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インドとバングラデシュが領土交換―住民「権利取り戻せる」!

2015-08-02 15:07:30 | 政治(国内・海外)
インドとバングラデシュが国境付近の飛び地領土を交換しました。5万人を超える人々に事実上の無国籍状態を強いた長年の問題が解消されたのです。両国を分ける約4000キロメートルの国境は非常に入り組んでいて、歴史の気まぐれのせいで一方の領土がもう一方の領土に完全に取り囲まれた飛び地がいくつもあるのです。

 8月1日午前0時になると、バングラデシュ領内にある111のインドの飛び地と、インド領内のある51のバングラデシュの飛び地は新たな国旗を掲げました。飛び地の住民は今の土地に残って国籍を変えるか、自国領内に移住するかのどちらかを選ぶことになります。

 バングラデシュ政府関係者が発表した数字によると、ほとんどの住民が住んでいる土地にとどまるといいます。バングラデシュ・クリグラム県の地元政府関係者によると、移住後の生活への不安からインドでもバングラデシュでも多くの住民が移住を選ばなかったようです。

インドのクーチ・ビハール県内の飛び地カララに住むアブドゥル・ジャリルさん(51)は土地を守るためにバングラデシュからインドに国籍を変えるといいます。仕事は農業です。ジャリルさんは「私はここで生まれ、父と祖父はここで死んだ」と話しています。カララは十数軒の住宅とジュート畑と田んぼがあるだけの狭い土地ですが、「土曜(8月1日)から私はインド人だ」と言っています。

 カララは今では正式にインド領になりましたが、これまで飛び地の中の飛び地という珍しい土地だったのです。広さ約13平方キロほどのバングラデシュ領はインドの領土に囲まれ、そのインド領もバングラデシュとの国境に囲まれていたのです。

 飛び地は他に例を見ない歴史の歪みから生まれました。歪みは修正されず、18世紀にこの地域を治めていた王国間の政治的取り決めによって、陸の孤島は別の国に囲まれたまま残されてきました。そして、インドが1947年に英国から独立し、インドとパキスタンに分離すると、各地域は帰属する国を選ぶことが認められました。周辺が別の国への帰属を決めた地域は本土から切り離され、新たな国境線が引かれました。バングラデシュは1971年にパキスタンから独立した国です。

 1970年代以降、インドとバングラデシュは何度も飛び地解消に乗り出しましたが、具体的な方法で合意できませんでした。今年6月になってやっと両国は土地交換で最終合意に達したのです。本土から切り離された飛び地には行政機能もインフラもほとんどなく、住民は両国のはざまに取り残されたままだったのです。ジャリルさんは子どもの頃、バングラデシュ人であることを隠し、国境警備隊員の目を盗んで国境を越えてインドの学校に通ったそうです。「厳密には私はバングラデシュ人だったが、どちらの国にも承認されていなかった」といいます。

 インド領内の飛び地に暮らすバングラデシュ人で、インドへの国籍変更を選んだ住民は約1万5000人で、ジャリルさんもその1人です。バングラデシュ領内の飛び地では、約3万7000人のインド人の大多数が移住より国籍変更を選んだのです。

 バングラデシュ・クリグラム県内の飛び地Dasiacharaに住むMadhusudan Mohantoさん(58)は言います。「私たちには病院も学校も電気も何もなかった。これからは権利を取り戻せる」ジャリルさんはイスラム教徒、Mohantoさんはヒンズー教徒ですが、いずれも、自らが少数派となる国の国籍を選んだのです。

 Dasiacharaでは284人がインド領への移住を申請しました。カシェム・アリさん(65)は今後2、3週間のうちに妻と子ども3人を連れて移住します。しかし、2人の兄弟と娘1人は飛び地に残って国籍をバングラデシュに変更すると言います。アリさんは「私は家を離れるが、インドで新しい人生を手に入れることを願う」と話しています。