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日本最初の盲導犬

2010年02月16日 14時34分02秒 | 社会・報道・警察・教育
葉上 太郎氏の著書。
葉上氏は全国紙記者を経て2000年からフリーとなり現在、地方自治ジャーナリスト
としてご活躍されてをります。

現在では、通常の存在となつてゐる盲導犬。
だのやうに日本でこの育成と導入が始まつたのかは、語られてゐないのでは?

この本で初めて知つたが、「戦争で失明された傷病兵さんたちの目の代わり」として
独逸から1939年に4頭来たのが最初だつたのださうです。

1939年当時、日本は中国で「事変」と呼ばれる戦争を行なつてをり爆撃・地雷等々で
失明して日本に帰国される方々がゐました。

日本で盲導犬育成のきつかけとなつたのは、盲導犬をつれて世界一周旅行をしてゐた
アメリカの大学生が横浜に寄港したのがきつかけださうです。

この盲導犬の働きを見て、日本でも導入をと考え尽力をつくした方、盲導犬の訓練に携つた
方々、盲導犬との生活等々が記述されてゐます。

当時の時代から、敗戦の色が濃くなつてきた日本のやうすを語つた資料が少なく、
取材された葉上氏はご苦労をされたやうです。現在も調査を続けてゐらつしやるとのこと。

しかし
戦争に関する本を読むたびに思ふのは、「戦争を決めた」人たちは戦地に行かづ怪我もせづ
食料に困ることもなく過ごしてきたらしいのに、「行け」と決められて行かされた人たちが
常々苦労を強いられてゐた・・・・ といふ矛盾である。

この盲導犬と一緒に生きた人たちも、盲導犬も、大きな犠牲者なのだなと思つた。


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