紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

写真か、アートか

2013年07月12日 | 美術館・博物館
数年前にある美術館で買ったカレンダーの表紙が、アンドレアス・グルスキーの作品でした。そのときはまあ...おもしろい写真を撮る人ぐらいにしか思いませんで。そのグルスキー日本初となる個展が、国立新美術館で開催されています。ほかにどんな作品があるのか知りませんが、とりあえず出かけてみました。
まずグルスキーの作品の大きさに圧倒されます。ただ大きいだけではなくて、ものすごい細かなところまで写っているんです。なのではじめに全体像を見て、それから何が写っているかじっくり見ていく。
広角レンズを使って絞りを調節すれば、こういう写真が撮れるかって言ったら撮れないんでしょうね...。そこにいる人々(モノなど)の動き、止まるタイミングなどが絶妙のバランスのところでシャッターを切っているんじゃないでしょうか。その絶妙のバランスというのも、実はデジタルの画像処理技術によって作られた「フィクション」かもしれませんが。現実にはありえない画像をつなぎ合わせて、そこにある大きなフレームの中に瞬間を封じ込める。どのようなプロセスを辿ったか知らなければ、それはリアルな「写真」でしか在りません。
心に残った作品として『パリ、モンパルナス』、『オーシャン』、『F1 ピットストップ IV』、『大聖堂 I』など。緊張した空気感が漂う『F1ピットストップ IV』は、ピットクルーたちがまるでスポットライトを浴びているように見えます。その姿に神々しささえ感じました。
グルスキーの作品は大きな写真作品が多いんですが、中には小さなものもあります。細かいとこまで見ようと展示物に近づき過ぎると...アラーム音が鳴る仕組みになってます。展示室のどこかでアラーム音が鳴る展覧会(ほらそこ!!)。
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