世界変動展望

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マックスウェル方程式のローレンツ不変性について

2009-03-23 00:48:22 | 物理学・数学
電磁気学の基礎方程式はマックスウェル方程式である。また、特殊相対性原理の要請により、すべての物理法則は慣性系間の座標変換であるローレンツ変換に対して不変な形式で記述されなければならない。これにより運動方程式や相対速度の公式等様々な力学の法則が修正される事になった。

しかし、マックスウェル方程式は特殊相対性理論によっても修正を受けなかった。なぜか、マックスウェル方程式は発見当初からローレンツ変換に対して不変な形式だったのである。

これは私には驚くべき事に思える。マックスウェル方程式が完成したのは19世紀で、特殊相対性理論の登場する20世紀以前に発見された。マックスウェル方程式を発見した人々はローレンツ変換の不変性を考えていなかったはずだ。

にも関わらず、構築した物理法則が偶然にもローレンツ不変だったのだ。深く考えればマックスウェル方程式がローレンツ不変なのは当然なのかもしれないが、私には不思議に感じた。

自分なりにこの事実を考えると、すべての物理法則はローレンツ変換に対して不変であるのだから、きちんとした物理法則を追求していけば自然と特殊相対性原理を満たすように理論が構築されるのだろう。

マックスウェル方程式は現象に合うように物理法則を構築し、法則が実験事実によって正当性を確立するに至った。現在の場の量子論に拡張した電磁気学である量子電磁気学は理論と実験が精密に一致し、最も信頼されるゲージ理論となっている。現在の先端の電磁気学ですらマックスウェル方程式は修正を受けていない。

それらの事実を考えるとマックスウェル方程式は他のどの物理法則よりもきちんと自然現象を反映した物理法則であり、特殊相対性原理の要請を自然と満たしても不思議はないのかもしれない。