RICOH デジタルカメラ GXR ボディ 価格:(税込) 発売日: |
RICOH GXR カメラユニットRICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC 価格:(税込) 発売日: |
RICOH GXR カメラユニットGR LENS GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO 価格:(税込) 発売日: |
リコーから、非常に面白いカメラが出た。
銀塩フィルムから、デジカメに持ち替えたときに、カメラの「レンズとボディ」の関係について、頭の中で再定義するような作業が必要になったのだけれど、このデジカメのコンセプトは、「カメラってなに?」と聞いてくる。
一眼レフのデジカメの場合、ボディには撮像素子があって、つまり、ボディがフィルムまで内蔵しているというふうなイメージ。
ところが、GXRは、レンズの側に撮像素子までくっついていて、それゆえ、レンズとは呼ばずに「カメラユニット」と呼ぶ。レンズ交換ではなく、カメラユニット交換。
ぶっちゃけ、「カメラ交換」という概念にいきつく。
で、残った部分がボディ。
ユーザインタフェイスの大部分を集約し、シャッターなどほとんど操作部分を持った筐体をボディと呼ぶ、と。
うーむ、おもしろい。
一眼デジカメの撮像素子に付着するゴミに苦労している身としては、その心配がいっさいなく「レンズ交換」できるのは、それだけでも魅力。
そのことと、反するのだけれど……カメラユニットの仕様を公開してもらえれば、サードパーティが参入して、ライカマウント用のカメラユニットとか、ニッコールやEF用のユニットだって開発できなくはない。需要があるかは別にして。
ちなみに、「ボディ」はどれくらいの「寿命」を期待できるのだろうか。
撮像素子やら描画エンジンはカメラユニット側にあるので、ユーザインタフェイス的な部分で日進月歩なのは液晶画面くらい?
ことボディにかんしては5年のスパンを生き延びると思ってよいのだろうか。
一方レンズは?
今回発売されたA12 50mなど、非常に魅力的にレンズだけれど(撮像素子はなんとAPS-Cなのだ)、画素数はともかく、高感度性能については1年後、2年後には見劣りしてしまうのは分かっている。その際のアップデートのタイミングは?
などと、いろいろ考えると、このコンセプトのカメラの前には、非常に「どっちに転ぶか分からない」的な未来が待っている気がする。
個人的には、顕微鏡写真に便利! と感じる。
接眼部に重たいカメラをまるまる乗せるのでなくて、レンズユニットだけのっけて撮影、とか。
必ずしも、ボディとカメラユニットはくっついている必要はないわけで、ますますカメラらしくない、というか、カメラってなに?って考えさせられる「マシン」なのだった。
個人的に静かに熱くなっております。
追記
sionoiriさんのコメントなどを読んで、追記。
つまり、この製品、「カメラの解体」を提案していると読めるわけです。
カメラは、もはや、カメラである必要はない。
従来のカメラの殻(=ボディ)を維持しつつ、将来的にはボディなんててんでもいいや、ということにもなりうるのか、と。
どうころぶか分からないポテンシャルを秘めていること(本当にカメラが置かれていた社会文化的文脈も含めて解体してしまうか、すーっとフェイドアウトしてしまうのか、意外にもやはりカメラとして受け入れられニッチを見いだすのか)、ぼくが静かに熱いのは、まさにそういうわけなのでした。