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ハイテク企業、投資家を落胆させるべからず!

2015-08-03 17:26:08 | ネット、ビジネス、IT
今回の決算シーズンは、ハイテク企業の純利益が投資家の期待外れで、異例なほどの株価下落に見舞われています。これは、経済成長にむらがある状況下で、ハイテクセクターに対するウォール街の期待が大きいことを浮き彫りにしています。

 短文投稿サイトのツイッター、中国の検索エンジンの百度(バイドゥ)、ビジネス向け交流サイト(SNS)のリンクトイン、それに口コミ情報サイトのイェルプの株価は先週、2015年第2四半期(4-6月)の決算発表翌日に少なくとも10%下落しました。IBM、半導体大手のマイクロン・テクノロジー、それにソフトウエア大手のマイクロソフトの各社の時価総額は先月、いずれも少なくとも40億ドル(約4960億円)減少しました。決算と業績見通しが市場予想平均を下回ったことが嫌気されたのです。

 この下落は、決算シーズンに多少の明るさが見えるなかで生じたもので、ハイテク企業は全体的には予想以上の成長をみせているし、S&P総合500種株価指数構成銘柄の利益の減少幅は予想より少なくなっています。

 しかし、期待外れだったハイテク企業に課される株価下落のペナルティーは大きくなっています。RBCキャピタル・マーケッツの分析によると、今回の決算シーズンでは、純利益と売上高の両方が市場予想に届かなかったS&P500構成銘柄のハイテク株と、S&P500全体との株価の差は、決算発表からその後の取引終了時までに7.2%ポイントに広がりました。これは過去14四半期のこの差の平均が4.2%ポイントであるのと対照的です。

 とりわけ、過去1年間に株価が大きく上伸した銘柄はぜい弱です。投資家の投げ売りを増幅させている要因は、多くのハイテク企業が買われ過ぎの状態にあることや、企業が一連の逆風に直面していることです。米国と世界の経済成長が緩慢なほか、ドル高で海外の売り上げの伸びが制限されているといった逆風です。

 ウェルズ・ファーゴ投資研究所のダレル・クロンク所長は「今回の決算シーズンにあたり、ハイテク企業に対する期待は非常に高かった」と述べ、「その期待に応えられないと、その企業はかなり売りたたかれる傾向にある」と付け加えました。

 持続的に2桁の売り上げの伸びを出せている企業は、積極的な投資家によって買われています。ナスダック総合指数は年初来8.3%上昇しており、7月にはいくつかの過去最高記録を更新しています。S&P500は2.2%上昇していますが、5月以降過去最高を更新していません。

 投資家に気に入られている何社かのハイテク企業は現在、とてつもないほどの株価収益率(PER)で取引されています。このため、米国経済が近い将来、年率2%しか成長しなければ、多くの企業にとって2桁の売り上げの伸びが持続不可能になりかねないという懸念があります。

 ナスダック総合指数は現在、過去12カ月の利益の22.7倍で取引されています。このPERは2000年初頭の69.4倍を大きく下回るものの、10年間平均の20.2倍を上回っています。このため、投資家には株式の上昇余地がどのくらいあるのかを懸念する向きもあります。

 投資家はまた、政策金利引き上げの公算についても懸念しています。金利は金融危機以降、ゼロ近辺の水準に保たれています。投資家が株式市場に資金を投じてきたのは、債券の利回りがわずかだったためでした。予想通り、連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き上げ始めると、投資資金を引き寄せる上で、債券など他の資産の競争力が高まる可能性があります。

 ノーザン・トラストの最高投資責任者を務めるボブ・ブラウン氏は「ハイテクセクターの企業の多くは、市場全体よりも高いPERで取引されている」と述べ、「そういった企業が成長していないと、投資家は当然のことながら残忍になる」と指摘しました。

 実際、多くのハイテク企業は、成長の見込みが大きい企業を投資家が支持していることから恩恵を受け続けています。アマゾン・ドット・コム、グーグル、そしてネットフリックスの株価はそれぞれ、直近の決算発表に続く日に2桁の伸びを記録しました。グーグルの時価総額は7月に810億ドル増加、アマゾンは490億ドル増加した。

 しかし、株価が大幅に下落する企業も相次いでいます。

 ツイッターに関して言うと、第2四半期の売上高は61%増加したが、投資家を満足させることはできませんでした。売上高はアナリスト予想を上回ったが、ダイレクト・レスポンス(見込み客から直接反応を得ようとする)広告への需要が落ち込んだほか、中核ユーザーの伸びはごくわずかにとどまりました。結果、株価は15%下落しました。

 29日には、イェルプの株価が25%急落し、2年来の安値をつけました。同社が今年について、売上高の伸びが鈍化するとの見通しを示したことを受けたものです。イェルプは今回の決算発表前の時点で、過去12カ月の利益の約69倍で取引されていました。

 これらの企業は近年、さまざまな局面で投資家のお気に入りだったのですが、今回の決算シーズンは、期待が大きくなかった企業でさえ大きな打撃を受けています。IBM株は先月、5.9%下落しました。これは、第2四半期の純利益は予想を大きく超えたものの、売上高は13四半期連続の減少となり、アナリスト予想を下回ったからだったと言います。

 ファクトセットによると、IBMの株価は過去8回のうち7回の四半期決算後に下落していますが、下落幅の平均は3.8%となっています。

 ノーザン・トラストのブラウン氏は「成長していない、市場シェアが低下している、ないし商品が改善していないとなると、投資家に悪いメッセージが送られる。とりわけ経済成長が鈍く、経済成長で自らの投資収益を救済できないときはそうだ」と話しました。(ソースWSJ)