川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

PTAよりもずっとパワフルな「学校理事会」(BOT)のミーティングに出る

2009-08-20 15:02:28 | 保育園、小学校、育児やら教育やら
R0011283写真は特に深い意味もない人面木。
道路から、今住んでいる「小さいお家」に入っていくアプローチにある。毎日、この顔を見ている。

さて、こっちに来てはじめて「学校理事会」に出席した。Board of Trusteeで、「(権限を)委任された人たちの会議」ってところ。学校理事会とか、学校評議会とか、さまざまな訳がありうるけれど、ここでは「学校理事会」としておく。ニュージーランドの教育に詳しい玉川大学の福本先生もそのように訳していたし。

簡単に細くしておく、学校理事会は日本にある似た名前の会とは比べものにならないほどパワフル。もちろんPTAなんて目じゃないほど。つまり、名実ともに実権を持っている。

教育委員会がなく、各公立校が教育省と個別に契約を結ぶこの国では、学校理事会がそのまま教育委員会の役割を果たす。学校運営にかかわるディシジョンをできるだけ現場の近くで行うという仕組み。財務、人事、カリキュラム、施設……といったマターがすべて学校理事会の管轄であり、法的な責任すら負っている。しかし、無給のボランティア。

で、以下、時系列に。

時系列の中に、ぼく自身にとっても新たな発見やら、ぼくは知っているけれどこのブログのほとんど読者が知らないかもしれない知識についてコメントが差し挟まれることになると思うので、恐ろしく読みにくいのは覚悟!

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会議が始まる予定の1830きっかりに到着。
学校側スタッフが資料の準備をしている。第一副校長と、第二副校長、教員代表でカリキュラム担当のボードメンバー、さらに、学校の事務局長(school administration)で、ボードではミニッツセクレタリー(書記)をつとめる女性。これだけで4人。さらに校長も顔を出す。

保護者側で、最初にやってきたのは、議長。チェアマン。おもしろいのは、PTAのヘッドはプレジデントだけれど、ボードのトップはチェアマンなのだ。そいうや、15少年漂流記の寄宿校は「チェアマン校」だったし、島の名前もチェアマン島とつけたんだったよなあと思い出す。

で、議長は、背が高く物腰の柔らかなアングロサクソン。
後れて、女性のメンバー。地域との協議を担当する人。
さらにらもう一人男性。ファイナンス担当。

1840くらいに、議長からの議事の開始のアナウンス。
まず、出席についての確認。
apologyというのだけれど、これが必ず議事の冒頭に来るのが、この手の会議のきまりらしい。

ちなみに、役職は、議長、副議長(目下、欠員)のほかに、ファイナンス、施設、地域との協議、健康と安全、スタッフ代表/カリキュラム、法的な問題/自己評価、校長/人事担当、書記(ミニッツセクレタリー)がいる。書記は本当の意味で記録担当で、議事に参加する立場ではない。また二人の副校長も、正式メンバーではなく、必要に応じて発言権を与えられている、というニュアンスでそこにいる。

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実際の議事はまず、前回のミーティングの確認から。
すでに書記によって、ミニッツリポートができあがっている。それを確認する。さくっと済む。

内容はというと、「通信」の確認がまず最初にくる。それこそ、「教育新聞」であるとか、「NZSTA(ボードの支援組織)からのnewsletterであるとか、教育省からの連絡事項であるとか。また、外向きの通信(こちらから出したもの)についても、だれにどんなことを書いたかと述べられている。それこそ、「ファンドレイジングのための寄付についてのお願いを、AMIスタジアムのだれそれにした」とか。

また、それ以降、ボードがパブリックモードから、クローズドなコミッティモードに入る。スタッフ人事と生徒についての議論なので、プライバシーの問題からそうなったということ。その法的根拠も示される。ボードは法的な責任を負う、公の団体であり、基本的性格としてオープンであるため、クローズドにするためには根拠が必要らしい。

