8月9日放送の囲碁NHK杯戦では梅沢由香里(35)が登場する。現在女流棋聖のタイトルを保持し、いろいろなメディアに登場している。最近ではスズキの自動車・アルトのCMに出演した。
梅沢由香里はおそらく囲碁の女流棋士で最も人気がある人だろう。Googleの検索キーワードでは月平均で9900回「梅沢由香里」で検索されている[1]。現在のNHK杯戦司会である万波奈穂の名前「万波奈穂」での月平均検索回数は2900回なので、梅沢由香里の方が約3.4倍検索されている。
梅沢由香里の活動は囲碁の棋戦での活躍というよりTV放送などのメディアでの活躍の方が圧倒的に目立っていると思う。上記のスズキのアルトのCMだけでなく、人気漫画「ヒカルの碁」の監修や人気だった昨年の大河ドラマ「篤姫」の囲碁指導役としてもテレビ・書籍で紹介された。
NHK杯戦の司会を務めたときに、囲碁をやらない人にも囲碁番組を見せる効果があったといわれたと何かの文献で読んだことがある。
ヒカルの碁や篤姫といった人気作品で書籍・テレビを通して紹介されれば、NHK杯戦に出るだけよりずっと知名度はあがるだろう。スズキのCMに出たのも知名度の高さが影響しているに違いない。囲碁棋士がCMに出演するのは珍しいことなので、梅沢由香里の知名度はかなり高いに違いない。
囲碁の実績より宣伝などの点の貢献の方が圧倒的に高い梅沢由香里だが、囲碁の実力もそこそこに高い。現在は女流棋聖のタイトルを3連覇中で、対男性棋士戦の勝率も5割程度である。
無論、現在の囲碁棋士トップの張栩五冠などの正タイトルホルダーと比べれば非常に劣っているといわざるを得ないが、女流棋士としてはトップレベルで全棋士でも中間的な実力だろう。
それにしても、梅沢由香里の紹介を書くと棋戦実績より宣伝・普及の点ばかりになってしまう。この人は囲碁棋士というよりタレントといった方が彼女の活動実体にあっているのかもしれない。
参考
[1]Googleの月間グローバル検索ボリュームの値は2009年8月2日のものを使用した。