【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

ブラームスはお好き?

2010-01-08 16:07:16 | 音聴箱

【ヒマラヤ雪の下】

   今朝はあまりの寒さにブルル・・。
  それでも居間の気温は10.5度。

   今朝もいかにも冬の空といった空。
  でも昨日と違って、太陽も。

   そのお陰で日中は、
  随分過ごしやすくなりました。

   今日も私は、
  19世紀の世界の中へいます。

   そのためには、
  どうしても次の記述のような、
  暖炉がなければなりません。

   “・・・エリザベスおばさんが今夜は冷えるからと
  珍しく部屋の小さな 暖炉 に火を入れる事を許してくれた。
   火は、勢いよく燃え、ちり一つない小さな部屋、
  昔ながらの家具、敷居の広い深く窪んだ窓などに
  赤がかった金色の光を降り注いでいる。
   凍った青白い窓ガラスには雪びらが小さな渦巻きとなって
  張り付いていた。
   暖炉 の火に浮かび上がる壁の鏡は奥深く神秘的で、
  人を引き込むような力を称えている。・・・”
             
                                        【「エミリーはのぼる」 第1章】



     それに、ランプや蝋燭の似合う、
    薄暗い家も必要です。

     寒くて薄暗い・・・
    これこそ、ヨーロッパの冬ですものね。
    ~なんて、のたまわっております。

     それにしても明るい家だけが好みでしたのに、
    何という変化でしょう。

     ところで昨日のタイトル、『永遠の憧憬』。
    本当は、クララとブラームスの事を記すつもりでしたのに、
    記さないまま、中途半端に終わってしまいましたね。

   ブラームスと言えば、どのような印象をお持ちでしょう。
  地味で目立たない・・ちょっと難解な楽曲・・。
  
   それでも4つの交響曲と、「ハンガリー舞曲」、
  「ブラームスの子守歌」など は、思い浮かぶのではないでしょうか。

   そうそう今日のタイトル、『ブラームスはお好き?』 は、
  勿論、サガンの小説のタイトルを、ちゃっかり頂いたものです。

   フランス人らしい、「ちょっとお茶でも・・」 と言った、
  軽く、洒落た誘いの意味が込められているそうですね。

   そんな彼の交響曲は、映画にもよく引用されています。
  例えば、アンソニー・パーキンスとイングリッシュ・バーグマンが共演した、
  『さよならをもう1度』(1961)には、このブラームスの第1番と3番の交響曲が登場して来ます。
  
   特に3番の第3楽章は、ロマンティックで甘い旋律が随所に顔を出しています。
  その旋律は、チェロに現れ、やがてヴァイオリンに引き継がれ・・。
  哀愁に満ちた旋律が映画のシーンを盛り上げます。

   しかも、この曲にはエピソードも。
  アルト歌手、ヘルミーネ・シュピースとの恋。
  彼女を想って作曲されたと言われています。
  
   ここでも、クララ以外の女性が登場して来ますが、(他にも沢山)
  ブラームスは、恋には実に自由奔放だったようです。
  そして・・恋愛する度に、恋人に捧げる曲を作っています。

   しかし、どの恋も結婚までは至らず、生涯を独身で通しました。
  そんな所からクララを想って永遠に・・と思ってしまうのですが、
  どうやらそうでもなさそうです。

   でも、やはりそんな風に思っていたいですね。
  いいえ、本当に・・ブラームスの心の中では、クララは永遠だったと思うのです。

   そう言えば、先日の まど・みちお 氏。
  高校生に 「恋」 と 「愛」 の違いを質問された時、その答えが奮っていました。
   
   「『恋』 は、人間だけのもの。
  『愛』 は、森羅万象、全てのものに存在」
と。
  さすがですね。