【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

想像の窓

2012-03-09 16:08:38 | リラのお気楽ユメ日記





「はしり苺でお茶にしようよ!」
ミス・ラベンダーは大声を上げた。

「やっぱり、私も思ったほど
年取っていないのね・・・
これでは丸薬なんか1粒だって要らないわ。
2人で苺を摘んで来たら、
このポプラの下でお茶にしましょうよ。
自家製のクリームを用意して置きますからね」

キンボル氏の牧場は青々として人里離れ、
空気はビロードのように柔らかく、
すみれのようにかぐわしく、
琥珀こはくのように黄金色をしていた。
                  【「アンの青春」 第27章】


   又々、雨の週末となりました。今頃の雨の事を何と言うのでしょう・・?
  「菜種梅雨」 というのは、早過ぎますものね。
  3月下旬から4月にかけて菜の花の最盛期に降る雨ですもの。

   雨の種類としては、小糠雨こぬかあめ が1番ぴったりでしょうか・・。
  春先に、しとしと降る霧雨。「密(ひそ)か雨」 とも言うのだそうですね。
  
   それにしても何と素敵な言葉なのでしょう。
  世界の言葉で、言葉自体に季節感を内包させるのは、
  唯一、日本語だけなのだそうですね。






   さて、3月も早、一週間以上経過。明日で10日になるのですものね。
  この調子ですと、今年も瞬く間に1年が過ぎてしまいそうです。
  心してかかりませんと。

   そんなこんなで・・遅ればせながら、
  3、4月の内田新哉氏の、カレンダーの紹介です。

   今月の絵は、まさに 『アンの世界』 そのもの。
  そして添えられた詩が又、素晴らしいのです。


    
   今日の、こんな雨の日だからこそ、
  『アンの世界』 の楽しい
  ピクニックを思います。

   今日のタイトルでもある、
  「想像の窓」、全開です。
  季節は、待ちに待った春。 

   ここは(絵)、お庭。
  グリーンゲイブルスの・・あるいは、
  ミス・ラベンダーの家(うち)の
  お庭かも知れませんね。

   きっと上記の引用文さながらの光景が
  繰り広げられているに違いありません。

   ところで今日のお茶は、
  昨日生協より届いた、「京の飴湯」 を。
  ご覧の通り生姜入りです。

   今日は気温こそ、さほど低いという事は
  ないのですが、日射しがない分、
  寒く感じます。こんな日にぴったりですね。

   4~7倍に薄めて頂きます。
  生姜の風味が効いていて美味です。   

包まれるのは菫の香り

2012-03-08 16:53:58 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編






すみれ の谷」 は一面の紫だった。
学校へ通う道すがらアンはまるで聖地の
土を踏むかのように、うやうやしい足取りで、
目にはうやうやしい表情をたたえて
ここを通っていた。
                  【「赤毛のアン」 第20章】


   今日は “朝から太陽” となりました。
  里山には薄らと霞(かすみ)がかかっていて、
  春らしい陽気に。昨日以上の暖かさとなりました。

   きっと春を待ち切れなかったのでしょうね、
  まだ春と言うより冬の真っ只中・・一足先に咲いた菫は長い事、
  孤高を保っていましたのに、結局擦(す)れ違い。
  漸(ようや)く第2弾の登場です。
  





