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紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

動き出す!絵画

2016年09月24日 | 美術館・博物館
このチラシを見るかぎり、どんな展覧会なのかよくわからず。東京駅にある東京ステーションギャラリーで行われている「動き出す!絵画」展。
明治から大正時代にかけて、モネやルノワール、ゴッホなどの西洋美術が日本に紹介されました。もっと西洋のことが知りたい!!と渡欧する人はそれでいいんですけど、おカネがない人はどうしたか...。日本に輸入された本や雑誌を使って西洋美術を広めた人がいます、それが北山清太郎。当時北山が発行した美術雑誌で思いを馳せた西洋画が、今この東京ステーションギャラリーで展示されています。
ここのギャラリーはエレベーター降りたらいきなり展示室になっているので、ちょっとビックリします。それも今回はセザンヌやゴッホがお出迎え。明治の若手洋画家がゴッホに衝撃を受けたような感覚かもしれません。明治時代にあこがれた西洋画が今ここに!!
渡欧した画家が次々と帰国すると、これまでの日本美術とは違った新しい美術を生み出そうとします。中村彝、萬鉄五郎、木村荘八が好み。その他にも結構な作品数を見ることができます。その当時に発行した雑誌なども展示してありますし。ちなみにチラシの男がボ〜ッとしているのは萬鉄五郎の作品でした(お化けにしか見えない)。
最後のエリアにある重厚な煉瓦造りの展示室。ここにも岸田劉生と木村荘八の作品があります。麗子像はこんな薄暗い場所で見るとちょい怖いんですが。靜物画『林檎三個』の色合いは素晴らしいの一言。奥の方に椿貞雄の作品もあり。『道』に惚れぼれ...。

トーマス・ルフ展

2016年09月02日 | 美術館・博物館
どんな写真家なのかよくわからないまま、東京国立近代美術館の展覧会に行ったんですけど、これが予想以上に楽しめました。初期の頃は自分で写真を撮っていたようですが、それがだんだんインターネット上から拾った画像などを使い、それを自分の作品に仕立ててしまう!?といった写真芸術の新しい姿を模索しているトーマス・ルフ。
『jpeg』なる作品。近くで見るとドットが荒くて、離れてみるとあの光景。



火星の天文写真を加工した『ma.r.s.』がいい。作品は大きなものが多く迫力あり。



トーマス・ルフ展のあとは所蔵作品展「MOMATコレクション」を鑑賞。美術館4階から1階までじっくり真剣に見れば飯バテになりそうなほど。畦地梅太郎の版画、ルーチョ・フォンタナの『空間概念 期待』、草間彌生の『No. H. Red』良し。



パウル・クレー飾りたい。

海のハンター展

2016年08月09日 | 美術館・博物館
この日の東京は37度くらいまで気温が上昇。体が煮えちゃう的な陽気ですが、ここ国立科学博物館も同じくガキどもの熱気でムンムン状態。今年の夏の科博は「海のハンター」がテーマです。
古代の巨大なサメ、カルカロドン・メガロドンの復元模型が天井からぶら下がる太古の海から始まり、深海や外洋などの海にひそむハンターをずらりと展示。特にサメ類の充実度が素晴らしいです。こんなの海で遭遇したらと思うと...。



日本初公開のホホジロザメ液浸標本。体の傷跡とかじっくり観察できます。



 あん肝。

 粘膜大王ヌタウナギ。



会場入口近くに展示してあるミツバヤツメ。こんなのに吸われたら失神モノ。

bande dessinée

2016年07月22日 | 美術館・博物館
階段上ったり降りたりあれやこれや大忙し。暑いとこから寒いとこで自律神経大混乱の日々。そんな現実世界からしばし逃れ、心の毒素をブ〜ッと抜くべく国立新美術館へ行ってきました。
自由奔放な筆さばきと豊かな色彩、ドラマチックな構図で描かれたヴェネツィアのルネサンス絵画。聖母子像などの宗教画が展示されているアカデミア美術館展です。ヴェネツィア絵画の巨匠、ティツィアーノが描いた《聖母子(アルベルティーニの聖母)》も素晴らしいですが、サン・サルヴァドール聖堂から特別出品された《受胎告知》の神々しさには心打たれます。あの暗闇の中で見るからグッとくるんでしょうかね...。
次は国立新美術館をあとにして六本木ヒルズへ。ここではルーブル美術館をテーマにした漫画展と、ジブリの大博覧会が開催されています。フランスで「9番目の芸術」とされる漫画。フランス語圏で漫画は「bande dessinée(バンド・デシネ)」と呼ばれ、その特徴としては美しいフルカラーの作品が多く芸術性も高いとのこと。その漫画でルーブルを表現する今展覧会。展示してある漫画は個人的によくわからないもの少々ありましたが...漫画を芸術として昇華させるセンスはさすがフランスって感じです。
ジブリの大博覧会は予想以上に混んでました。映画館のポスターや新聞広告、設定資料などが壁一面に掛けられています。人が多くなければじっくり見るとこなんですが。奥の部屋にはグッズみたいなのがずらり陳列。思わず手が出そうなものばかり。
ちなみに会場内は撮影禁止ですけど、唯一写真撮影OKなのがラピュタの飛行船。プロペラ動いて上昇したりします。夕方あたりに見たらライトアップされるとか!? あと公式グッズショップがどこまで連れて行くのかと思うような場所にあります。油屋のクリアファイル買っとけばよかった...。

