世界変動展望

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EU諸国が温室ガス削減数値目標に積極的な理由

2008-01-28 01:30:26 | 環境・地球温暖化問題
ダボス会議で福田首相が温暖化対策で発展途上国への支援や国別の削減目標設定を目指すという声明を発表しているが、京都議定書後の温暖化対策は削減の数値目標の設定が一つの争点である。

思うに、アメリカは温室ガス削減の数値設定に否定的だが、EU連合は積極的である。アメリカは世界最大の二酸化炭素排出国だから削減数値目標の設定は自国の経済にとって大きな負担となるため、強く反対するのはわかる。

しかし、小なりとはいえ、EU連合諸国でも温室ガス削減で負担があるのは同じである。EU連合では無償の排出権配布やオークション型の排出権取引を廃止して、有効で公平な排出権取引がなされるよう巨額な有償排出権取引を検討している。自国の企業にとっても将来的に大きな負担があるに違いない。勿論、地球温暖化を深刻に受け止めて全力で温暖化防止に取り組んでいるのだろう。

それでは、全く打算無く温暖化問題に取り組んでいるのだろうか。憶測でしかないが、アメリカとの相対的な地位を縮めようとする狙いもあるのかもしれない。即ち、膨大な二酸化炭素排出量を持つアメリカに対して、原子力等へのエネルギー転換が進んでいるフランス、イギリスといったEU連合諸国は排出量が少なく負担が少ない。そのため、二酸化炭素排出削減にはアメリカに大きな負担、EU諸国には小さな負担がかされるので相対的にアメリカとの差が縮まるということだ。さらに、温暖化問題をリードしているという国際的な地位を確立することで国際社会の主導的な地位を確保したいという狙いもあるのかもしれない。

以上は憶測にすぎないし、EU諸国には失礼かもしれないが、なぜEU連合は温室ガス削減数値化に積極的なのか理由が率直に疑問である。