読書おぶろぐ

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その「エコ常識」が環境を破壊する

2010年02月02日 15時31分44秒 | 環境
武田 邦彦氏の著書。
武田氏は東京大学教養学部を卒業、専攻は資源材料工学の工学博士、
現在、中央大学総合工学研究所教授(副所長)であられます。

本書は2000年に出版された「リサイクルしてはいけない」に新たな情報を加え、
改訂して出版されたものです。

この本の感想を述べますれば、開口一番 
「なぜこんな嘘ばかりマスコミは報道してゐるのか」
「なぜ環境問題として国際会議で議論されてゐる内容と日本の現状の関係を正しく伝えないのか」
といふことです。

つまり、なぜ政府とマスゴミは虚偽報道・虚偽教育・虚偽ごみ処理を国民に行なつてゐるのか?
といふ疑問につきるといふことです。

今までの報道から、この本の記述内容が「ほんたうに真実なのか」と俄かに信じられない思ひでござゐます。

では、まづ本書に書かれてゐる、「エコ常識」が環境破壊に繋がるといふ理由と「どのエコ常識が嘘」なのかをご紹介しませう。

1.ペツトボトルリサイクルが環境にいいといふ嘘 (P14-36)
2.再生紙が環境を考えてゐるといふ嘘 (P42-78)
3.エコポイント対象なる省エネ家電が環境にいいといふ嘘 (P80-106)
4.レジ袋が環境に悪い、マイバツクを持ちませうの嘘 (P152-175)

本書に記述されてゐるのは、上記以外のこともありますが上記の4項目が「環境にいい」「エコ」としておおぴらに放映・宣伝されてきた事柄だと思ひます。

宅の自治体など、昨年の10月だつたか「資金を投じてプラごみをすべて資源とする施設を建設しプラマークのついたごみは資源ごみ」として新たに設定されました。
これにより、あたくしなど「ごみが減って石油資源に出来る」などと単純に喜んでゐたのですが。

だうも、本書を読む限りこの自治体の処理は正しくないやうです。
理由は下記のとおり。

1.ペツトボトル、プラスチックなどはそう簡単に「再資源化」できない。ペツトボトルの中にごみを入れたりして捨てる人、のみかけの物の処理、「プラごみ」マークがあつてもすべて同じプラスチック材質ではない → 一度に資源化不可 → 分別し、洗浄する必要あり →コストと水などの資源使用増(P14-36)

成る程・・・・・・  
なんか今までといふか、今のごみ分別バカみたい。
ちよつと、自治体に質問しないと気が済まないな・・・・ だつて、あたくしの税金ですし何より、「環境にいい」はづのことが「悪い」といふなら直ちに止めるべきである。 

ここでややこしいのは、著者は「リサイクル」を否定してゐるのであつて「リユース(再使用)」は否定してゐないといふことですが、あたくしの印象ではマスゴミなどの放送側は「リサイクル」=「リユース」と混同させるやうな報道の仕方をしてゐるのではないかといふことです。

著者は、「再使用(リユース)」と「修理(リペア)」の2R を推進してをります。現在、3Rとしてこの2Rに「リサイクル(再利用)」が加わつてゐるのですが、この3番目が問題といふか「偽善」なのである。

ではなぜさのやうな「偽善」を引き起こしてゐるのか?
まただうすればよいのか?

これに関しては、この本を通読されることをお勧めしたい。
納得できる一冊です・・・・ しかし、現在も続いてゐる「ごみ分別」「資源にしやう」はいつ、誰が止めるのか?

政治家がきちんと「真実」を明かして処理すべき問題と考えます。
また、企業もペツトボトルのやうに分解・再処理が必要な材質よりもアルミ缶のやうに「ほぼ純粋な形で特定の用途」に使用されてゐるものの採用に替えていく必要があるのではないでせうか?

いづれにしろ、かのやうな専門的問題は「市民」に対して誠実にやつてゐただきたいと思ひます。