     さて、本当に久し振りとなりました。
    『カフェ 「薔薇の詩(ポエム)」』、開店と致しましょう。

     いよいよ菫の季節になりましたので、
    菫のカップを取り出しました。
    可憐な菫は大好き。薔薇とは違った意味で惹かれます。

   ただ小さな花は俯(うつむ)いてばかり。
  相当のはにかみ屋さんのようです。

   菫と言えば、今日の引用文のように アン ですね。
  今日は、一面紫に染まった 「すみれの谷」 にいましょう。

   菫の谷で菫のカップで頂くお茶タイム。
  紫のすみれの季節がやって来た事を嬉しく思います。          

品格の残像~「花」

2012-03-07 15:51:51 | 心の宝石箱






深紅の薔薇の花3本が、
染付壺に活けられたのに、
慎一はカメラを向けていた。
(中略)
「なるほど、花の写真は難しいものですね。
肉眼で見る時と、
レンズを通して画像になるのとでは ――」
慎一は考え込んでいる。
(中略)
「カメラの位置が関係しますね。
それに単に、花全部が皆はっきり写っても、
それでは、面白味と余韻がないでしょう ――
むしろ前の枝の花は、はっきりさせて、
後ろの花や蕾は、
仄かにボケさせる ―― そんな風に」
                    【吉屋信子著 「花」】


   今日は真珠色の空ながら、太陽が顔を出していました。
  でも、ここ(居間)から見える空がそうだけで、
  いつかのように北の空は、青空なのかも知れませんね。

   ついつい目の前に見える空が、全てなんて思ってしまって。
  そんな事、当たり前な事ですのに、その当たり前の事すら
  考えが及ばなかった自分自身を思います。そう、一事が万事。

   それにしても思い出すのは、一昨日の 「若き命の日記」。
  高2の春には病気を発症していますから、何の不安もなく勉強した期間は高1まで。

   休学を余儀されながら、それでも成績は常にトップクラス。
  そんな事もあり高校は、2年留年。

   それでも年下のクラスメートに混じって、
  本当に嬉しそうに勉強していたと、お父様の手記にありました。
  
   そして同志社大学に入学。
  結局、入学式を済ませた後又々、入院となるのですが・・。

   東日本大震災もそうですが、日常の生活を普段通りに営む事が、
  (学生は勉強) どんなに有り難い事か・・3.11を目前に考えさせられます。




   さて、吉屋信子3作目、「花」 読了。
  1作目の 「安宅家の人々」 は、
  何となく読んだような気がしたもの
  ですが、こちらは全く初めて。

   若くて美しい新興活花の
  師匠が主人公ですが、
  ここでも恋愛の純粋さが際立ちます。
  
   同時に女性の独立を格調高く、
  謳い上げてもいて。
  時代背景は、昭和15年~16年。
  
   そろそろ不穏な空気が漂い始めた
  時代ですが、人々は淡々と
  それを受け入れ、生活を律して
  慎(つつ)ましく生きる・・。
  そんな印象を持ちました。

   尤も女史の格調高い文体ですから、
  そんな風に感じるのかも知れません。

   一方、題名が 「花」 という事からも
  分かりますように、主人公梢の言葉を通して様々な 「花」 が語られています。
  例えば、もうそろそろ終わりの 「山茶花(サザンカ)」 は、こんな風に。

山茶花 は、書斎などのお机の1輪挿にも、
いいものです。
花壺に、ただ1枝、そして1輪、それでいて、
しーんと心に沁み入るような、
鮮やかな美しい静かさ ―― それが生きて出れば、
決して1輪の単純さが貧弱ではなくなり、
1輪だけに、くっきり生きて挿せる筈ですから」
                       【吉屋信子著 「花」】
         

