世界変動展望

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auの「買い方セレクト」の弊害

2007-10-08 03:53:03 | 経済
 11月12日からauが「買い方セレクト」という新プランを開始する。従来型の携帯端末が本来よりも安い代わりに、その分を基本料金等に上乗せするプランと携帯端末・基本料金等が本来価格であるプラン、具体的には基本料金2,625円 通話料10.5円/1分、又は基本料金1,050円 通話料15.75円/30秒のプランを携帯電話購入時に選択できるようになる。端末価格は2万~8万程度だが、基本料金は従来よりも2000~3000円程度安い計算になる。
 従来は携帯端末価格を月々の基本料金に含めていたが、同じ端末を長期的に使うユーザ(「長期的ユーザ」と略す)には通信料金を多く払う弊害があった。そのため、端末価格・通信料を本来価格にすることで長期的ユーザの保護を図る必要があり、総務省が携帯電話会社に指導して今回の新制度が始まることになった。
 しかし、今回のauの「買い方セレクト」のプランは新規契約又は機種変更により携帯電話端末を購入するユーザのみを対象としている。従って、長期的ユーザが基本料金等が安いプランに移る場合は新たに携帯端末を買い換えなければならず、金銭負担がある点が問題だ。長期的ユーザはこれまでの通話料金支払いによって自分の端末料金は支払っている場合が多いし、端末をあまり買い換えないからこそ基本料金等が安いプランを望むのである。
 とすれば、auの「買い方セレクト」のプランは端末を買い換えず基本料金等を安く抑えたいと望む長期的ユーザの保護を図ろうとする総務省の指導趣旨に合致しているといえない。少なくとも自分の携帯電話端末価格を払い終えている長期的ユーザは新端末を購入することなく基本料金等が安いプランへ移行できるようにすべきだ。
 ソフトバンクはすでに端末価格をユーザが負担する制度を開始しており、従来の制度でのユーザは端末を買い換えることなく基本料金等が安いプランに移ることができる。NTTドコモはまだ対応を発表していないが、おそらく同様な内容のサービスを開始するだろう。長期的ユーザのニーズに十分応えられる新制度ができるとよい。