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も一度、斜陽館(その3)!

太宰治は、人間として生まれたことに対する根源的な問いかけをし、

また地元の名望家の家に生まれたことに対しては複雑な感情が綯い交ぜになっていることを告白している。

極めて<真面目な人間であり作家である>。

 

ところが、小説を通してみた太宰の哲学者としての側面とは裏腹に、私生活はひどいものがある。

国会議員をしていた父親が配偶者以外の女性とどのように付き合いがあったか知らないが、

おそらくほとんど接触がなかった父親の影響ではなく、太宰本人としての女性観から、妻がいながら<浮気をする>、さらに妻との間に子どもをもうけながら、同時並行で、愛人との間に子どもを産むといった、アクロバットをやってのけた。

極めて<不誠実である>。

 

一人の人間に宿る真面目と不誠実。

この相矛盾する二つが、太宰の中でどのように解釈されていたのか。

太宰治研究者が、こうした疑問点をどのように分析しているのか読んでみたいものである。

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