところ、CEOが全試合無料放送を発表!!

※開始時間以降にココにジャンプすれば、そのまま視聴出来ます。



いや~、ありがたいことです^^

というわけで。
お時間の取れそうなかたは、ぜひに。

すべては観なくても大丈夫です、
ただメインマッチだけでもご覧になっていただければ、MMAの面白さが伝わるかなぁって。

※メインはこれだ!!


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『シネマしりとり「薀蓄篇」(463)』
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日本女優別10傑(61)鶴田真由

2023-06-22 00:10:00 | コラム
~鶴田真由のキャリア10傑~

真由さん53歳、
若いころから落ち着いた感じの印象があって、


テレビドラマではいくつも代表作があるのに、どういうわけか映画キャリアはパッとせず。

脇では輝くキャラをものにしているのだけれど、主演が「ほぼ、ない。」のよね。

なんかもったいないなぁ、、、と思ってしまいます。


(1)『病は気から 病院へ行こう2』(92)

滝田洋二郎×一色伸幸によるブラックコメディの第2弾。

主演にキョンキョン、三上博史、真田広之。

真由さんは大きな役ではないが、印象に残る演技を披露。


(2)『就職戦線異状なし』(91)

実質的な映画俳優デビュー作。

就職活動に奔走する若者達(織田裕二、的場浩司、仙道敦子、坂上忍!など)を描いたライトコメディ。
ライトで済んだのは、それは現代じゃないからでしょう。
現代の就職活動を描くとなると、朝井リョウの『何者』みたいになる。


(3)『ほとりの朔子』(2014)

少女の青い春を繊細なタッチで描く深田晃司による佳作。

二階堂ふみがすべてのような映画ではあるが、いやいや叔母役の真由さんもよい感じでした。



(4)『海を駆ける』(2018)

日本・フランス・インドネシアの合作、監督は深田晃司。

たいして評判にはならなかったと記憶するが、スマトラ島を舞台にした人間ドラマ、すごく見応えありますよ。




(5)『沈まぬ太陽』(2009)

山崎豊子による大長編を202分かけて映画化。

オールスター出演の大作なので出番は少ないが、123便犠牲者の遺族をしっとりと演じた。

若松監督に恨みはないが、ほかのひとが演出していたら、もっと…と思わないでもない。


(6)『半落ち』(2004)

原作は横山秀夫、真由さんは新聞記者を演じていて、個人的にはこういう役をもっと見てみたいなぁと。。。


(7)『こはく』(2019)

井浦新、井浦の兄を「アキラ100%」こと大橋彰が演じたインディーズ。


(8)『カルテット!』(2012)

千葉県浦安市の市制30周年記念。
しかし撮影直前に3.11が発生、その後、なんとか完成にまで漕ぎつけた力作。

真由さんは、主演の高杉真宙・剛力彩芽の母親役。



(9)『64―ロクヨン―』(2016)

横山秀夫(まただ!)による推理小説を二部作で映画化、監督は瀬々敬久。

真由さんは「ロクヨン捜査班」のひとり。



(10)『きけ、わだつみの声 Last Friends』(95)

学徒兵の遺稿集『きけ わだつみのこえ』を映画化、主演に織田裕二・風間トオルら。

誠実な映画だとは思う、しかしなぜ「Last Friends」という副題をつけちゃったんだろう。



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明日のコラムは・・・

『北海道からのプレゼント^^』
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楢本ちゃん推しですが、、、

2023-06-21 00:10:00 | コラム
サッカー女子W杯は、来月ニュージーランドで開催される。

先日、日本代表が発表されずっと推していた楢本光が初選出!!

やった!!!

しかし・・・。

日本だけの話でなく、まだどこも、放送される局が決まってないんだってさ。

う~む。
男子との差が、あり過ぎなんじゃねーの?


おじさんは、哀しいですよ。
優勝したあのとき、あれだけ盛り上がったじゃん。
その火を消してはいけないよ、

どうか、早く決定しますように。。。



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明日のコラムは・・・

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