「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「藤の豆果」

2014-12-30 09:57:59 | 和歌

   遊歩道の脇に、「藤の豆果・とうか」がぶら下がっていた。

 藤棚に絡めるにはまだ早い若木の藤ではあるが、細い枝蔓の先には大小かなりの数の「豆果」がぶら下がっていた。

 もう暫らくすれば、長い実莢が乾燥して弾け、中から円盤状の豆が飛び出すことだろう。
子供の頃は、弾ける前の豆果を採ってあれこれ遊んだことが懐かしい。

 乾燥した豆果を振ると、中の豆と実莢がカラカラと乾いた音を立てるので、二・三本を手に持って処構わず打ち付けて、
リズミカルな歌や勝手気侭なダンスをして遊んだ。

 夢中になって豆果をブツケて遊ぶうちに、突如として実莢が弾けることが度々あった。
パンと乾いた音がして豆を弾き飛ばし、実莢は一瞬の間に捩れて、らせん状に変形するのだ。そんなオドロキが、堪らないお遊びであった。

 

           あまたなる豆果を吊るす藤蔓の

           観ばや新芽の伸び立つ姿を


           逞しく伸び上がるらむ来る年は

           豆果の数多に勢い観るかも


           ビロードの豆果を手にして偲ばるる

           幼き頃の遊びのあれこれ


           二・三本の豆果を振ればカシャカシャと

           歯切れ良き音を耳に聴くかな


           飛び跳ねて豆果を打てば突然に

           実莢弾けて飛び散る豆ぞも


           手に持ちし実莢は捩じれて アレ! れれれ??

           「藤の手品」か? 魔法? のオドロキ!! 







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