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ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

エジプト展

2008年05月09日 | 日記(?)
熊本県立博物館でやっている、吉村作治と早稲田大学のエジプト展を見てきた。
売りは、2005年1月5日に発見された青いミイラマスクと彩色箱形木棺。
早稲田大学がダハシュール北遺跡で発見したもので、
中王国時代、いまから 3,800年前に活躍した行政官セヌウのミイラの彩色マスクである。
実に見事である。
想像もつかない昔のものとは思えない、という点において見事である。

エジプトと言えば、ツタンカーメンの黄金のマスク。
わたしは、実はこれをカイロの博物館で見た。
いまだイスラエルとの第3次中東戦争の後の、消耗戦争と呼ばれる最中だった。
博物館の周りには土嚢が積まれ、戦時中であることを否応なしに認識させられた。
それでも、かのマスクを見たときの感動はいまだもって色あせない。
古代遺跡とその文明に興味を駆り立てられた瞬間である。

その後、メキシコの太陽の神殿や、チチェンイツアの遺跡。
グアテマラのティカルの遺跡等々を見てきて、
遥か過去に思いを馳せるとき、
現代のような文明の利器もない時代に作られた壮大な遺跡、
どうやって作られたのかという方法論と、
それよりも、なぜそれほどまでの壮大さにこだわったかという人間の意志。
古代の人間の、その意志にこそ魅せられるのである。