この件を延々と話し続けて2010にまたオープンモードへと復帰。
学校理事会メンバーで在任中に亡くなった人のメモリアルツリーについて議論される。

というふうなことが書いてあった。

この日、会議が終わったのは終わったのは2020とのこと。
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そして、今回も通信マターから話が始まる。
教育省から、学校支援ネットワークについての資料が来ていて、それについては校長が担当……とか割り振っていく。
NZSTAのニュースなどは全員目を通そうね、みたいなかんじで。10通の通信について、読んだり、返事したり、アクションを起こしたり、ということの確認。
さくっと終わった。

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時間がかかったのは、校長からボードへの報告。
ジェネラル・マネジャーである校長が、ガバナンスの側にいるボードに報告するわけだから、それは当然のことか。

この1ヵ月の校長の日々の行動やら決断やらを報告。
・ICT(Information Communication Technology)のミーティングに出席したこと。インターネットの回線のアップグレードを決断すべきという話。
・低学年のリテラシー教育の核となっているサウンドアライヴ(教材や、その使用法など、カリキュラムパッケージ)の担当者が訪れて、学校のリテラシーチームと協議した。リテラシーチームは、サウンドアライブを非常にうまく使って成果をあげている学校に1泊の予定で視察に行くことになった。
・アメリカからフルブライトのスカラーたちが4人来た。
・新しいスクールマネジメントシステムを作っている。今はMusac(http://www.musac.co.nz/)というソフトを使っている。それを、schola(http://www.schola.co.nz/)とschoolmaster(http://www.schoolmaster.co.nz/)というのに。ソフトウェアの話。なんだか「進んでいる」ぞ。
などなど

近々にあるイベントとして
・ティーチャーオンリーデイ。生徒はお休みで、先生だけが登校。研修にあてられるが、今年は学校の固有の文化について(教員が変わっても受け継がれるべきもの)理解を深めるというタスクを設定し、午前と午後に分けた長いセッションの予定の説明。
・近隣の学校で交流の深いところの校長が訪問する。上記の「固有の文化」について、教員が理解を深めることの意義を自校での実践を通じて強調している人物。
・地域との協議の進み具合の報告。
・ショーケースイブニング。地域の人たちを招いてコミュニティの中の学校を意識してもらう場であり、校長やボードからの短期目標、長期目標、大切にすべき価値・文化、特に将来計画の焦点としてe-learningの導入について語られる予定。生徒会からの発表もある。さらに生徒のパフォーマンスもあっててんこもり。当日の流れのダイアグラムみたいなものが示される。ここではじめてPTAの名前が出てくる。役割として「コーヒーとお茶を入れられるセットを用意。4カ所」とある。つい笑ってしまう。ちなみに、来週PTAの会合だ。きっとこの件が話し合われるだろう。

ここまでで1945。開始から1時間ちょい。

さらに施設の問題を校長から。
・学校の改装計画。図面をもってきて盛り上がる。今の状態は「ダンジョン」(迷路)だ、みたい。たまたまぼくの息子がいるルーム10が、来年、スタッフルーム(職員室)になる。
*************
1955
熱心な議論の後で、ちょっと空気がなごむ。めいめい、コーヒーをいれたりする。でも、まだまだ続く。

前回も議論された記念樹について、学校の緑を管理するボランティア組織からの提案を議論。

ここで2010。
デリケートな問題を語る、クローズなセッションに入るため、非ボードメンバーは退出。
ぼくも含めて、副校長も部屋を出た。
徹底している。
*****************

以上。
ぼくたちがいなくなってから、教員の評価について、特定の子の行動についてなど、プライバシーにかかわる問題が議論されたのであろう。
一般論として、人事、生徒の問題以外は、だいたいオーブンにしてしまっていいらしい。

学校のガバナンスを担う立場のボードとして、白熱するというよりも、どちらかというとリラックスした雰囲気で、議論が進んだのが印象的だった。

教員側メンバーも積極的に発言するし、保護者と教員の「分断」は感じられない。
いずれにしても、ぼくにとって最初のボード体験。
今回は見たことやら、印象やらを記するのみ。

まわりを固めて、体験も深め、いろいろ考えていくつもり。


車窓から竜巻が見えた。

2009-08-19 14:11:39 | 川のこと、水のこと、生き物のこと
Img_1239写真を整理中。
これは2週間くらい前、息子のロボカップの帰り、車窓から見えたもの。
撮影は息子。

竜巻?
いったいこれはなんだ。アメリカ中西部じゃあるまいに、かくも巨大なトルネードは!

