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さらに、斜陽館!(その2)

生まれて、すみません。

撰ばれてあることの、恍惚と不安と二つわれにあり。

 

有名な太宰治のフレーズである。

前者は、二十世紀旗手、後者は晩年、にある。

 

特に、<生まれて、すみません>を高校時代に初めて知った時、すこぶる関心した。

人間として生を受けたのちの生きていることの罪悪感は理解できないわけではないが、

人間として生まれ出づることまで罪悪感を持つものだろうか?

大きな疑問だ。

 

太宰のライフコースは、短い。38歳で亡くなっている。作家の活動は15年ほどだ。

私生活では、波瀾万丈。

1909年6月19日生まれの太宰は、18歳で芸妓小山初代と知り合う。

20歳で自殺未遂。21歳でカフェ女給と心中(女給だけ亡くなる)。

22歳で小山初代と同棲。

26歳で自殺未遂。

28歳で小山と心中未遂。

29歳で石原美智子と結婚。

38歳で愛人ができる。

   石原との間に3人目が生まれ、

   また愛人との間にも子どもが生まる。

39歳で別の愛人、山崎富栄と玉川上水で入水心中。

 

文壇の大御所川端康成からは、こうした生き方そのものを批判された。

 

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