2017.01.18(水)
最近読んだ本。記載するのは今回で2回目、評価を付けるのも気が引けるが、最も面白く読んだものは☆5つである。
『民王』 池井戸潤著 文春文庫 評価☆☆☆☆ ’16年12月9日読了
寸評:政治を舞台に首相をはじめ野党党首など、薬によって親子が入れ替わる(ある意味テロ)というストーリー。(総理大臣の)子供が国会やサミットを何とかこなし、親(総理等政治家)は子供の世界を何とかこなしていく。嘗て映画で男女が入れ替わるものがあったが趣が違う。
『おんな領主 井伊直虎』 渡邊大門著 中径の文庫 評価☆☆☆ ’16年12月16日読了
寸評:’17年の大河ドラマの資料。戦国時代に男の名で家督を継いだ女性の物語。井伊家発展の礎を築いた井伊直虎に関して、歴史的資料の少ない中、客観事実に基づいて類推も含めて解説したもの。尚、現在では直虎は実在の男だったのではないかとの説がある。
『俺の遺言』 野坂昭如著 文春文庫 評価☆☆☆☆☆ ’16年12月21日読了
寸評:文学は如何に文章を削り表現できるかであると、文豪吉行淳之介氏が書いていたが、その吉行氏や三島由紀夫氏に認められた著者はやはり只者ではない。野坂氏独特の切れ切れの文体は最初は馴染み難いが、読み進めて行く内にその周辺知識を含めて物書きゆえの観察力や風刺力は凄いとしか言いようが無い。本著は週刊文春のコラム連載の中から55編を抜粋収録したものである。秀逸な本である。
『陸王』 池井戸潤著 集英社 評価☆☆☆☆☆ ’16年12月28日読了
寸評:足袋製造100年の老舗が生き残りをかけ、新規事業としてマラソンシューズの開発に挑む。中小企業にとってイノベーションを金融面から支えることが難しく、資金調達に大きな壁が立ちはだかる。世界的な大手スポーツ用品会社の圧力に屈しそうになるが・・・ブランド力も無く全く相手にされない中、長距離選手が使用してくれたために甦る。「結」はやや端折り過ぎの感あり。
『夜蜘蛛』 田中慎弥著 文藝春秋 評価☆☆☆ ’16年12月30日読了
寸評:戦争を体験した父が自らの人生の終焉に自殺を選択する。昭和天皇の葬儀の日、乃木大将のように殉死する。しかしその遺言は息子にとってはいたたまれないもの。明治生まれ男の純朴な精神の結果か、戦後世代には想像もつかない純粋な天皇観、国家観に従ったものか、若い頃自分の子供を中絶させたことも原因のひとつか、心身共に老いて行く父の決断があった。父を死なせてしまった罪悪感か、息子もまた自ら・・・。著者に宛てた手紙形式の作品。一気読みした。
『天才』 石原慎太郎著 幻冬舎 評価☆☆☆☆ ’17年1月5日読了
寸評:ロッキード裁判という日本の司法を歪めた虚構を知りつつそれに荷担した当時の三木首相やトライスターなどという事例よりも遥かに大きな事件の山だった対潜哨戒機P3C問題を無視して逆指揮権を発動し、それになびいた司法関係者こそが売国奴だった。アメリカの策略にまんまと嵌められ日本の最重要指導者が葬られた。当時なら田中角栄無罪である。
『モナ・リザの罠』 西岡文彦著 講談社現代新書 評価☆☆☆☆☆ ’17年1月6日読了
寸評:製作者レオナルド・ダ・ヴィンチ。モナ・リザの正式名はラ・ジョコンダ。肖像画でも礼拝像でもない当時史上初の人物画。意味不明な美術批評が仕掛ける罠!モデルはなぜ謎になったか?アルプス以北、以南の融合による新感覚。風景画の無かった時代に四分割された異なった風景は彼以外誰も描いたことが無い世界だった。神秘の微笑みを解剖していく。秀作である。
『おんな城主井伊直虎と井伊直政の真実』 蓮見清一創刊 宝島社 評価☆☆☆ ’17年1月9日読了
寸評:’17年の大河ドラマの資料、解説書。
『御三家の犬たち』 南原幹雄著 徳間文庫 評価☆☆☆☆ ’17年1月13日読了
寸評:久し振りの時代物。徳川8代将軍の座をめぐり御三家存亡を賭けた闘いが始まった。御三家筆頭家老達の策謀や御三家に仕える隠密たちが暗躍する。700頁あるが3日で読破。
『強父論』 阿川佐和子著 文藝春秋 評価☆☆☆☆☆ ’17年1月16日読了
寸評:阿川弘之氏については吉行淳之介氏や北杜夫氏らのエッセイに何度も登場し、瞬間湯沸かし器と評されていたのを良く覚えている。瞬間湯沸かし器氏の本は両手までは読んでいないが、娘である著者佐和子氏の本は30冊程度読んでいる。親子関係については理不尽とも思える父親だが、決して口答えは許されない。現在ではこのような父親は存在しないのではないかと思われる、そんな父親の回顧録である。阿川家の先祖は長州で、我が家の4代前は萩からの養子。確証は無いが一説に先祖が繋がっているという・・・・。
『大放言』 百田尚樹著 新潮新書 評価☆☆☆☆☆ ’17年1月18日読了
寸評:普段私がやり過ごしている事柄も、作家故の鋭い観察力で世の不条理を暴いて行くのは面白い。各章には納得させられる持論が満載。日本国を辱め貶め悪意に満ちた偏向報道を第一義とする左向きの新聞社は言わずと知れているが、話の前後を無視して一文のみをクローズアップして好き放題書くのは何も新聞社に限ったことでは無い。何故公正で真っ当な報道が出来ないのかなあと改めて実感した次第。著者の言動は国会でも大炎上しているが、今やオフレコも無く記者の前では冗談も言えない風潮になっている。新聞の質も記者の質も落ち嘆かわしい限りである。
【1月18日過去の釣行記録】
・2015年徳山築港、06:30~15:20、中潮、釣果=32cmアイナメ・キス1・ハゼ5
【この日の釣り情報】
・この日の釣り情報はありません。
【旧暦12月21日釣行記録】
・2004年01月12日、新日鉄波止場、05:30~09:00、中潮、釣果=アナゴ1・キス1・ハゼ1・マダコ1
・2007年02月08日、中電西側岸壁、07:30~08:15、中潮、釣果=カレイ1
・2011年01月14日、徳山築港、08:30~13:30、中潮、釣果=カレイ1・アイナメ2・イイダコ5
http://blog-parts.wmag.net/okitegami/base.php?ser=36906&m=219b56b2lb68fdf326a81