というのは嘘でただの雲。
それもある意味人工的なもの。

飛行機雲の変わり果てた(?)姿なのだった。
この日は大気がちょうど、クリティカルな状態だったらしく、飛行機が飛んだ後、おもしろいように、むくむくと飛行機雲が成長し、はては巻層雲になったりするのも見られた。
竜巻雲は、日没1時間くらい前に、西へと飛んで行った飛行機が残したもの。
直線的な航跡にできた雲が、しだいにスパイラル構造になって、なんとなく「脊椎雲」になったと思うと、地平線近くではだらんと広がって竜巻雲になってしまった次第。
Img_1203Img_1216Img_1214_2


バックストリート@CHC(および、近況報告)

2009-08-19 07:33:22 | 日々のわざ
R0011269R0011270「ガーデンシティ」という異名を持ち、とにかく瀟洒なイメージのあるクライストチャーチだけれど、バックストリートというのはやっぱりあって、目抜き通りである「コロンボストリート」から一本細い道を入ると。こんなふうになっていたりする。
もちろんシティセンターでのこと。

で、近況報告ですが、元気です。のどの風邪をひきかけたけれど、大事に至らず回復方向。

昼間は図書館に行ったり(今この瞬間)、近所の川沿いでホワイトバイティング(ウナギかなにかの稚魚を大量捕獲するネットを使った漁)をしているおっちゃんと話し込んだり(さっき)、夜はBOT(学校理事会)のミーティングに行ったりしているうちに時間がすぎていきます。


GRD2の空

2009-08-18 08:41:29 | きうらきら光ったりするもの
R0011164_2GRで撮った縦位置の写真がなぜか縦にならない。
うーん。
EOSの場合、プレビューで開いて回転させて保存させれば、そのままブログにアップしても反映されるのだけれど、なぜかうまくいかない。なぜなんだろう。
GRD3が手に入ったら、本格的にしらべるとする。

で、GRでとった空。
悪くない。
というか、ちょっと柔らかめの諧調は安心できるし、なにより、ゴミが入らない!
もうぼくのEOSたちは、センサごみだらけです。



川の字? それとも、別室?(子育ても、子どもの育ちも、解けない方程式を解こうとする努力なのだ)

2009-08-18 08:30:11 | ひとが書いたもの
子どもの将来は「寝室」で決まる (光文社新書)子どもの将来は「寝室」で決まる (光文社新書)
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これはある意味で「類型本」。
人の行動のパターンと「結果」を結びつけ、「こういう行動はこういう結果をもたらす」と述べる。

統計的な検定もした上での結論が述べられているが、有意な場合も中央値が1.5倍にも満たないものが多い。95%CIは示されていない。さらにいうと、考慮してしかるべき交絡は考慮されていない。つまり、相関を検討する議論としては読めても、因果推論としては弱い。

というわけで、多元的で多要因なこの現実世界で、子どもの将来が「寝室」(親と子が一緒に寝るか、その場合どのような配置か……等々)だけで決まっている訳ではない当たり前のことを念頭に置いてよめばとても面白い本。

ぼく自身、「川の字」で寝るか、「別室か」というのは、人格形成上、大きな違いがあるかもと感じてきた。けれど、これらの間に、いかにたくさんのバリエーションがあることか!
センスオブワンダーを感じるほどだ。
たしかに「二人目」が生まれると、とたんに単純な川の字は成立しなくなる。
上の子と下の子をどう配置する?
そこで生まれる感情的紐帯は?

いや、子どもが一人でも、子どもを中心にするか、母親を中心にするかという二大派閥(?)があるようだ。
子ども中心に当たり前に落ち着いた自分のとこと違う選択を、これまた当たり前にする人たちがたくさんいることに新鮮に驚き。

しかし、寝室の中というのは、なかなか話題にしにくいものだ。
それをある時期の「婦人公論」が定期的にアンケート調査しており、著者らも社会科学的に設計された調査を行ってきたことに感服する。

分りやすい類型化への違和感は冒頭に述べた通り。それをあえて強調するのは、「実感に通ずる」結果が述べられているから。

それにしても……
子育ても、子どもの育ちも、解けない方程式を解こうとする努力なのだ。

そうつくづく思うのだった。

さらに……教育委員会もない(ニュージーランドの教育wonder!)