時系列アート

2016年06月17日 | 美術館・博物館
いつもの美術展とは違う展示。斜めに走る動線。すっきり!?したような空間。東京都美術館のポンピドゥー・センター傑作展です。
パリ4区にある鉄骨むき出しのまるで建築途中な建物がそれ。透明チューブ状のエスカレーターは深海生物の血管を思わせるデザイン。建物自体がすでにアートと化したポンピドゥー・センターですが、近代絵画コレクションはヨーロッパで最大規模だとか。
そして今回上野で展示されているものは、1906年から1977年までの時間枠に沿った1年ごと1作品。絵画だけではなく彫刻や写真、映像作品などジャンルを超えた近現代美術を展示。ピカソやシャガールなど有名どころから、ほとんど(全く)知らない作家までいろいろあります。作品の横には作者の言葉が書いてありまして、それを読みながら鑑賞するとなお良し。作品の解説がすべて付いているのも素晴らしい。
これがホントにアートなの!?というようなものも...個人的には好き嫌いがわかりやすい20世紀の美術作品。

瓶だらけ

2016年02月24日 | 美術館・博物館
瓶に水差し...同じような絵ばかり。20世紀最高の静物画家と称されるジョルジョ・モランディの展覧会が、東京ステーションギャラリーで行われています。
瓶の絵だけで展覧会が成り立つのか!?という思い少々。モランディのことは全く存じませんが、作品名「静物」のなんと多いことか。瓶や水差しが題材の、どれも似たような絵かと思いきや、ちょっと配置を変えて描き分け。同じ瓶を複数の絵で描くモランディのこだわりが伝わってきます。まるで本物の瓶みたいだとかそういう細かな描写ではないんですけど、そのどれもが淡く優しい色合いで表現されていて、モランディ結構いいかも!!

五百羅漢図展

2016年01月27日 | 美術館・博物館
写真取り放題な村上隆の五百羅漢図展。またしても六本木ヒルズです。現代美術はよくわからないんですが、五百羅漢図はちょいと気になりまして。ちなみに村上隆はすごい落札価格がついたフィギュアとか、お花マークみたいなものしか知りません。
老いも若きも世代を超えた人々が、それも外国人客のなんと多いことか。みな熱心に村上隆の作品を鑑賞しています。おかしなキャラと抽象画のようなアートワーク。伝統的な日本美術を規準としながらも、新たな道を模索するような作品も。
薄暗い展示室に連なる五百羅漢図は、燃え盛る炎や宇宙的な背景が鮮やかな色彩で描かれています。あちこちに描かれた羅漢さんはどれも個性的な表情で、自分だけの好みを探してしまいそう。
「無我夢中羅漢に見入るギロッポン」



 

 ふざけ度がヤバい。

ギロッポンヒルズ

2016年01月22日 | 美術館・博物館
今更ながら初六本木ヒルズなんで...展望台からの眺めが超楽しみなんですけど。
東京シティビューにあるスカイギャラリーでは「フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」なる展覧会が。奇抜な建築物の模型や図面がいろいろ展示してありました(ごく一部を除いて写真撮影可)。

これが展望回廊からの眺め。東京タワーとスカイツリーが望めるのは森タワー。



 面白い屋上がある。

 国立新美術館発見。

光と闇の画家

2016年01月22日 | 美術館・博物館
森アーツセンターギャラリーで開催中の「フェルメールとレンブラント」展。これを見るために初めて六本木ヒルズに足を踏み入れました。森タワーの52階にあるアートギャラリー。こんな高い場所にある美術館なんて来たことありませんし。
まだ開催して間もないからか、館内はゆったりとした雰囲気に包まれています。そんな中で17世紀のオランダ風景画をじっくりと鑑賞...木々のざわめきに風を感じるよう。雲の描写も魅力のひとつ。
茎をプチっと取りたくなるサクランボが描かれたフローリス・ファン・スホーテン《果物のある静物》は鮮やかな色合い。メロンもさじで種を根こそぎ取りたい願望が。それだけ本物と見紛うくらいの描写力。
光のフェルメール、闇のレンブラントとなると個人的には闇が好みなんで...。フェルメールの《水差しを持つ女》もぱっと見は地味ですけど、よくよく見てみると洗練された構図が浮かび上がってきて、やはりフェルメールは素晴らしいとなるに決まってます。レンブラントの《ベローナ》は古代ローマの戦いの女神だそうですが、銀色に輝く鎧と盾が暗闇に映えて、なんとも美しい姿が印象的。

輝きは失われず

2015年11月13日 | 美術館・博物館
国立西洋美術館が煌めきの世界にSwitch! 地中海沿岸の古代文明が生んだ黄金の秘宝。数千年も変わることがない黄金の輝きに目がくらむ黄金伝説展。
古代ギリシアの耳飾りには複雑な模様が。紀元前4世紀に虫眼鏡みたいなモノありましたっけ...こんなのどうやって作ったのやら。トラキアから出土した大鍋(両把手付の大型容器)とか、いったい何kgの金を使っているんだか。エトルリアと古代ローマの展示室にある『横たわるシレノスが表された飾り板』の細かさに唖然...。門外不出とされていたヴァチカン美術館の『腕輪』が目の前に。『動物模様のある留め金』は精緻の極み。ラーメン模様みたいなの全部小さな金の粒ですけど!?
この展覧会はぜひ単眼鏡でご覧ください。煌びやかな超絶技巧の世界はJR上野駅から歩いて1分。