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ハプニング (映画)

2008年08月02日 | 映画
映画「ハプニング

シックス・センス」以来、不可思議な状況を巡る人々の思考・行動を生かしたストーリーづくりで、次は何が来るかと期待させてくれるナイト・シャマラン監督の新作。ビルから人々が次々落ちてくるショッキングな予告で「ナンなんだ?」とまず興味を引かれたら監督の勝ち。

で、昨日観て来ました。最近の作品のパワーダウンで今回もこけおどしかと思ったら、復調してましたのでご安心を。ただ、心理的な怖さもあるけど、即物的な残酷シーンが今回は何度かあるので、それだけは心して観るべし。

この映画での正体探しは問題ではない。今、危機感を抱かれているエボラ熱や鳥インフル、新型インフルエンザなど、或いは人類の過去にもあったコレラや赤痢などのパンデミックを重ねてみれば難しい話ではないだろう。いきなり始まり、爆発的に広がり、いきなり終息を迎える感染は、その法則性がイレギュラーで、まさに自然のみぞ知るといった感じなのである。

自然の脅威と同時に、人間のエゴ・怖さも描かれている。自分たちだけが助かりたいという田舎の住人の場面で、以前、日本人留学生の男の子がハロウィーンでお菓子をもらいに行った家で銃で撃たれて亡くなったいたましい事件を髣髴とさせる場面が出てきて目を覆いたくなった。銃社会の一面を除かせる場面だ。
それから、宗教に凝り固まった偏屈でアブナ系のおばあさんも最近この手の映画に登場するが、米国では最近見られるタイプなんだろうか。

主演はマーク・ウォルバーグ。今回は真面目な教師役で、様々な予測や選択を迫られる。共演のジョン・レグイザモはいつも思うが巧い役者だと思う。大体、社会派作品の主人公で、ワルな魅力があるのだが、今回は冴えない数学教師で、前半早々にフレームアウトしてしまう。もっとストーリーに絡んでほしかったが…。
あとはサブキャラで植物をわが子のように育てている夫婦もいい味。これが日本映画だと情が伝わっていって彼らも助かるはずなのに、残念。

最後に映画とは関係ないけど、バカップルさん、上映中に携帯電話で時刻を見るのはやめましょう!強烈な光が周囲の人の目に届いて怒らせ、袋叩きに合うでしょう。うーん「ハプニング」!

<ストーリー>
いつもと同じように朝を迎えたセントラルパークに突然何者かの叫び声が響き、来園者たちは時が止まったかのように道に立ちつくす。やがて後ろ向きに歩き出し、バタバタと倒れ出す人々。別の場所のある工事現場では、作業員たちがまるで糸の切れた操り人形のように、自らビルの屋上から転落していく。それが前代未聞の大惨事の始まりだった。
ニューヨークの異変は、その原因もわからぬまま、科学教師エリオットが勤める学校にも伝わってきた。すでに謎の死を遂げた人々には、言語の混乱、方向感覚の喪失などの兆候が見られたという。生徒たちは帰宅させられ、エリオットの同僚ジュリアンは、フィラデルフィアの母親の家に一緒に避難しようと彼を誘う。

「ハプニング」HP=http://movies.foxjapan.com/happening/download/index.html








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