まなざしの先の花

2012-03-06 17:56:56 | 四季のスケッチ

【借景の 「梅」】




「人はいさ心も知らず古里ふるさと
花ぞ昔の香ににほひける」
              【紀貫之(きのつらゆき)】
 




【庭の水仙】


   起床時には少々、残っていた雨も
  予報通り上がりました。
  
   しかしながら、
  重い空に変わりありません。

   太陽は、その光を出し惜しみ、
  やっと姿を見せたのは午後1時過ぎ。
  渋々でしたけれど。

   それでも今日は昨日以上の
  暖かさになりました。
  それこそ動けば汗ばむ程の陽気に。

   そう言えば今日は、
  沈丁花の香りを嗅ぎました。

   この香りを嗅げば、すぐそこに春。
  このまま一気に春になるのでしょうか・・。

   いいえ、まだまだ寒暖の
  上下降はありますね。きっと。

   さて、先日の梅に引き続き、
  こちらは借景とさせて頂いている
  お隣の梅。

   先日の 「紅梅」 より、ちょっぴり淡いピンクの梅です。という事は・・。
  淡いのは本来の紅梅色、つまり江戸時代の紅梅ですね。

   さて、今日の引用文は和歌。
  作者は、先日の 【鴬宿梅】 の紀内侍(きのないし)のお父上、紀貫之。

   この歌は長谷寺にお参りする時の常宿を久し振りに訪れ、
  主人とのやりとりの中で梅の花を手折って詠んだとあります。
  主人は女性だとか、男同士の友人が恋歌のように興じたなどの説があるそうです。

21世紀に読む 「愛と死をみつめて」

2012-03-05 17:05:07 | 心の宝石箱






病院の外に健康な日を3日下さい。
1日目、私は故郷に飛んで帰りましょう。
そしておじいちゃんの肩をたたいて、
それから母と台所に立ちましょう。
(中略)
2日目、私は、貴方の所に飛んで行きたい。
貴方と遊びたいなんて言いません。
お部屋をお掃除してあげて、
ワイシャツにアイロンをかけてあげて、
おいしいお料理を作ってあげたいの。
(中略)
3日目、私は思い出と遊びます。
そして静かに1日が過ぎたら、
3日間の健康ありがとう、
と笑って永遠の眠りにつくでしょう。
                【1963年4月10日の日記より】


   2日連続の雨となりました。引き続き暖かい雨です。
  昨日も今日も、ストーブを消す時間がありましたから。

   そう言えば今日は、24節季の一つ 「啓蟄」 ですね。
  冬眠中の虫も這い出す時期という・・。






   さて、前回の 【わが愛を星に祈りて】
  に続き、こちらも古い本を
  引っ張り出しました。

   それは、一世を風靡(ふうび)した
  「愛と死をみつめて」 の関連本、
  大島みちこ著 「若き命の日記」。

   それと言いますのも・・。
  つい2、3日前、骨肉腫云々の会・・
  のニュースをテレビでやっていて、
  “そう言えば・・”
  と思い出したという訳です。

   確か吉屋信子の本と一緒に
  実家から持ち帰っていた筈と・・。

   こちらも一気に読み上げました。
  と言っても今回は黙読ですけれど。

   「昔とった杵柄(きねづか)」、
  という訳ではありませんが、
  黙読ですと早いのです。

   又々、感動!!
  何と頭が良くて美しい女性なのでしょう。
  容姿も然る事ながら、同時に心も。

   弱冠20歳ながら、遥かに大人の女性です。
  自分が深刻な病気であるにも関わらず、冷静に自分の病気をみつめ、
  常に周りの人の事を考え、彼女の意識の中には、「社会奉仕」 という言葉しかありません。

   社会奉仕(ボランティア)の意識が高まっている “今” ならいざ知らず、
  およそ50年前のあの時代・・昭和30年代ですから、少しは豊かになったとは言え、
  まだまだ自分の生活をするのが精一杯の筈でしょうに。

   日本でも社会奉仕(ボランティア)意識が高まったのは、
  阪神大震災以降と言いますものね。

   病名を本人にきちんと告知している事と言い、本を読んでいて、
  50年という年数の隔たり、違和感は、ほとんど感じられません。
  ページが、セピア色に変色している事を除いては・・。

   「私は幸福にならなくていいんです。
  ただ1人でも他の人を不幸にしたくないんです」


   こんな天使のような女性に、神様って本当に残酷ですね。
  無性に理不尽なものを感じてなりません。

   ところで、ある日の日記に、“武者小路実篤の 『人生論』 を
  もっと前から読まなかった事が悔やまれる・・” との件(くだり)が。

   私なんて、この年になっても読んでいませんのに。
  兎にも角にも彼女が素晴らしい女性だった事は間違いありません。

   レース編みが大好きで、(これは似ています)
  片目になってもせっせと編んでいた彼女。

   さぞかし、編みにくかったでしょうに。
  先に退院して行かれる方にプレゼントされるのです。

   お相手の 「マコ」 とは、本当の意味での純愛。
  お見舞いと電話、そして毎日のように交わされる手紙。
  「事実は小説よりも奇なり」。こんなにも美しい愛があったのですね。

