世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

本物のミュージシャンについて

2012-09-18 02:56:23 | 合唱・音楽

本物のミュージシャンについて考えた。まず、国語辞書では次の通り。

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ミュージシャン【musician】
音楽家。特に、ジャズやロックなどの演奏家をいうことが多い。
(大辞泉より)
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本物のミュージシャンは人によって違うものだから、明確に決めることはできない。辞書的な意味では音楽を専門とする人だから、具体的にはビートルズやプレスリーなど。彼らは典型的なミュージシャンだ。

では、AKB48はミュージシャンだろうか?辞書的な意味ではミュージシャンだろう。なぜなら、音楽で商売しているのだから。しかし、AKB48とビートルズでは全然違う。決定的な違いは音楽に重点を置いているかどうかだ。

ビートルズはパフォーマンスやルックスも重要だが、一番重要なのは音楽で、それで人の人気を集め絶大な支持を得た。彼らはミュージシャンとしての誇りを強く持っていただろう。ではAKB48はどうかといえば、明らかに音楽以外の要素に重点を置いている。正確には彼女達はアイドル兼ミュージシャンだからミュージシャン以外の要素を持つのは当然だが、それ以外の要素の方が明らかに強い。

AKB48の歌は、こういうのも失礼だがそんなに優れていないと思う。音程はあっていないこともあるし、歌声もそれほどよいと思わない。リズムもプロのレベルとしては正確でない印象を受ける。あくまで私はだが、彼女たちの歌を聴いてあまり満足しない。

AKB48がなぜ人気かといえば、ルックス、衣装、アイドル的なパフォーマンス、ミニスカート・水着・パンチラといった性的アピールでオタッキーな男性たちの大きな支持を得ているからだ。音楽能力はそれほど買われておらず、こういった要素で商売している。AKB48は形式的にはミュージシャンでも、実質的にはミュージシャンでないと思う。

少なくとも本物のミュージシャンなら、自分たちの音楽に誇りを持っているから、劣等な音楽を提供したいと思わないだろう。テレビ等でそんな様を公表したら、「自分達は劣等な音楽しか提供できない無能な団体だ。」といっているようなもので、そういうことをやったらプライドが許さないだろう。例えば大工が人の住めない不十分な家を建てて提供するのは、大工としての仕事を果しておらず大工とよべない。それと同じで、プロとして劣等な仕事しかできないのは本物とよべない。ただのアイドルだ。

AKB48に限らずこの手のアイドルは実質的にミュージシャンでないことが多い。80年代後半に活躍したおニャン子クラブも同じで、Youtubeで演奏を聞くと、失礼だが、とても酷い。音程もあってないし、歌声もきれいでないし、リズムもハーモニーも劣等。聴いてもちっとも満足しない。素人の女子がカラオケで歌を歌ったのに近い。AKB48と同じでルックスやパフォーマンス等で人気を得ていたのだろう。

以上、本物のミュージシャンが何かについて考えたが、少なくとも私はミュージシャンという以上音楽を最重要項目として活動し、いい演奏で客を満足させるスキルを持つ人たちだと思う。

上では「AKB48は本物のミュージシャンではない。」と言っているが、こんなことを彼女達にいったら怒られるだろう。彼女達なりに音楽が好きで、最善を尽くし、プライドを持っているかもしれないし。

ただ、こういうことを言われたくないなら、ミュージシャンなんて辞めた方がいい。こういう仕事は様々な批評に晒されるのは宿命で、多様な価値観がある以上全く悪い意見を言われないのは不可能だ。歌謡界の巨人と言われた美空ひばりだって、悪く言う人は確実に存在する。

「人の陰で人の悪口をいうべきではない。」
「ネットの匿名性を隠れ蓑にして、人の悪口をいうべきではない。」
「"本物のミュージシャンではない"なんていうべきではない。」

と批判されるかもしれないが、ネット社会はそんなものじゃないか?むしろ、

「確かに私は悪くいったかもしれないが、一方で良く評価する人もたくさんいる。音楽を公表するのならそれで十分ではないか。」

と思う。それに次の考えは重要。

図1 公表された作品に対する作者の考えと表現の自由 [1]

公表された作品については見る人全部が自由に批評する権利を持つ。どんなにこきおろされても妨げることはできないんだ。それが嫌なら誰にも見せないことだ。

いい事をいうのは許されて、悪い事をいうのは許されないということはない。基本的にどんな意見も自由に言える。これを表現の自由といい、重要な人権として憲法で保障されている。これは民主主義の基本であることは広く知られている。

AKB48が本物のミュージシャンとよばれたければ、もっと音楽スキルを上げてよい演奏をすればよい。もっとも、音楽スキルはそこそこで、アイドル的な立ち振る舞いで商売するスタンスなのだから、AKB48にいる以上本物のミュージシャンを目指すのは難しい。そもそもAKB48に入ったのが間違いだったといえる。どうしても音楽で勝負したいなら、AKB48を辞めた方がいいと思う。

考えてみると、こういう意見は彼女達にとってとても辛いものだろうか?「こんなことをいうべきじゃない!」と言われると、そんな気がしないでもない。基本的には上の考えのとおりなので、問題ないと思っているが、この問題については改めて考えたい。

参考
[1]藤子・F・不二雄:"くたばれ評論家" エスパー魔美