川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

「雲」のシリーズの新作「天空の約束」を紹介いたします。

2015-09-24 22:37:25 | 自分の書いたもの

久々更新。
「天空の約束」(集英社)を紹介します。
http://amzn.to/1O8jnyh
7月に書店に並んだ「雲の王」(集英社文庫)の、続編というわけではないのですが、同じ世界で起きている(起きていた)物語です。ちょっとだけ接点もあります。

宣伝の文句──
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身の回りの空間の気候、すなわちの研究者である八雲助壱。
元教え子と共に「雲の倶楽部」なる会員制のバーを訪れた彼は、不思議な小瓶を預かることに──。戦時にも遡る、空の一族の壮大な物語。
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章立てはこんな雰囲気です。

序・雪と遠雷
1、微気候の魔術師、招かれる
2、眠り姫は、夢で見る
3、観天の者、雲を名乗る
4、天空の妖精が、光の矢を放つ
5、分教場の子ら、空を奏でる
6、龍のみうろこ、悪戯をする
7、透明な魔女は、目の底で泣く
8、雲の待ち人に、届け物をする

文芸誌小説すばるにて「連載」していたものですが、実は、「1、微気候の魔術師、招かれる」「2、眠り姫は、夢で見る」「5、分教場の子ら、空を奏でる」以外は書きおろしになりました。もっとも「5」が非常に長くて、全体の3分の1を占めるのですけれどね。

「雲の王」を書き終わった時点で、作品中に描けなかった様々なサブストーリーが分岐して、頭の中がはち切れそうになっていまして、ならば、同じ世界を舞台にしたスピンオフ作品を書こうというと思ったのがきっかけです。頭の中にある物語の種が、あまりに多方面にわたって芽吹こうとしていて、とりあえず、作品をだーっといくつも書いてみました。
その中から、「小説すばる」への掲載分を決めるうちに、一見雑多なお話の中からまた別のストーリーが浮かび上がって、ああこういう話だったのかというふうに本作の輪郭が出来上がっていきました。
 
前作の語り手、南雲美晴と同様、空に大きな水蒸気の樹木を見る「地味な超能力」を持った人たちが出てきます。前回は、千葉の「郷」の話だったのですが、その頃、西日本の共同体は崩壊して、それでも、力を持った人たちは、その力によって翻弄されます。彼らが下した決断とは……。

9月25日発売なのですが、シルバーウィーク直前からすでに書店には並んでいるようです。
ぜひ手にとって御覧ください。
「天空の約束」(集英社) 単行本なので一般文芸やエンタテインメントのコーナーに置かれていると思います。

前作「雲の王」(集英社文庫)はさいわいながら好評で、発売2ヵ月で、2刷がかかりました。
http://amzn.to/1KZsVsk

姉妹関係にある「天空の約束」と「雲の王」。ともどもよろしくおねがいいたします。