哀切の連鎖~「男の償い」

2012-03-04 16:13:17 | 心の宝石箱




脳病院の庭は広かった。
高い塀をめぐらした芝生の周囲に、
桜の樹がぐるりと数十本植え込んであり ――
八重桜の遅れて咲いたのが2、3本 ――
黄昏の微風そよかぜに舞い散っていた ――
そのはなびらは遠くに近くに ―― 思い出したように、
時々ぱっと散り敷いて行く。
                   【吉屋信子著 「男の償い」】


   起床時からの早い朝は、光溢れる快晴。
  日の出も、うんと早くなって、もう春そのもの。

   それなのに少しずつ、少しずつ・・お天気は下り、
  お昼前には、とうとう雨が降り出しました。尤も霧雨ですが・・。
  天気予報通りです。



   さて吉屋信子著 「男の償い」、読了。
  久し振りに、この手の小説を、しかも一気に読んだ気がします。

   そして、涙なくして読めなかった事も。
  それこそ、夜を徹して。そう、まるで女学生の頃のように。

   「女学生」、何と心地良くて懐かしい響きなのでしょう。
  そもそも今時、女学生なんて言葉、使いませんものね。

   でも、この小説を読めば、そんな言葉が
  自然に口をついて出て来るから不思議です。
  そして独特の詩的な言い回しも。それはまるで音楽のようです。

   時代背景は、昭和10年から12年。
  何と今から70年以上も前ではありませんか。

   先日の武者小路実篤もそうですが、この当時の人々は、
  ここに出て来るようなこんな品格のある、美しい言葉を使っていたのでしょうか・・。

   時代と共に言葉は変わる・・
  そんな風に言った方がいらっしゃいました。
  だとしたら・・。残念ながら退化して行ってしまったのですね。

   ここでも前置きが長くなりましたね。肝心の内容はと言いますと・・。
  考古学を専門とする学究肌の滋と、彼の幼馴染でもあり、
  再従妹(はとこ)でもある瑠璃子は、互いに心の恋人。

   暗黙のうちに将来を約束し、
  津田英学塾(現津田塾大)に通う、現代的な美しい女性です。

   そんな瑠璃子に多額納税者、堤との縁談が起こり、家族は大乗り気。
  ひょんな事から2人の関係を知った瑠璃子の母親は激怒し、会う事を禁じます。

   一方、滋は発掘調査のため滞在した伊豆の夕霧楼という老舗の旅館の、
  これも匂うように美しい一人娘の寿美に一目惚れされます。

   当然の事ながら美しい寿美には、それこそ降るような縁談が・・。。
 (この間、色々事情はあるのですが、前後は省きます)

   滋は瑠璃子への腹いせもあって、その旅館の入婿となる事に。
  ただし、旅館業は全くせず、研究だけに没頭するという条件付きで。

   世間知らずで、結構短気で我儘な性格の滋。
  文字通り研究ばかりで、寿美の事など全く構っていません。
  それでも寿美は、いそいそと滋に献身的に尽くすのですが・・。

   一方、瑠璃子も滋に心を残しながら先の堤と結婚。
  ~こんな風に記しますと、当然、滋を挟んで瑠璃子と寿美の、
  それこそ良くある三角関係・・~なんて、思ってしまいますね。

