マックンのメモ日記

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中国の人民元切り下げ、知っておくべき5つのこと!

2015-08-12 10:02:40 | 経済・金融・投資
中国は11日、人民元の対ドル相場を約1.9%下落させる形で通貨切り下げに動きました。中国は世界最大の貿易国であり、人民元の海外利用は徐々に拡大しているため、この動きは金融市場だけでなく政治面にも波及効果をもたらす公算が大きい。中国の最新の動きについて知っておくべき点を5つ挙げています。

1. 中国は何をしたのか

 中国は人民元の対ドルでの基準値となる中間値を毎日設定することで、通貨の価値を厳重に管理しています。中国本土市場では、人民元を中間値の上下2%まで変動させることが認められています。しかし、中国人民銀行(中央銀行)は翌日の中間値を設定する際、こうした市場からのシグナルをたびたび無視し、市場が元安予想を示唆しているときに基準値を元高に設定することがあります。

2. なぜそうしたのか

 人民銀行は声明で、人民元をより市場に即した水準にしたい考えを明らかにしました。しかし今回の動きは、中国にとって重要な輸出部門が減速し、経済成長全般が低調に見える時期にも重なっています。中国海関総署(通関当局)が8日発表した7月の輸出は前年同月比8.3%減少しました。元安は中国の輸出企業の海外での販売を後押します。

3. 他国にとって何を意味するのか

 最も直接的な影響は、中国が自国経済の減速を認識しているというシグナルを世界に送ったことです。今回の動きは、中国が景気立て直しの手段を模索していることを示唆しています。しかし、米国をはじめとする貿易相手国にも重大な影響が及びます。各国の企業が不利な立場に立たされるためです。米国では、中国が自国の製造業を支えるために人民元を人為的に安値へ誘導しているとの批判が再燃する公算が大きく、大統領選挙の期間中にはこうした議論に拍車がかかるかもしれません。

4. 市場にとっての意味は

 今回の元切り下げは中国以外の各国中央銀行に対し、輸出促進と資本の不安定化回避のため自国通貨を切り下げようとする圧力となります。これは、中国の内需低迷を示すとも考えられるため、商品(コモディティー)市場に対する圧力となる恐れもあります。さらに、今後も切り下げが続くと投資家が予想するようならなおさらですが、中国からの資本流出を促す可能性も高いのです。

5. 次の動きは

 習近平国家主席の訪米およびオバマ大統領との会談を9月下旬に控え、今回の切り下げは緊張感を高める公算が大きいのです。さらに、中国は世界における人民元の存在感を増すため、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨への元採用を目指していますが、この流れが複雑化する可能性もあります。長期的には、中国が公約している経済自由化への疑念が浮上するでしょう。一方で、人民元相場をより市場の動きを反映したものとすることは、自由化の方向に沿ったものです。ただ、中国が一段と頼りになる成長の源泉を模索する中、輸出を支えるために策定されたようにも思えます。