2009-08-14 18:52:40 | 保育園、小学校、育児やら教育やら
R0011290時間割がないゆるいクラスの現場について書いたけれど、さらに言うなら、この国には教育委員会がない。
国の文科省相当のところが、個々の学校と個別に「契約」を結んで、そこをステートスクール(公立学校とほぼ同義)として認め、予算を与える形をとる。
じゃあ、教育委員会の役割は誰が果たすのかというと、個々の学校の保護者から選ばれたボード(学校理事会)がそれに相当する。
教育行政の意志決定を、極限まで現場に近づけたのがニュージーランドのやり方。
学校理事会が大きな権限を持つ国や地域は多いけれど、教育委員会相当の行政機関がなく、国がいきなり学校理事会と契約を結ぶという形式を取るのは、ニュージーランド以外にはない、というのがぼくが聞くところ。
というわけで、ニュージーランドの公立校は保護者が、校長や教員を雇い、カリキュラムを承認し、学校施設を管理する。学校のガバナンスが完全に保護者の側にある。

写真は、朝、学校に行ったら、高学年の子がやっていたコイントレイル。
どんどん小額のコインを並べていく。
子どもを送りに来た親が協力して、ポケットの中のコインを供出する。
遊びといえば遊びなのだが、
児童が行うファンドレイジング。
「保護者立」の公立校であるがゆえに、資金集めはこういうレベルから、結構、切実というか、日常の風景です。

時間割というものがない

2009-08-13 19:49:11 | 保育園、小学校、育児やら教育やら
R0011314どうもニュージーランドの初等教育では、時間割というものがない。

たぶん先生は、前の日の夜にあしたは何をやろうかなあ、と考えて、翌日、学校に来る、やることをだいたいホワイトボードに書き出す(すみません、写真が横で)。

国が決めた大まかなカリキュラムはあるが、どんな教材を使うかは自由だし(検定済み教科書みたいなものはない)、そもそもテキストブックなしでやるプログラムが多い。

なんだかひどくリラーックスで、ゆるゆるだ。


はじめての雨、サミュエル・バトラー(「エレホン」はここにある)

2009-08-13 07:18:50 | 日々のわざ
R0011338こちらに来て1ヵ月にして、はじめての本格的な雨。
天気予報はこの先一週間ずっと雨模様。
やたら乾燥した空気だったので、ちょっとうれしい。

そんな中、読書していると、「エレホン」のサミュエル・バトラーが開拓時代のニュージーランドに6年間も住んでいたことを知った。
それも、クライストチャーチから入って、カンタベリー奥地のシープステーションで働いていたとか。

のちにイングランドにもどって「エレホン」を書いた時、設定といい、描写といい、ニュージーランド、それも南島のカンタベリー地方を想起させるものになったとのこと。ぼくが読んだのはずいぶん前だから、そういう印象は薄れてしまっているのだけれど。

そういえば、2月にこっちに来たときに、たまたま道路の標識で「エレホンはこちら」みたいなのを見付けてびっくりしたことがあったのだ。それは、バトラーが働いていたシープステーションの場所につけられた地名だそうな。

さらにいうと、そのリアル「エレホン」は、映画の「指輪物語」のどこかのシーンの舞台にもあったという念の入りよう(これは未確認情報)。
いずれにしても……ちょっと興奮した。

これまで「15少年漂流記」の国だと思っていたのだけれど、「エレホン」の国でもあったのだ。

エレホン―山脈を越えて (1952年) (岩波文庫)
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発売日:1952
エレホン―倒錯したユートピア (1979年)
価格:¥ 2(税込)
発売日:1979-12


イングランドをそのまま移したようなある意味特権的な植民地だったカンタベリーは、「南半球のピルグリム」と認識されていたフシもあって、「ここに理想の町をつくるのだ」という意識が移民の中にも強かったという。
カンタベリー協会(アソシエーション)という「ほぼ」一元的な移民団(?)が仕切ったことも大きいのだろう。
オタゴのようにゴールドラッシュで、だーっといろんな人が入ってくるということもなく、牧羊でステディに事業を営みたい人たちが入ってきたことも。
「エレホン」の背景にはそういうものもあったのだろうと推察。