   ところが、この小説は、そんな下世話なものではありません。
  何しろ、「愛」 に対して次のような信念を持っている吉屋信子なのですから。



   長くなりますので詳細は省きますが、
  今日の引用文で、うすうす気付かれた方も多い事と思います。
  脳病院とはすなわち精神病院の事。

   結局、短期間で滋とは心に染まぬ別れをした寿美ですが、
  思慕ゆえに辿るその後の悲劇・・。最後にプツンと切れた寿美の繊細な神経。

   自分の行ないを悔い改めた滋ですが、ここでも瑠璃子の活躍があったからこその事。
  精神病院での再婚式。こんな哀しい結婚式があるでしょうか・・。

春を待つ紅梅色

2012-03-03 19:43:21 | 路傍の花~道草






・・・メランコリックな日の出が
瞥見べっけんされたのである。
雲の御簾みすごしのその太陽は、
上下を隠されて、
あたかも光る唇のような形をしていた。
洋紅の口紅をいた薄い皮肉な唇の冷笑が、
暫く雲間に泛んだ。
唇は益々薄く、益々ほのかになり、
あるかなきかの冷笑を残して消えた。
        【三島由紀夫著 「天人五衰」~「豊饒の海」 第4巻】


   「桃の節句」 の今朝は、
  薄紫色のこんな空で明けました。

   その空の様子は、上記の如く。
  これ程の素晴らしい描写を
  私は知りません。

   そして早朝こそ、
  こんな空でしたが、日中は快晴。
  大層暖かくなりました。

   そんな今日。
  自転車でちょっと下まで。

   行きはコートもいらないような暖かさ。
  帰りは、さすがに風が冷たく感じられましたけれど。

   おまけに少しですが風も出て来て。
  上り坂と風は、疲れた身体に少々堪(こた)えます。





   さて今日も廻り道をして先日の公園に。
  そこには、ちょっとした梅園があります。
  (福井県は三方町寄贈とありました)

   意外や意外。
  開花しているのは先日の1本だけ。

   もう少し開花していると
  思ったのですが・・。
  他は、ほとんど先日と同じ状態です。

   ただ、先日は気付かなかった
  「紅梅」 を発見。
  期せずして紅白揃い踏みとなりました。

   この梅の色は、そのものズバリ、
  紅梅色こうばいいろ と言うのだそうですね。

   元々は桃色に近い淡いピンクの事
  でしたが、江戸時代以降は、もっと
  濃く、実際の紅梅の如く、鮮やかな色を
  指すようになったと言われています。

   そうそう、今日のタイトルでもある、
  「春を待つ紅梅色」 と言えば、もう一つ、ランドセルがありますね。
  最近では、紅梅色のランドセルも人気だとか。

   後、1ヶ月もすれば新1年生のランドセルが巷に躍る事でしょう。
  春は、すぐそこに来ていますね。  

古(いにしえ)に想い馳せて

2012-03-02 16:18:51 | 四季のスケッチ






「まぁ、お見事な 紅梅 でございますこと ――
伊豆の、手前どもの山では、
丁度只今がこの花の見頃でございますよ、奥様」
「そう、やっぱり、
それだけ伊豆は暖かいのねえ ・・・」
と夫人は自分も庭の
まだ蕾のこずえを見やりながら ――
既に紅梅の花咲くという、
その伊豆の温泉いでゆの里に ――・・・・・
                   【吉屋信子著 「男の償い」】


   雨の週末となりました。
  起き抜けの気温は何と15度もありましたから、
  これまでで1番暖かい雨となっています。

   それにしても、良く降りますこと!
  そう言えば・・紫式部は、「雨女」 と言われていたそうですね。
  (因みに清少納言は 「風女」)

