櫻井 俊彦氏の著書。
櫻井氏は警察レベルの科学鑑定を行なう国内有数の民間鑑定機関「法科学鑑定研究所」に
所属、「DNA型 鑑定」「指紋鑑定」「筆跡鑑定」など多岐にわたる科学分析を担当されてをります。
人体は約60兆個の小さな細胞から構成されており、その細胞一つひとつに細胞核が存在する。
細胞核の中には染色体と呼ばれる構造物があり、さらには染色体はDNAと核タンパク質で
形成されてゐる。DNAはこの染色体から核タンパク質を除去することによつて抽出できる
(本文P12より)。
よくおにゅーすで聞く、「DNA型鑑定」とはこの物資といふか細胞核の型の鑑定だつたのですね。
初めて「概要」といふか「定義」をきちんと知りました。
で、このDNA型なのだが。
犯罪の犯人特定にはもちろん、血縁関係の特定にも用いられてゐる。
が、万能なのかは最近「過去のDNA型鑑定が誤つてゐた」ことによる冤罪があつた。
これについてはP44からP60まで記述の第3章「再鑑定は万能か」に詳細が記述されてをり
興味深く拝読ゐたしました。
ここでもやはり、疑問なのにはマスコミの報道調「当時の鑑定はいいかげんなもので最新の
方法で行なわれた再鑑定の結果こそ信頼すべきものだ」(P54)は著者の指摘どおりだと
思ふ。
だうしてマスコミはいつもいつも、過去に自分らが報道してきた内容や姿勢を完全に無視して(忘却して?)、目の前の「新」出来事を鬼の首でも獲つたかのやうに報道するのであらう?
P58-P60 「経験値の重さ」は考へさせられた。
第7章では、DNA型鑑定の進化のやうすが記述されてゐるのだが・・・
科学も進みすぎると怖いなあ~と感ぢた。
第8章「DNA研究が描く驚異の未来」では、ここまでする必要があるのか?と思ふ。
自分には関係のない世界であらうが、世の「家柄」の人たちにとつてみれば「大事なこと」
なのかもしれない。