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にっぽん女優列伝(263)藤井かほり

2021-06-16 00:10:00 | コラム
65年9月23日生まれ・55歳。
名古屋出身。

公式Twitter

女性を美しく撮る日本の映画監督といえば、ダントツで石井隆、ついで塚本晋也なのではないかしら。

このふたりに起用されたらいいのになぁ、、、と思う女優さんも多いけれど、
逆に、起用されたことによって知ったひとも居て。

そのひとりが、藤井かほり(ふじい・かほり)さん。


『東京フィスト』(95)は塚本監督の弟さんもよい演技をしている、
しかし結局のところ、藤井さんのための映画だったと思うのです。

そのくらい、この映画の藤井さんはよいです。最高です!!



<経歴>

多摩美術大学美術学部・グラフィックデザイン学科卒。

在学中にスカウトされてモデル業をスタートさせる。
シュッとしたひとですからね、大学でも街中でも目立っていたことでしょう。

映画俳優デビュー作は、89年の『Peach―どんなことしてほしいのぼくに―』。

『喪の仕事』(90)、
そして95年、『東京フィスト』に主演。

かつて自分はレギュラーで書かせてもらっていた「エロ本の」映画コラムで、「覚悟がないと観ちゃいけない映画」と評しました。
その思いはいまでも変わっていないのですが、と同時に、多くのひとに触れてほしいとも思ってます。

生きざまを賭けたふたりの男の殴り合いに、ほとんど強引に割り込んでくるヒロインを熱演する藤井さん。
リングの上で戦うことが出来ぬかわりに、次々とピアッシングすることで身体を傷つけていきます。


「都市と肉体」を見つめつづけた塚本監督「初期の」集大成といえるこの映画、もっと知られていいはずなのだけれども!!

そしてこんな大傑作に出演した藤井さんが、その後のキャリアを伸ばせなかったことにも納得いきません。

本人の問題というより、90年代後半の日本映画が、藤井さんの覚悟を抱えることが出来なかったのでは―と思うほどなのでした。


ほかの出演作に・・・
アゲハの母を演じた『スワロウテイル』(96)、『夏時間の大人たち』(97)、岩井俊二の傑作『四月物語』(98)、
『ざわざわ下北沢』(2000)、『リリイ・シュシュのすべて』(2001)、『ピストルオペラ』(2001)、『ドラゴンヘッド』(2003)、『リンダ リンダ リンダ』(2005)、『メゾン・ド・ヒミコ』(2005)、『14歳』(2006)、再び塚本監督のラブコールに応えた『HAZE』(2006)、『Lost & Found』(2010)、『あかぼし』(2013)など。

話題作に「そこそこ」出演しているものの、こんなものではないはず!! なのですよねぇ・・・。


次回のにっぽん女優列伝は、藤谷文子さんから。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『沙良めあて』
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