Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(49)

2013-08-19 00:15:00 | コラム
きっちりデータを取ったわけではない、
ないが、そこそこ自信のある? 憶測をいえば・・・

小中学生のころに映画好きになった場合、その2~3割が高校時代に脚本を書いてみたり、カメラを持ったりしてみる傾向にある。

青春期に映画の自主制作にはまる、ということ。

その夢をおとなになっても持ち続け、プロ入りを果たすのは1%にも満たないだろう。
しかし「0」ではない。
部活動に打ち込む学生たちだって同じはずで、甲子園や高校総体で活躍した子でさえ、プロとして活躍するものは一握りに過ぎない。
しかし、やっぱり「0」ではない。

だから、やるだけ無駄―ということはない。

仲間となにかをやり遂げることにこそ意味がある・・・という風にもいえるし、
「遊び半分」だったかもしれないが、出来ることと出来ないことを「なんとなく」理解するいい機会にはなっている、つまり自分の限界というものを知るためにも、そういう経験が必要であると。


「―将来は、女優さんと結婚とか?」
「・・・(苦笑)いやぁ」
「アカデミー賞とか」
「・・・うーん、それはないかな」


去年の劇場公開時に3度観た日本映画、『桐島、部活やめるってよ』がWOWOWで放送されていたので、あらためて観返してみた。

クラス内に歴然と存在する「階層」を映画的話法で描いてみせた傑作だが、
最下層に位置しているであろう、神木隆之介が演じる前田(=映画部)に感情移入した映画小僧、元映画小僧は多かったにちがいない。

自分なんかは前田の親友・武文(=俺だったら、あんな連中は女優に使わない。勝手に笑ってろ)にグッときたものだが、

映画のタイトルを笑われ、
コンクールの一次予選を通過しても誰からも「真の」祝福はされず、
秘密話を聞かれたとしても「あのひとに聞かれても、どうってことない」と「居ないこと」にされ、
撮影中は必ず邪魔が入り、
小道具を壊されるような連中・・・そんな映画部が階級上にあたるクラスメイトたちを喰いちぎる(!!)ゾンビな展開には、ほんとうに胸がすく思いがした。

だがこの映画は、あくまでもリアリティを追求した青春劇。
ゾンビな展開は(当たり前だが)妄想と解釈され、あすからは再び棲み分けされた学園生活が始まるであろうことをにおわせて、映画は終わる。
その直前に交わされる会話が、前田とクラスの人気者・宏樹との「アカデミー賞、、、」云々である。

映画監督には、なれっこない。

前田は自分の限界を知っている。
それでもカメラを持ち、回し続ける。
たぶん、表現の快楽を知っているからだろう。

分かる。
分かるなぁ!!


というわけで、今回の初体験シリーズは「初めての自主制作映画」。


冒頭に記した憶測で「自信がある」といったのは、まさに自分がそういう映画小僧だったから。

森田芳光や大森一樹が「そういうことをやって」陽の目を見たという話を聞き、「ようし、俺だって!」と思った。
そうして授業中、「わら半紙」の裏に脚本を書いてみた。

だが小説ではないので、書いて出来上がり! というわけにはいかない。

そこで、ひとを集めてみた。

「写真部だから撮影は巧いんじゃないか」
「器用だから編集が巧いんじゃないか」
「イケメンだから俳優が似合うんじゃないか」

なんていう理由で集めた、7人の映画小僧たち。

こうして「初めての自主制作映画」は始まった。

高校2年、秋の出来事である。
なにもかもが手探りだったが、とにかく楽しかったことだけは覚えている―。

つづく。


※『桐島』×高橋優のPV




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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(50)』

コメント (2)
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