Cape Fear、in JAPAN

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シネマしりとり「薀蓄篇」(58)

2013-11-13 00:30:00 | コラム
むらきと、な「み」→「み」ら(ミラ)

読むことは出来ても表記することが難しかったりする女優、ミラ・ジョヴォヴィッチがデビュー時は「ミラ」とだけ名乗っていたことは、あまり知られていない。

ウクライナ出身のミラは『バイオハザード』シリーズ(2002~)のヒットにより「アクション系の女優」とされているけれど、もう37歳。
最初から身体能力で勝負しようとしていたわけじゃない、むしろその正反対で、モデル出身らしく、そのプロポーションを売りにしていたようなところがある。

映画俳優デビュー作は、88年の『トゥー・ムーン』。
ジャンルとしてはセクシードラマに属するのだと思う、『ツイン・ピークス』(89~91)で人気者となったシェリリン・フェンが脱いで脱いで脱ぎまくる映画で、ミラは彼女の妹役だった。
ただ、ここでのミラはインパクトが弱い。だいぶ弱い。
というのも本作の見せ場の10割がシェリリン・フェンの身体であって、監督も「それ以外は、いいや」みたいな演出をしちゃっているのである。

91年、『ブルーラグーン』で初主演を果たす。
あまり話題にならなかったし、実際にひどい出来ではあったが、これはブルック・シールズをスターにした『青い珊瑚礁』(80)の続編であった。
そこそこ宣伝もしていた記憶はあるけれど、「イマサラ」感があったのか、あるいは「続編であれば、やっぱり現在のブルッキーを見たい」と思ったひとも多かったのかもしれない、ぜんぜんヒットしなかったのだよねぇ。

その後、失速。
映画ファンのあいだでは「忘れられた存在」となり、おそらくミラ自身も「映画は、やめておこう」と思ったはず。

しかし。
97年―女優「発掘」の能力に秀でているリュック・ベッソンが『フィフス・エレメント』のヒロイン、リールー役に抜擢し「大」注目を浴びる。

映画の評価は賛否両論で自分は「楽しめなかった派」だが、ミラのおかげで飽きることはなかった。

赤い髪、そして、全裸に「おおきな絆創膏」を貼り付けただけのようなゴルチエの衣装に身を包んだミラは、ある識者がいうとおり「大人の最新おもちゃ」に見えた。

「ミラ、やるねぇ!」と思うより前に、「ベッソン、ありがとう! このヘンタイめ!!」なんて感謝した自分なのだった。

この映画におけるミラの「しなやかな身体」に目をつけたベッソンは、99年に彼女を主演とする『ジャンヌ・ダルク』を制作する。
ベッソンにしては「遊び」の少ない、じつに誠実な映画であり、それゆえに楽しめなかったところはあるものの、ミラは熱演していたように思う。

それ以降の活躍は、わざわざ解説するまでもないだろう。

ん?

ミラのこと、好きかって?

嫌いではないよ、ないけれども、好きとまではいえないかなぁ。

モデル顔? やモデル体型にグッとこない性分である。
菜々緒は悪くないと思うけど、道端アンジェリカとか冨永愛とか、ぜんぜんだし。
同じモデルでも、益若ちゃんみたいな子のほうがいいと思っちゃうんだよね。

ただ女優としては面白いキャリアを歩みだしていると思う、現在の旦那―前の旦那はベッソン―は『バイオハザード』で監督を務めるポール・W・S・アンダーソンで、
このひととは「なんとなく」うまくいきそうだし、旦那の映画に出演することが多く、園子温&神楽坂恵コンビのように化けるかもしれない。


※親日家なので、バラエティにも積極的に出演したりする





次回のしりとりは・・・
み「ら」→「ら」んぼー。

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明日のコラムは・・・

『じつは、スター不在なのである』

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
厚みが出て (夢見)
2013-11-13 08:04:53
きたと思います

様々な役柄を演じることで演技に「遊び」の部分を出せるようになったし

若い頃よりも今の彼女の方が好きです
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