   それはさて置き、手近に置いてあった気象の本を
  何気にパラパラとめくっていましたら・・。
  次のような記述が目に飛び込んで来たものです。



   上に立つ者の行ない・・。今がまさにそうではありませんか。
  世が世なら・・さしずめ今年など、早速元号が変わった事でしょう。

   一つには元号も呪(まじな)いを含んだ言葉ですが、
  古くから日本には 「言霊(ことだま)」 信仰があった事も
  深く関係していると言われています。

   ここで現政権を批判しても詮方ない事ですが、
  目に余る事が、あまりにも多過ぎるような気がします。

   さて、今日も前置きが長くなりましたが、
  冒頭の写真。実は昨日の朝、撮ったものです。例のお隣の梅。
  尤も今日の引用文は紅梅ですが・・。

   しかしながら昨日、今日の暖かさで、
  先程見た梅は、かなり開花していました。

   枝垂(しだ)れ梅のそれは、もう美しくて。
  そぼ降る雨に濡れる梅に、しばし見惚(と)れていたものです。



   ところで、いち早く咲いた、こちらのヒヤシンス。
  そろそろ終わりのようです。

   一方、他のヒヤシンスも今、
  ぐんぐん花芽を伸ばしている処です。開花が楽しみです。

虹色のシルエット

2012-03-01 17:17:27 | 香る庭の花綴り






春も初めであった ――
恐らく1年中で1番
見栄みばえのしない季節であろう。
夕日の光でさえこの活気のない、
じめじめした、重苦しい風景に
色彩を添える事は出来なかったし、
溶けかかって黒ずんでいる港の氷の
醜さを隠せなかった。
生ある物の姿は一つとして見えず、
ただ大きな黒いからすが1羽、
鉛色の原の上を飛んでいるだけだった。
              【「アンの夢の家」 第29章】


   一応、日の出を見た今朝。
  でも昨日の、そろそろ黄昏に近い空の、
  澄み切った青さを見た私は、
  “今日は、いい天気!”
  と、信じて疑わなかったものです。

   それだけに太陽が顔を出していると
  言いますのに、
  白い空にちょっとがっかり。
  
   と言うより呆気に取られた・・
  と言った方がいいかもしれません。
  
   いいえ、こんな事を言っては
  いけませんね。
  太陽には感謝しなければ。

   さて、今日から3月。
  3月の声を聞けば、いよいよ春ですね。
  
   今日は昨日以上の暖かさと
  なりました。おまけに今日の引用文。
  
   あの 『アンの世界』 が、
  “3月は、1年で1番見栄えのしない季節”
  ~なんて。
  
   アッ、そうそう11月もそうでしたね。“11月は1番嫌な月” でしたもの。
  そんな中、今日の小さな幸せ。
  
   あれは去年の秋だったでしょうか、何気なく・・
  本当に何気なく、リラ版 「白い貴婦人」 の薔薇の枝を土に挿したのは・・。

   今日、その枝がしっかり根付いて、新芽を付けていました。
  しかもこの枝は、薔薇の花としてしっかり観賞させて貰った上に、
  花びらはポプリとして今も活躍してくれています。

   これ以上にない程、役に立ってくれましたのに、今度は再生。しかも3本も。
  今年、花が咲くかどうか分かりませんが、大切に見守って行きたいと思います。

   そう言えば、またもや再放送のドラマ。何と言うタイミングでしょう。
  ここまで記した処で、いきなり聞こえて来た、水谷豊の声にドキッ!
  (何だかテレビばかり見ているようですけれど)
  
   「薔薇はたくましいですね。踏まれても・・・
  (中略)・・・誇り高く芽を伸ばす・・」
   


   でも、本当にそうですね。
  夏の暑さにも平気なら冬の寒さも、ものとしないのですから。   


   そしてこちらは、ゼラニウムの葉っぱ。
       家の中から見ると、
    まるで赤い花が咲いたようです。

   そう言えば・・間もなく雛祭り。
   ぼんぼりが灯っているようにも。  

    とりわけ寒かった今年の冬。
      それでも寒い戸外で
      頑張ってくれました。

   ついこの間まで咲いていた花ですが、
      さすがにここに来て、
    萎(しお)れてしまいましたが・・。

    でも、もう少しの辛抱ですね。
      春は、すぐそこまで。
   今年も又、美しい花を咲かせて下さいね。