それにしても、羊、羊飼い、クライストチャーチ、カンタベリー、ピルグリム、丘の上……身の回りで飛び交うキーワードに、どうもクリスチャン方面の、なにげなくもディープな概念を暗示するものが多い。

滞在中、行かねばならぬところがひとつ増えた。
クライストチャーチからはなんとか日帰りの距離ではある。
きっと訪ねてみる。
しかし、エレホンを再読しようにも、今はもう古書に頼るしかないのだなあ。

なんじのゴミを愛せよ

2009-08-12 13:58:32 | 日々のわざ
R0011320R0011325_2人口が少ないが故に、これまであまりゴミの問題にも直面して来なかった(と思われる)クライストチャーチでも、最近、リサイクルの取り組みが始まっている。

なんじのゴミを愛せよ。

通常ゴミと資源ゴミを分けて、1週間おきの回収。

回収車の脇についているアームでゴミ箱を持ち上げて、内容物を入れていく。ドライバーがひとりで、回収できるので合理的といえば合理的。

Love your rubbish!


ニュージーランドの対米交渉(小が大を呑む?)

2009-08-11 13:57:54 | ひとが書いたもの
対米交渉のすごい国 (光文社新書)対米交渉のすごい国 (光文社新書)
価格:¥ 840(税込)
発売日:2009-06-17

これ、こっちに来てはじめて読み終わった日本語の本かも。
アメリカに比べて相対的な小国が、いかに対米交渉でしたたかに立ち回り、時と場合によっては「勝って」きたか、ニュージーランド、カナダ、メキシコの3国の事例で検討する。
ぼくの興味としては当然ニュージーランド。

ニュージーランドが、非核化するさいにどのようにアメリカを説得し、友好国で留まりつつも、「非核」を認めさせたか、というのは非常に興味深いプロセスだった。

アメリカが「弱い者いじめ」を嫌うお国柄であることも関係するだろうし、小国はパワーがないからこそ、むしろ、対米関係においてイニシアティヴを取り得るケースがある。

もっとも、それだけというわけではなく、対米交渉においてはずせない鉄則や、大が小を呑むTipsも紹介される。

大変、楽しく、今の自分の状況にひきつけて読みました。


ロボカップジュニア@クライストチャーチ(準優勝しました)

2009-08-11 07:34:54 | 日々のわざ
ニュージーランドでもロボカップジュニアは行われていて、先週末にカンタベリー(クライストチャーチがある地域の名前、日本でいえば関東くらいの感覚か)大会があった。息子は、日本にいるときからレスキューカテゴリーの準備していて、こっちに来てからもディテールをつめて参加した。

大会は学校としての参加が前提になっているのだけれど(教師が指導する)、うちの小学校にはチームがなかったので息子が事実上の「代表」になった。

いわゆる「大会」なるもので、「賞」をとったことがない彼にとって、準優勝はとてもうれしかったみたい。
思い切りほめておいた。そして帰りにデニーズでおめでとう会をした(ささやか)
Img_1155Img_1172Img_1091_2

Img_1061_2Img_1146ちなみに優勝したのは左の子。
4回のトライアルのうちにだんだんマシンの調子が悪くなっていって必死に修正する姿が印象的だった。
それでもぶっちぎりの1位。

右はえらくシンプルでいいかんじのマシン。ただ、ライントレーサーとしてはメカもプログラムもダメみたいですぐに脱線していた。

ついでながら、ルールなのだけれど、日本と「シナリオ」が違う。
ライントレースして犠牲者をレスキューするのは同じとはいえ、こっちの犠牲者はラインをたどった最後のところにいる。緑色のエリアに缶が立っているのがそれ。

緑色は有害な化学物質で、その中から押し出せばミッション成功となる。上のカテゴリーでは、特定の場所に犠牲者を導いてはじめてコンプリート。

120秒の時間制限があり、その間なら、脱線しても、何度でもスタート地点に戻せる。

概して日本の運営よりもゆるい。
やりたい人からトライして、プログラムを間違ったグループは時間内ならいったん自室に戻って修正を許したりする。

日本は規模が大きくなりすぎてしまって、きちんきちんとスクエアにやらないとまわらなくなってしまっているのだろうなあ。



クライストチャーチ図書館、えらい!

