紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

なよ竹の

2013年11月25日 | 写真・映画・音楽
今は昔、竹取の翁といふものありけり…と、中学の古典教科書に載っていた竹取物語。係り結びやら助動詞やらワケのわからんイメージしかない古典文学ですが、その竹取物語をベースにしたスタジオジブリのアニメーション、高畑勲監督作品『かぐや姫の物語』が上映されています。
映画と言えば映像がキレイだとか大迫力とか、そういうものを期待して劇場まで足を運ぶものですが、この作品はすべてが水彩画のようなタッチで描かれています。映画というよりも美術絵画を見ているような感覚でした。主人公のかぐや姫役にはNHKドラマ「とめはねっ!鈴里高校書道部」の朝倉あきさん、竹取の翁には地井武男さんら錚々たる顔ぶれ。どことなくキャストに似ている劇中のキャラクターたちがいい味出してます。ちなみに女童(めのわらわ)が一番のお気に入り。
のんびりとした山里の景色、春の足音、竹林のざわめき、実りの秋などの背景描写は見事としか言いようがありません。エンディングテーマ「いのちの記憶」が劇場を包みこむとき、この映画にはどれだけの人々の苦労と志(こころざし)が込められているのだろうかと思いました。
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