2009-08-10 21:57:18 | 日々のわざ
R0011298この8月5日から、クライストチャーチの図書館で、無線インターネット接続を無料で提供するようになった。
ありがたい。
自宅のネット環境が貧弱で、本当に困った者ものなのだ。

渡りに船とばかりに活用させていただきます。

ちなみに、きょう初めて訪ねると、実に快適。家から一番近い図書館には、カフェがあって、買ったコーヒーを館内のデスクで飲んでもよい。
なんてフレキシブルで、リラーックスなかんじなんだろう。



空を飛ぶと遅くなる

2009-08-07 21:18:50 | 日々のわざ
R0011263R0011280現在、ぼくが置かれている「ネット環境」について。

一応、ブロードバンドをうたう、ワイヤレスインターネットです。
EmobileみたいにSIMカードを使うようなものではなく専用の受信モデムを送ってもらって接続する。3Gの技術をベースにしているというけれど、多少のアレンジもしてあるよう。

で、ぼくが住んでいるのは丘の上。
実は、このサービスの範囲外。
けれど、実際のところ、これ以外に事実上の選択肢がない、という状況なのて無理をして加入した。
さすがに範囲外だけあって、受信状態はあまりよくない。


たとえば……昨日、Leopardのアップデートがあったので、寝る前にダウンロードしておいたら、受信状態が極端に悪く、朝起きてももまだ続いていた。結局、160メガほどを落とすのに、14時間くらいかかった。
こうなりゃ、意地だい! って気持ちで最後までやりましたとも。

今これを書いている瞬間はわりと調子がいいので、スピード測定をしてみたら、なんと、下りで57kbps。
あー、びっくりしたーっ。

Speed

160メガで14時間というのを、秒速にするとどうなるのだろう。怖くて計算できない。
けれど、なぜこんなに遅いかというのは、単に基地局から遠いというのがあるのだけれど、調子が悪い時に極端にパフォーマンスが落ちることについての仮説を述べるなら、クライストチャーチって、夜、すぐに「逆転層」が生じるのです。

放射冷却ですごく寒くなって、地表に近いほど気温が低い、という状態。
朝起きたら、丘の上から見る町が雲(スモッグともいう)の下、というのはよくある光景で、そんなことになる前の夜は、極端に電波が悪くなったりする。

ひょっとして、3Gで使っている周波数は、逆転層を突破できないとか……。

めちゃくちゃなこと言っていますか、わたくし?

いずれにしても、こういう環境でネットしてます。
報告でした。



ハネジロペンギン・チェイス

2009-08-06 19:49:40 | 川のこと、水のこと、生き物のこと
Img_2569_4Img_2567_2クライストチャーチからバンクス半島にかけて、ハネジロペンギンというコガタペンギンの地域個体群(亜種というコンセンサスはあるのだったけ。現状を把握してないです)がいて、一番近い生息地は車で30分くらいのところからさらに3,40分歩いたところにある。

今、こちらは日没が五時半すぎ。
ということは、昼間、魚群を追った連中が帰ってくるのを見られるかも。
生活が軌道に乗ってきたので、友人宅に子どもをあずけ、ちと下見に行ってきた。

結果、ハネジロは見られなかったのだけれど、たしかにいる。
プレデター対策のフェンスの内側には、巣箱が設置されていて、その周囲にまだ匂いのするウンチ。
けれど、巣箱は空っぽ。

日没まで待ってみたけれど、海から帰ってくる様子はない。
双眼鏡を手に、小型のアホウドリが飛んでいるのをみて目を楽しませ、帰ってきた次第。
歩いたトラックには羊がいっぱいでした。

ちなみに、ここは1995年、はじめてニュージーランドを訪ねた一連のペンギン取材の時に、ドクター・チャリスに連れてきてもらったところ。
今年の2月、長期滞在の下調べに来た際、「再発見」したのだった。
その時のことは、本に書きました。
ペンギン大好き! (とんぼの本)ペンギン大好き! (とんぼの本)
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2002-08